<子育てセミナー> 「賢い子どもを育てる方法」 ~気づきと学びの子育て法~

2017年3月9日

 3月3日(金)お雛祭りの日に、玉川高島屋・屋上にあるサンルームのようなすてきなお部屋で子育てセミナーを行いました。前日の冷たい雨とは打って変わり、弥生にふさわしいあたたかな朝です。壁一面の窓からは屋上庭園が望め、クリスマス・ローズが咲いている様子や、あたたかさに誘われて遊びに来た、小さな子ども連れの家族が見受けられました。

 セミナーには生後5か月の女の子がお母様に抱かれて参加していました。会場に来る前に生花市場で調達した桃の花とチューリップを飾ったのですが、この赤ちゃんの初節句をお祝いできたようで良かったです。市場は春満載で、ミモザや色とりどりのラナンキュラス、チューリップがありました。今日選んだチューリップは「グレー」という表示が付いていました。花びらの内側は紫色で外側がグレー。なるほど、そう言われてみるとグレーです。以前ならグレー(灰色)は花の色としてはふさわしくないように感じたものでしょうが、この少しスモーキーで落ち着いた色味は、霞がかった春の雰囲気にしっくりとくるものでした。今日のセミナーにいらっしゃるお母様方を春のお花でお迎えしたい、そう思って立ち寄った花市場ですが、花好きの私にとってとても潤いのある朝時間を過ごすことができたのでした。

 はじめに自己紹介をしました。小学校受験を目的としたお稽古を長年やってまいりましたが、改めて私自身が自分の子ども達の受験準備をしていた経験を振り返ってみると、受験だからと特別なことをしたのではなく、日常生活で当たり前なことをやったのだと言えます。だからとても楽しい日々を過ごせたと思います。今の時代は情報量がとても多く、何かと惑わされてしまいかねませんが、とにかく9歳までは丁寧な子育てをすることが大切だとお伝えしました。
 あるお母様は自己紹介で、「先日娘がはじめて菜の花を食べることができ、春って苦いんだねと感想を言ったときに、娘の成長を感じた」とお話しくださいました。苦手と思っていたものを食べてみようと挑戦できた成長と、この年頃の子どもならではの純粋な感性で表現することができるという意味での成長。来年の同じ時期にはもうこのような感想は聞けないかもしれないのです。日常のなかで子どもの成長を感じる、幸せなエピソードでした。
 子育ては大変、確かにそうでしょう。けれども過度のプレッシャーに振り回されることなく、日々の子どもとの何気ない日常を、その中で発見できる子どもの成長に幸せを感じながら、ぜひ子育てを楽しむという気持ちを忘れないでほしいと思います。お母様方のそういった姿勢は必ず子ども達にも伝わるもの。子育てがうまくいく助けとなるでしょう。

 さて「賢い子ども」とはどんな子のことでしょう?子どもが小さなうちは、言葉を上手に使ってお話ができると賢いと言われます。しかし成長とともに、様々な要素が求められるのではないでしょうか。学習能力が高いだけではなく、人間関係を良好に築けることも大事なことです。そのような「賢い子ども」を育てるには、どうすれば良いのでしょう。
 まずは子どもができないことは「まだ知らない」と捉えて付き合い、子どもが上手にできることを自信につなげてみてはいかがでしょうか。身近なことで良いのです。子どもが成功体験をできるようにする、子どもが成功体験をすることができたと気付けることが大切ですね。

 先ほどの子育てを楽しもうという気持ち、それは心に余裕がある状態と言えるかもしれません。誰しもうまくいかずにイライラすることはあるでしょう。そんなときのために自分だけの解消法を持っていましょう。今回ご出席されたお母様方の多くは「食べる楽しみ」でイライラを解消されているようでした。食べること、食事作りを楽しめることは、子育てにおいてとても大事なことです。コンビニエンスストアなどで簡単に食べ物を買えることはとても便利ですが、そこには子どもへの愛情は入っていません。贅沢なものである必要は全くないので、お母様の愛情をかけて子ども達に食べさせてあげることが、子どもを大きく育てる鍵となります。子どもの食欲を掻き立てるようなお食事作りは「ママの工夫のしどころ」ですが、日中たくさん活動してお腹が空き、お食事がおいしい!という流れができるような一日のリズムをつくることも大切です。こういった生活を送ることが子どもの気力、体力につながります。9歳までにぜひ定着させましょう。
 賢い子どもを育てるには、してはいけないことはいけない、我慢するところは我慢の仕方、危険なことはどのように危険なのかを、伝えることが大切です。親がしっかりと教えれば、小さな子どもでもちゃんと学び、理解するものです。子どもにとって嫌なこと、危ないことを省いていては、自分で考え正しく判断する力が育たないでしょう。
 どうかお母様自身をいたわることも後回しにせずに、お金では買うことができない、日々のぬくもりでできていく親子の絆を紡いでいってほしいと願っています。
 セミナー後のアンケートには「新学年を前に、気持ちを切り替えることができた」「大きな枠の中で子育てを捉え直せた」「子どもとの関わりの中で大切なことを確認できた」といった感想が寄せられました。やはりこうした場で、ときどき子育てを振り返り、お母様自身の心と静かに対話する時間の意義を感じました。次回5月1日(月)に予定しておりますセミナーでも、お母様方の心が軽くなるような時間をご一緒できますよう、準備して参りたいと思います。

磯邊季里 @ 2017年03月09日 18:13 コメント: (0)

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