<バンコク> 個別レッスン

2017年6月5日

5月のバンコク滞在中に2歳児の個別レッスンをしました。限られた機会ではありましたが、3日にわたってお稽古をすることができ、この時期の子どもの成長を改めて感じました。
 このお稽古のテーマも、今回バンコクで行った他のお稽古と同じように「桃太郎」です。パターンブロックと指示行動を合わせて桃太郎の世界を楽しみますが、まずは導入として身近なお花をパターンブロックで作ってみました。ブロックを並べたり積んだり、手触りの良いカラフルなブロックで遊んでいる感覚で、小さな子ども達の気持ちが高まりました。
 桃太郎の登場人物の絵に色を塗り、パターンブロックを置いたり、折り紙で登場人物を折り、のりやテープで貼って工作に展開させたりしました。ペットボトルを使えば輪投げに発展し、トイレットペーパーの芯を使えばお人形ができました。このように身近なものを使っていろいろなものを作り、遊びを広げていくことがとても大切です。2歳児には折り紙は難しいですが、軽く折り目をつけたところを指でなぞるなど、できること、そして「自分で作った!」という気持ちにつながることは色々あるものです。

 タイでは大人が手厚く子どもを補い、手助けをする文化があることを、しっかりと意識しなければなりません。幼稚園での工作でも、のりの蓋の開け閉めをアシスタントの大人がやってくれたり、ハサミで切ることも途中まで大人がやってくれたりと、子どもが自分一人で完成させたという達成感や充実感が得られないのです。小さな子どもには大きなハサミを使うことはできませんが、幼児用ではなくごく普通のハサミを持たせ、何が危なくてどのように注意して使うのかを教え、切れ味の楽しさを教えてあげてほしいと思います。
 塗り絵や折り紙で桃太郎のお話を楽しんでいる中で、言葉を意識した時間を持ちました。例えば犬ですが、幼児は「わんわん」と言うことがありますね。しかしこれは犬の鳴き声で、日本語では「犬」と言います。せっかく海外に住んでいるので、タイ語では「マー」と言うこと、英語では「dog」と言うことも教えました。まだ2歳だからと制限をせず、いろいろな国の言葉を伝えてあげても良いと思うのです。
 言葉の学習としては、食器を使った時間も設けました。敢てプラスティックではなく陶器やガラスの食器を使い、気を付けて扱うことも教えながら、グラスやカップなど、食器それぞれの名前と用途を覚えるようにしました。素材によって打音が異なるので、音遊びを取り入れることもできました。このように、楽しみながら生活に使う色々なものを教えてあげてほしいと思います。

 女児の参加だったということもあり、少し桃太郎を離れてこの年齢の女の子が大好きなバッグを作ってみました。ピンク色の折り紙でハートを作り葉を用意すると、何だか桃のよう。簡単に作ったバッグでもこのような飾りをつけてあげるととてもうれしい気持ちになりました。
 前回の2月から約3か月ぶりにお稽古をしてみると、子どもの成長にはっとさせられます。好奇心が芽生え、1時間半のお稽古に泣くことなく集中して取り組むことができました。お稽古中に自分で作った作品を、お迎えにみえたお母様に見せるときの笑顔は「自分でできた!」という嬉しい気持ちで生き生きとしていました。
 3日にわたって行ったお稽古でしたが、2日目も3日目も、初日にやったことの復習を丁寧に行いながら少しずつ進めていきました。少人数のクラスや個別のクラスでは、その子どもに合った進め方ができるという大きな利点があります。まだ勉強ではなく遊びのなかで、自分でできたうれしさ、達成感をたくさん感じさせてあげてほしいと思います。「まだ2歳だから」という大人の思い込みは忘れましょう。様々な刺激が子どもの可能性を引き出す契機になり得るのですから。

帰った後も興奮状態でお昼寝もせず、ずっと遊んでいます。知的好奇心を刺激されたと同時に元気のツボまで押してもらったかのようです。
このまま早めに夕飯を食べさせて、早めに寝かせようと思います、とのこと。
無限の可能性を秘めた小さい子のパワーには驚かされることばかりです。

お稽古が進むにつれて子ども達の笑顔がどんどん弾けていく様子。これを思い出しながら、また次回のお稽古の準備をして参りたいと思っています。

磯邊季里 @ 2017年06月05日 18:53 コメント: (0)

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