0歳からのパターンブロックインストラクター養成講座開講2日目

2016年2月8日 / 未分類

講習2日目はワークショップ中心の内容です。初日とは違ったグループでの作業になります。一人が先生になってお題を出し、他の人がパターンブロックでお題に則して何かを作ります。あるグループのお題は「花」でした。できあがったお花は色々なところに違いがあります。「これは何の花?どのように考えたの?」など、会話を発展させていくことも考えてみます。

 次に、グループ全員でお店屋さんごっこ遊びを考えます。パターンブロックを品物やお金に見立ててお買い物のやりとりをすると、そこで置き換えが生まれることに気付きます。最後にパターンブロックを片付けるとき、どこが早く片づけられるかの競争をすると、「手際よく」片付けることを考えるきっかけになります。そこには「分別」の要素もあり、小さなうちから自然と、きちんと片付けられるような学びにつながります。

 緑色の正三角形のブロックを使ってグループで大きな木をつくろうとすると、平面に広がる木や高く積まれた木ができあがりました。どれも正解です。想像力が広がります。

 今回の講習では、パターンブロックのインストラクターに認定するためのテストが行われます。まずはじめにグループワークでのテストをしました。「空」というテーマが与えられ、机をキャンバスにしてパターンブロックでグループで考える「空」を描きます。完成後の発表では1グループにつき3分でプレゼンテーションを行い、メンバーが一人ずつ感想を発表しました。

 和やかな空気はここまで。個人でのパターンブロックのテスト、筆記試験と続きます。テストを受けること自体、久しぶりの方も多かったのかもしれません。制限時間にドキドキしながら取り組む大人達・・・!最後の最後まで、本当にお疲れさまでした。

 2日間にわたり開講しましたパターンブロックインストラクター養成講座、はじめての開催で改善すべき点もあることと思います。受講目的は様々にあり、それぞれに則したアプローチが必要になってくると思います。受講された皆さまのご意見を頂戴し、より良い講座に育てて参りたいと考えています。

 今回の講義でも強調してお話ししたのは、親や指導者はパターンブロックを、子どもが自分自身で考える力を持ち、生き生きと育つことに役立ててほしいということです。今の世の中は便利なものがたくさんある一方で、以前なら子どもが自然に学べた機会を逸している一面があるということ。多くの情報があるために、かえって「とことんやる」に至らずにつまみ食い状態で終わる落とし穴も多いということ。小学校や中学校受験での成功を第一に子育てを考えがちで、子どもが遊びのなかで学ぶ大切さを忘れているということ。パターンブロックを活用して親や指導者が子どもと一緒に遊べば、これらの子育ての落とし穴に落ちずにすむことでしょう。シンプルなパターンブロック一つでいろいろと工夫をして楽しめるので、他の玩具をあれこれ買う必要はなく、想像力やコミュニケーション力が育まれ、そして何よりも親や指導者と楽しい時間を共有するなかで、子どもが自然と様々なことを学んでいけるのです。

 工夫して遊び、考える楽しさを味わったりできる喜びを感じることで、子どもは自信を持ち、何事にもチャレンジしようという意欲がもてるものです。パターンブロックのインストラクターには、ぜひ子ども達がこのような道をたどれるような、上から目線ではない愛情のある言葉がけをしていってほしいと思います。

 講義中に何度となくこぼれた、受講者の皆さまの笑い声を思い出しています。笑い声が聴けたのは、皆さまが楽しんでパターンブロックに接することができたからだと思います。今回はこのことだけでも、開催した意義があったと考えています。これからももっと多くの方や次のステージを必要とする方に、パターンブロックの活用方法をお伝えして参ります。次回もどうぞ、ご期待くださいませ。

0歳からのパターンブロックインストラクター養成講座開講1日目

2016年2月8日 / 未分類

世界で最初に考案・体系化した

「0歳からのパターンブロックインストラクター養成講座」を開講しました。

パターンブロックを使った授業(HANDS ON MATHなど)やクラスは日本全国また、世界の色々なところにあります。とはいっても0歳~3歳までを対象としたクラスはありません。お母様・指導者がしっかりとパターンブロックを理解していれば、0歳~の赤ちゃんが算数の勉強やコミュニケーションを自然と磨き始めます。

2月6日(土)・7日(日)の午後、東洋館出版社の会議室で第一回目となるパターンブロックインストラクター養成講座を開講しました。長年にわたりこひつじかいのお稽古にパターンブロックを取り入れ、バンコクや玉川テラスのイベント・セミナー等では、パターンブロックで遊ぶことが子どもにとってどんなにすばらしいかについて伝えて参りましたが、より多くの子ども達に伝えるためにはパターンブロックの指導者が必要だと考え、東洋館出版社のご協力のもと、数年前よりこの講座を準備してきました。

受講者には子育て中のお母様方や、幼児教育を学んでいる大学生、小学校教育の現場で子ども達を指導されている先生、そして高齢者介護技師の方もいらっしゃいます。木製の触感や色鮮やかさなど、パターンブロックには高齢者の認知症予防や治療にも効果が望めるところですが、この分野での活用はまだまだ検討がはじまったところ。この講座をすすめることが、より多くの方に活用していただくことに繋がるよう願っています。

この講座ではパターンブロックの使用を0歳の赤ちゃんからとしていますが(必ず保護者が一緒に、誤飲に十分気を付け大きいブロックのみを使用する前提で)、小学校の先生にとっては普段接している子ども達よりずいぶん小さな子どものお話しになります。しかし、0歳から3歳までが子どもの成長にとって土台となる最も大切な時期ということを踏まえ、この時期の子どもについてのお話も聞いていただくことといたしました。

講義は4人ほどのグループにわかれて行いました。初日は子どもの成長に合わせた指導のポイントをお話しすることが中心となりますが、黙ってお話を聴くだけではありません!受講者には実際にパターンブロックを触ったことがない方もいらっしゃいます。まずは指導者となる人がパターンブロックのことをよく理解する必要がありますので、パターンブロックを触りながら、ブロックの特性を確認したり、自由に形をつくってみたりしました。指示された形を作ろうとすると、スラスラできる人もいれば苦戦する人も・・・。今の新年長クラスの子ども達は、もっとスラスラできると聞いて、苦笑いする大人達でした。

また、指示通りに作るというとき、指示をきちんと聞くことに意外と手こずる大人達!日頃のお稽古で子ども達がうまくできなかったとしても、もう頭ごなしには怒れません。

 作るだけではなく壊すことにも学びがあります。手を使わず、ふーっと息を吹きかけて壊すことをやってみます。ふーっと吹くということ、今の生活ではあまりされないためか、紙風船ですら膨らますことのできない子どもも普通にいるのです。でもこれは子どもは知らないだけで、知らないことは大人が教えてあげなくてはいけません。紙風船の例だけではなくどんなことでも、子どもは知らないからできないことだらけ。大人は何度でも繰り返し繰り返し、子どもがしっかりとできるようになるまで教えてあげることが大切です。このように丁寧な学びを経た子どもは、学校での勉強がはじまったときも、単調に見える繰り返し練習を嫌がることなく取り組む姿勢をもって、確かな学びへつなげることができるでしょう。

グループでの共同作業も行いました。一人で作業をしていても飽きずにずっと触っていたくなるパターンブロックですが、誰かと一緒だと会話が生まれ、お互いの違いに気付き、そこからの学びもあり、何より笑いが生まれるということを再認識しました。今の便利な世の中では遠くにいる実際に会ったことがない人と簡単につながることができる一方で、身近な人とのつながりが希薄になる傾向にあります。パターンブロックで何かを作りながら、関連する会話を楽しめること、コミュニケーション力を育めることは大きな魅力です。

 

<子育てセミナー> 玉川テラス~気づきと学びの子育て法~

2016年1月24日 / 未分類

「遊び」とは生きる力・学ぶ力

  1月18日月曜日、雪による交通機関の混乱があるなか、玉川テラスで子育てセミナーを行いました。ちょうど朝の通勤・通学ラッシュの時間帯に雪の影響が出たため、参加された方もみなさまいつも通りの外出とはいかず、大変な思いをされた方もいらっしゃいました。玉川テラスへ来る途中、制服を着た小学生の姿を見かけました。学校によっては休校にしたところもあったようですが、遠方から通学している場合など、その連絡を受ける前に家を出るケースもあることでしょう。大人も交通の乱れに混乱するなか、思わぬ混雑に遭遇し不安を感じた子どもがいたことと思います。今回はまだ気象による交通の乱れで済みましたが、これが地震やテロだったら?比べものにならないほどの危険が伴うかもしれません。小学校受験をし電車通学をするということを改めて考えさせられます。いつもと違うルートを試してみる、それも一度試して安心してはいけません。子どもにとっては一度くらいではいざというときに活用できないと思います。いつも通りでない場合を想定してそれに備える、親が一緒に準備してあげなければならないとても大切なことを、暖冬のなかの雪が思い出させてくれた朝でした。

 さて、本日のテーマは「遊び」です。これは実は今年の活動テーマです。小学校受験の準備をしていると、年長ともなると子どもが「勉強」という言葉を使い始めます。私はそれはまだ使わなくて良いと考えています。勉強という言葉には、子どもはいずれ拒否反応を示しかねません。勉強ではなく「学び」ととらえてほしいのです。遊びのなかでクイズをしたり、工夫をしたりすることから学ぶことはとてもたくさんあります。小学校受験のためだけの勉強、小学生になってからの「のびのびのはき違え」はとても怖いものです。自分で考える力を育てることが何より大切です。自分で考える力は、生きるために何かをすることを楽しく感じさせ、つまりは生きる力を育むことにつながります。自分で考える力、豊かに生きていく力を育てるような学びは、遊びの中からたくさん得られることを、お母様方にぜひ再確認してほしいと思います。

 では「遊び」とは?改めて考えてみるとどうでしょう。お子さんとは遊んでいますか?週末は遊んでいたとしても、平日は?公園などに連れていき、子どもが遊んでいるそばで携帯電話を操作していませんか?それでは一緒に遊んだことにはなりません。9歳までは、お母様方は子どもと一緒にいるときは便利なものと離れていてほしいと思っています。昔ながらのシンプルなボードゲームやカードゲームで子どもと一緒に遊ぶのがおすすめです。ゲームのルールを守ることは社会のルールを守ることにつながります。特別な設備のあるところではなく、家のご近所の公園で良いので、バーチャルではなく本物の自然のなかで遊びを探し遊びを作っていくと、「自分で考える力」「生きる力」という点で子どもが変わってくると思います。

 子ども達に「昨日遊んだ?」と聞くと、「忙しくて何もできなかった」という答えが返って来ることがなんと多いのでしょう。今の時代、特に都会には子どもに足りない3つの「間」があるといわれています。この3つとは何でしょう?「時間」「空間「仲間」です。子どものためを思って、様々なお稽古をさせるご家庭があります。週末ともなれば一日に3つも4つもお稽古の予定があるケースも!これでは結果的に、どのお稽古もつまみ食いをするようで、集中力を養う妨げにもなります。時間的に余裕がなくなれば学校の勉強もおろそかになりがちで、ゆっくりと自分で深く考え復習できなくなってしまいます。

 都心では公園が少なくなってきています。子どもが外で安心して思い切り遊べる環境について、親が考え整えてあげる必要がある時代になったのです。公園の減少は仲間と遊ぶ機会も奪っています。アメリカ・テキサス州出身のロバート・フルガムの著作に「人生に必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場で学んだ!」というものがあります。人間がどう生き振る舞うべきかを、幼稚園の砂場で他者とかかわりながら遊ぶことで学んだというのです。学びの土台となる大切な砂場遊びを、衛生上の理由で毛嫌いする親もいると聞きますが、汚れれば洗えばよい、そこにも親子の学びの機会があるととらえ、ぜひ砂場に子どもを入れてほしいと思います。

 昔ながらのシンプルな遊び、身近な公園のなかで遊びを探し作っていく過程、砂場で他者とのかかわりのなかで何かをつくっていく過程には、「遊びが心を育てる」という恵みであふれています。例えば積み木遊びは、考え、工夫し、イメージを表現することにつながります。ままごと遊びやごっこ遊びでは日頃見聞きしているものを体現し、他者の立場を想像し理解することを助けます。ぬいぐるみ遊びでもコミュニケーション力を育みますし、ジェスチャーごっこなど表現力を育てる遊びもあります。折り紙で静かに遊ぶこともあるでしょう。ゆっくりとくつろぎ、リラックスできる遊びは、子どもにとってとても大切な時間をもたらしてくれます。

 親の立場として気を付けたいのは、まだまだ子どもらしい遊びをしていてもよい時期に「もうそんな遊びは赤ちゃんのようだ」と取り上げてしまわないことです。小学生にもなると学級のなかではお兄さんお姉さんを気取りたいためか、昔ながらの遊びをばかにする風潮が出てくるかもしれません。子どもはそういったことに敏感です。でもご家庭では、先を急ぐ必要はまったくないと思います。ここで例にあげた遊びはいずれも想像力を育て表現する意欲を育むもの、これらで遊ぶ時期を足早に通り過ぎるのはもったいないのです。

 コミュニケーション力や想像力を育て、表現する意欲を育てる遊びは、つまりは心を育てるものと言えます。子どもの成長を願うとき、心身のバランスが大切と誰もが思うことでしょう。身体の成長は目に見えてわかります。頭脳の成長もまだわかりやすいですが、心の成長は見えにくく、わかりにくいものです。日本語では「心」と一言でも、英語なら「heart, mind, spirit」などがあり、いろいろな側面をもつ奥深いものであることに気付かされます。心は人が生きていくうえで背骨のように大切なもの。その心が育っているかをよく見てあげるために、親子で一緒に遊ぶことがとても大切なのです。「遊んであげている」という意識ではなく、子どもの立場になって、子どものをことをよく見て、子どもが発信していることをよく聴くことで、子どもの成長にとって重要な思いやりの気持ちやコミュニケーション力、聴く力と話す力が備わっていくと思います。こういった子どもは仲間を得、仲間で何かを大切にしていくことができ、一人で得られるよりずっと豊かな人生を生きていくことができるでしょう。

 小学校受験ということを考えたとき、お試験=知識と思われがちですが、実は今日お話ししたような、子どもらしい遊びのなかで自然に学び、他者とのかかわりの中で自分を生かしていけるような子どもであることが大切になってくることも付け加えておきましょう。

 子育てに迷いや悩みは付きもの。でも子どもは自然に遊び、学んで育つ力を持っています。遊びながら生きるための全てを学んでいるのだから、親は子どもと一緒に遊んでいれは大丈夫です!先を急がず、安心して共に楽しみ、わくわくしてほしいと願っています。

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