<バンコク滞在レポート>子供たちと考える原爆と平和、海外での子育てについて

2018年6月6日

今回は、先日訪れたタイでの活動についてお話したいと思います。

—夾竹桃物語「わすれていてごめんね」
8月6日、午前8時6分。日本人であれば、今から73年前のこの日に一体何が起こったのか知っているはずです。原爆ドームや平和記念資料館、追悼式etc. 犠牲になった方々を悼む機会は多くあっても、「動物たち」の存在に心を傾けることは少ないでしょう。

緒形俊平著「夾竹桃物語−わすれていてごめんね」は人間だけでなく、動物や植物などこの地球上に存在する生き物にも尊い命があるということを描いた絵本です。この物語をタイで活躍する画家の阿部恭子先生が、子どもたちにも分かりやすいカラフルなタッチの紙芝居で制作。幼稚園年長〜中学生までの児童を対象に、読み聞かせと、絵画のワークショップを行いました。

集まったのはバンコク在住の24人の子どもたち。この紙芝居を観賞して、それぞれが感じたことを感想画として描きます。七色の虹や、青々と生茂る木、ウサギや鳥といったか可愛らしい動物たち……。悲しい歴史を理解し、希望を持って未来へと向かう子どもたちの決意がそれぞれの作品に表れていたように感じます。

話を聞いて、絵を描くことで、歴史の全てを理解できなくても、きっと彼らの潜在意識に何かが残る。そんな小さな「平和の種」を蒔くことができました。

—恭子先生のアトリエで、子育てセミナー。海外ならではの強みを活かして。
上記のイベント前日には、バンコク在住のお母様方を対象にセミナーも行いました。テーマは「遊ぶ」ということについて。「遊び」とは一体どんなことでしょうか? お母様ご自身は、どんな「遊び」をして育ちましたか? おままごとや折紙、「あんたがたどこさ」、あっち向いてホイetc.、昔ながらの伝統的な遊びの経験はきっと誰にもあることでしょう。

しかし、近年の子どもたちは室内でゲームや、お稽古事のはしごで、この「遊び」をする時間がありません。色々なことをつまみ食いするのではなく、「遊び」を通しての気付き、そして閃きを得ることを大切にして欲しいと思います。(ケンパ遊びは体操教室で習うものではありません!)

そして、海外ならではの人との出会いとつながりについて。東京にいれば、同じようなコミュニティと環境の中で生活してしまいがちですが、一歩日本から出れば多様な人々と出会うことになります。是非その多様性を活かして、お互いに刺激し合ってください。それによってご家庭での教育の幅もグンと広がるはずです。

—9人の子どもたちとのお稽古。
予定になかったのですが、ホテルの部屋でキンダーから年中までのお子様たちとお稽古をしました。日本のバードウィーク(5月10日〜16日)にちなんで鳥の工作をしたり、パターンブロックを利用したりなど、子どもたちが楽しく遊ぶことを覚えるお稽古になったと思います。(タイの幼稚園では、子どもだけでなかなかハサミを使わせてもらうことができないので、少々苦戦する姿も見られましたが……)海外在住の場合は、工作で使うハサミといった道具類を、日本で購入していくことをお勧めします。

また、タイのみならず交通渋滞の著しい地域に居住していると、時間にルーズになりがちです。でも、遅れることが当たり前になってはいけません。子どもたちに一旦そのクセがついてしまうと、日本に帰って来てもなかなか直すことができません。良いところは多いに取り入れて、マイナスになることは身につけないように気をつけましょう。

—パタヤの市場で発見した珍しい魚貝類や果物
最後にタラート(=市場)で見つけた新鮮な食材の数々です。同じカニやエビでも、普段日本で目にするものとは色や形状が全然違っていたり、見たことのないようなフルーツもたくさん陳列されていました。


現地で撮影した写真を見ながら、日本にいるお教室の子どもたちも早速模写。それぞれ特徴をしっかりと捉え、大変上出来です。

日本、タイ、そのほかどこの国にいても、できることは無限大です。まずはその国を楽しむことこと。それを一番に考えて欲しいと思います。

磯邊季里 @ 2018年06月06日 12:59 コメント: (0)

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