<こひつじかい> 無人島に行ってきました!

2016年7月25日

7月22日(金)生憎のお天気となりましたが、年中クラス以上の子ども達と東京湾唯一の無人島、猿島へ遠足に行きました。品川駅に集合したときは小雨模様でしたが、子ども達は元気に出発!このとき、お母様方にお話ししたことがあります。前日の夏期講習も雨天の為に変更事項があり、子ども達が活動しやすいような準備を考え、留意するようにお話をしたのですが、その翌日の遠足でも準備が足りない様子が見受けられましたので、もう一度準備についてのお話しをしました。傘を持っていく子どももいれば、レインコートを持ってきていて傘は持たない子どももいます。探検をする遠足というとき、まだ小さな子ども達にとってどちらが活動しやすいでしょうか。

今日の遠足では、4色のグループに分かれ、そのなかでペアをつくって行動します。 このグループ分けは、間もなく始まる斑尾キャンプにつながるものと考えています。グループ内で協力して行動することは、子ども達にとって机上では得られない大切な学びに満ちています。品川駅から横須賀へ向かって乗った電車は途中の横浜あたりまで通勤ラッシュの真っ只中でした。そんな車内でリュックを背負ったままでは迷惑になりますので網棚にのせました。まだ吊革に手が届かない子ども達が危なくないようにつかまるにはどこに立つのがよいでしょう。そんなマナーやルールを学びます。横浜を過ぎると車内が空いてきたので、窓からの景色を楽しみました。先頭車両に乗ったので、運転席と同じ景色を見ることができました。そして、お天気が回復してきた空も見えました。

 横須賀駅に着きました。雨はあがっています!記念写真を撮り、横須賀ならではの雰囲気を感じながら船乗り場まで10分ほど歩きます。ヤシの木が見えると「ハワイみたい!沖縄みたい!」という子ども達の声が聞こえてきました。普段生活している町との違いに気分が盛り上がったところで船乗り場に到着、しかしここでまた雨が降ってきてしまいました。予定を変更し、無人島へ行く前に記念艦として停泊している軍艦三笠を見学することにしました。

 三笠は明治35年に竣工され日露戦争の勝利に貢献した戦艦です。日本人の精神性を象徴する側面があるように思われます。第二次世界大戦後に発足した三笠保存会設立時の総会で小泉信三先生が「自尊自重」について述べられたことからも、そのことが伺えます。(「自尊自重」という言葉について、今とこれからを生きる日本人として一人ひとりが少し立ち止まり、考えてみる必要があるのかもしれません。)子ども達は艦長さんから三笠について説明をしていただきました。大降の雨のなか、レインコートを着た子ども達は熱心にお話を伺いました。この日は悪天候で見えませんでしたが、本来は甲板から猿島が見えるとのことでした。
 
 船内に入り、三笠を模ったうちわとコースター作りをしました。うちわの柄も自分達で付けました。遠足のしおりに絵を描いていると少し雨が小降りになってきたので、11時30分出発の船で猿島に渡ることにしました。その時間に間に合うように、船内をグループに分かれ、見学しました。いろいろな部屋があり、船の中とはおもえないようで、また、年月が経ったことさえ感じられないように、今でも手すりを始め、すべてのところを丁寧に磨き、素晴らしさをひしひしと感じました。古さゆえの味を子どもたちでさえ感じ、モノを大切にすることをここで学びました。
船着き場では、また雨が落ちてきました。少しの間でも濡れて、体調を壊せてはいけないので、レインコートを着ることにしました。雨の中での作業は大変です。学年にかかわらず、レインコートを自分で着れる子どももいれば着れない子どももいます。自分で上手くできないときに、すぐにあきらめずにやろうとすることが大切です。雨具一つをとっても、大切な学びがあるものです。

 乗船して15分ほどで猿島に着きました。雨はやんでいます!お腹がぺこぺこでしたが、まずは貝拾いを楽しみます。テーブルなどが濡れいていて、また雨が降ることが心配でしたので、ランチは室内でいただきました。お母様が作ってくださったお弁当をおいしそうに食べる子ども達でした。外からミンミン蝉や鶯の鳴き声が聞こえて来て、とても東京の無人島とは思えません。清々しく涼しい空気は別世界のようでした。

 いよいよ無人島探検に出掛けます。猿島は元々海軍の要塞でしたので、レンガ積のトンネルや砲台跡などの旧軍の施設が残っています。これらを探検する頃にはお天気が回復していました。晴天とは言えなくても、熱中症の心配もなく、活動しやすい天候でした。島内をぐるりと一周巡り、絶壁のすばらしい景色が見える場所にたどり着きました。山を登ると視界に海が開けました。


 水着を着て来た子ども達。少し寒いけれど海に入ってみることにしました。足だけでも・・・と思っていたら、結局泳ぎだす子ども達です。誰一人寒いという子どもはなく、みんな笑顔で楽しんでいました。このお天気で貸し切り状態の猿島、ライフ・セーバーもしっかりと子ども達を見ていてくださいました。

 着替えてから船で横須賀へ戻ったら、三笠の公園で約1時間、思いっきり走って遊びました。特別な遊具など必要なく、全力で鬼ごっこを楽しむ子ども達でした。公園には噴水があり、クラシック音楽に合わせて水の動きが変わります。その様子を鑑賞したあと、帰路につきました。

 帰りの電車では年中さんは座り年長さんはいつものように立っていました。座った年中さんは寝てしまいましたが、年長さんは景色を楽しみながら品川へ帰りました。東京とは違い、そして日本のなかでも特別な雰囲気を持つ横須賀を楽しむことができたと思います。
 
 今回の遠足は中止ということばが浮かぶようなお天気でしたが、雨でも出来ることがありますし、子どもにとっては学ぶことがあります。うちわやコースター作りも、当初は予定されていませんでしたが雨だったために経験できたことでした。それは行きあたりばったりではなく、準備していたからできたことです。子ども達が目一杯活動できるように、準備することがいつも大切です。海遊びでも、この日の天候では水が冷たいと大人は思いますが、海に行く気満々だった子ども達は晴れ晴れとした笑顔で楽しんでいました。もちろん危険なことは回避しなければなりませんが、日常的に大人の物差しで子どもの可能性を奪っていることはないでしょうか。

 島めぐりや横須賀駅から船乗り場までの移動など、相当な距離を歩いたと思いますが、てきぱきと行動できていました。遠足をサポートしていただいたお兄様お姉様達が、子ども達と一緒にたくさん遊んでくださいました。その様子から、子ども達が遊びのなかで学ぶ大切さを改めて感じました。この夏休み、各ご家庭で楽しい計画をお持ちのことでしょう。この遠足を通してお伝えしたい「準備」「遊びのなかで学ぶ」等、ぜひ意識して有意義な時間にしていただきたいと願っています。
 

磯邊季里 @ 2016年07月25日 00:29 コメント: (0)

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