<こひつじかい> 筍掘り遠足

2016年4月22日

4月17日に筍掘りに行ってきました。この日はお天気が荒れ模様との予報で、当日はどのようになるのかといろいろと気を揉みましたが、できる備えをして予定通りに出発となりました。
朝8時、レインコートなどの雨具と筍を入れるための大きな袋を持った子ども達が田園調布駅に集まってきました。レインコートを忘れてきてしまった子もいましたが、急きょ大人用のものを調達し、サイズを調節して対処する一幕もありました。しかし大きなてるてる坊主を持ってきた子がいたおかげか、風は強いものの雨は降らず、良いお天気での出発となりました。

電車とバスを乗り継ぎ、埼玉県の所沢に向かいました。途中の航空公園駅ではお天気雨に合い、「晴れているのに不思議だねー」と子ども達。「狐の嫁入り」の伝承から「竹林に狐がいるのかも!」と話がはずみました。バスを降りたら竹林までの長い長い一本道を歩きます。風が強かったため砂埃が起きていました。年長さん達は年中さん年少さんの手を引き、砂埃が起きると「目を瞑ったらいいよ」「下を向いたら目が痛くないよ」などと声をかけていました。

ようやく竹林に到着すると、子ども達は「うわぁ!!大きい!!」と親筍を見て驚き、なかには筍と背比べをする子もいました。筍というと斜面に生えている印象ですが、ここは平坦でとても広い竹林で、少々の雨なら竹が傘になってくれそうですし、斜面よりはずっと安全なので、2歳のお友達も遠足に参加できます。今年は筍が豊作とのこと、さあ、リュックを下ろし軍手をはめてシャベルを持ったら準備万端です。農家の「筍先生」から筍の掘り方のお話をよく聞き、少ししか頭が出ていない筍を掘るということを知りました。縦割りのチームに分かれて、頭が少しだけ出ている筍を探して掘り始めました。目当ての筍を見つけたら周りの土を柔らかくしていただき、シャベルを使って掘り出します。子ども達が持ってきたのは先がとがったシャベルでしたが、それでは先が筍を傷つけてしまうことを「筍が痛いよ」と、筍先生が優しく説明してくださいました。子ども達は筍の赤いブツブツが見えるまで、チームで協力して一生懸命掘っていました。掘っている途中でミミズやアリなどを発見しました。また、途中で硬い竹の根や筍の赤ちゃんを発見し、「ここにある筍や竹はみんな家族なのだよ」と農家の方に教えていただきました。すると子ども達は、竹と筍が土の下で根としてつながっていることに驚いていました。掘っている途中で、お友達の掘った土が目や口に入ることもあり、泣き出してしまう場面もありましたが、子ども達はみんな最後まで掘ることを諦めませんでした。公園での砂場遊びも少なくなった今の時代、筍を「掘る」という作業やそのために土を「かき分ける」という作業は、子ども達にとって日常的ではありません。シャベルの持ち方だって、大人が教えてあげなければならないことを改めて思いました。

がんばって土から筍を掘り出した子ども達は「大きい〜〜!!」「私のは双子だったの!」と自分の力で掘った筍を大事に持っていました。
筍先生からは、良い筍を栽培するためには竹を間引くことも必要であり、管理するために竹に1から5までの番号がふってあることも教えていただきました。

たくさん歩いて一生懸命に掘った子ども達はお腹がペコペコになっていました。おにぎりと、農家の方が前日から準備してくださった筍の煮物、筍のお味噌汁がお昼ご飯です。筍のお味噌汁は「行列のできる筍のお味噌汁屋さん」になり、子ども達が何回もおかわりをして、あっという間になくなってしまいました。

お昼ご飯を食べ終えたらお絵描きの時間です。竹林の絵、筍の絵、筍堀をしている絵、子ども達それぞれにとって印象に残ったものを絵にします。竹がどんなに背が高かったことか、農家の方が持っていた道具がめずらしかったことなど、絵をみていると子ども達が感じたことが伝わってきます。どの子の絵も上手で、五感を磨き、森林浴ができました。

その後、竹林のスタッフの方がメダカやキンカン、満開のシャクナゲの花を見せてくださいました。農家の方のお庭でたくさんたくさん遊ばせていただいていると、帰る時間になってしまいました。農家の方々に大きな声でごあいさつをして、また来た道を戻ります。たくさん歩き、掘り、食べ、遊んだので、帰りの電車の中ではぐっすり寝てしまう子どももいました。

雨に加え強風に見舞われたこの日、都内では交通の乱れや事故が起きていましたが、農家の方のご配慮で、屋根のある場所を使わせてくださり、私達はどうにか予定通りに筍掘り遠足を行うことができました。とても有難いことだと思います。
どの子も新しい学年になって間もない時期の遠足でしたが、春の講習やスキーキャンプを経験して、お兄様お姉様になった年長さんをはじめ、とても良いスタートをきれたと思います。強風の影響で帰りの電車の行先が変更になり、乗換をしなければなりませんでしたが、小さな子も最後までちゃんと自分で歩いて、お父様お母様が待つ解散場所まで行きました。こうした体力はどんな活動の源にもなるものです。お家では筍と一緒に持って帰ったぬかで筍料理をいただいたり、子ども達のお弁当に登場したりすることでしょう。お稽古では、折り紙で筍を作ったり、筍の絵を描いたりして、この遠足を楽しく復習しています。
子ども達がこの日の筍のようにしっかりと地に根をはり、すくすくと成長していってほしいと願っています。

磯邊季里 @ 2016年04月22日 13:32 コメント: (0)

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