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<こひつじかい>2泊3日DAY CAMP-③

2015年9月3日 / 未分類

3日目(8月21日)
夜が明け始めた頃にそっとカーテンを開けて、窓から少しだけ朝の風を入れておきました。優しい朝焼けが窓に映った頃、けらけらと声が聞こえ始めました。こっそり聞いていると、昨日のスイカゼリーや市場の話をしていました。私は何も言わずにしばらくいると、さっさと寝袋を片付けてお洗濯で干してあった体操服に着替え、体操に行く準備を整えていました。準備が早くできた子は、他のお友達のお手伝いをしてあげていたり、それはそれはしっかり者達です。ある程度人数がそろうと、階段から足音が聞こえてきて(抜き足、さし足といった具合に)「わっ!」と驚かされました。その時の嬉しそうな顔!朝から素敵な笑顔です。水筒にお水を入れて準備をし、今日は帰る日なので、お寝間着は自分の荷物の中に片付けます。言われたことをしっかりと聞いて行動する後ろ姿は、とてもお兄様・お姉様に見えます。そして、きちんとお友達に伝言ができること、立派です。
昨日洗濯したお寝間着をたたもうとしたとき、皆同じにお洗濯をして干したはずなのに、すっきり乾いているお寝間着と、まだ少し湿ったものがあることに気が付きました。なぜ???これまた不思議です。ここで素材のことを考えてみました。同じ用途で使うものなのに、素材によって乾き方が違うことに気付き、いろいろな素材探しをしてみました。一回体験するとおもしろくなり、考えることができます。「体操服が全部乾いていたのは同じ素材だったからだね。」という子どもの意見には「長い時間干したこともあるよ!体操服は朝までに乾かないといけないから、早く乾く素材なのかもね。」とお話をしました。
次は体操です。里紗先生とはちまきをして、静かな町を元気よく走っていきました。子ども達が体操に行っている間に、朝食の準備をしました。今朝はアメリカンブレックファースト。ホットドッグ、クラムチャウダー、サラダ、フルーツスムージー、みんなでもいだ梨、ブドウ。あさりは子ども達が出かける前にお水につけていったので、砂抜きをし、じゃがいもは皮をむいていったので、さいのめに切り、きゅうりとトマトは洗っていったので、氷水につけ・・・こんな準備をしているとアシスタントがいるようで、いつもの何でもない準備にもうきうきしてしまいました。

ずいぶん離れたところから元気な声が聞こえたかと思うと、あっという間に「ただいま!」と帰ってきました。縄跳びの回数や公園の様子など、それぞれが我先に報告をしたいことがあるようで、キッチンに駆け寄ってきました。どんな時も全速力でやっていることがひしひしと伝わってきます。
そんな報告も束の間、急いでおそろいのスターのTシャツに着替え、朝食の準備に取り掛かります。
普段はお家で一斤の食パンなどなかなか見ませんが、クラムチャウダーの器にするために、食パンをまたまたくり抜きます。上手にくり抜かないとスープがこぼれてしまうので慎重に!でもやっていると、お腹もすいているので食べたくなって、くり抜いたふわふわのパンをつまみ食い。お料理をしていると、こんなこともとても楽しいひと時です。とろりとしたスープにするために簡単なホワイトソースも作ってみたり、シンプルな材料ですがひと手間を惜しみません。くつくつ煮たスープもできあがり、食パンの器に盛ります。一斤を4つに切ると耳の部分が2つ。あとは底になる部分がありません。このまま入れてしまうとスープがしみてしまいます。そこで片面だけを焼いてみました。するとこんがり焼けたパンに仕上がりました。

ホットドッグのパンに切れ目をいれるのだって、ソーセージに筋をいれるのだって、それはそれは、大変。
ちょっぴりいびつになったのもご愛嬌、ホットドックも完成しました。昨日のプレゼントのレタスをホットドッグにはさんだり、くり抜いた食パンにジャムを挟んでサンドイッチをつくったり、一工夫してできたアメリカンブレックファーストです。フレッシュいちごやパイナップルの入ったスムージーも果物そのものの味を堪能できました。このキャンプでミニトマトを10パック完食!といったように、素材の味を味わっていただいたお食事ばかりでした。そして何よりも素敵な仲間と自分達で作っていただき、楽しい会話も加わったからこそ、こんなにお食事を楽しめたのだと思います。

このキャンプで楽しかったことを絵に描いているうちに、お迎えのお母様方の声が聞こえてきました。子ども達は自分達で作ったおうどんを思い出しながら、お母様方のために頭にいつものタオルを巻き、うどん屋さんになった気分で、工作でおうどんを作り、テーブルセッティングもして、お母様方をお招きしました。おうどん屋さんはお席をご案内したり、お水をサーブしたり、お味を伺ってみたりと大張り切りです。
お母様方もなりきっている子ども達を見て、きっとこの3日間の様子を感じてくださったことでしょう。
先生がお母様方にお話しをしている間は、今度はお花屋さんです。市場で仕入れた夏のひまわり達でブーケを作ります。お花屋さんは簡単そうに花束を作ってくださいますが、やってみるととても難しかったです。でも自分の身体が隠れるくらいの花束ができると、うれしそうにお母様にプレゼントしていました。
最後は荷物を自分でつめて、お帰りです。まだまだやりたいことはたくさんありましたが、一緒に過ごしているといつもは当たり前のことも新鮮だし、たくさんの学びがありました。お友達と一緒に過ごしたからこそできたこと、がんばれたこと、これが子ども達の中に種として蒔かれていることを願っています。
子ども達のおそろいのTシャツには真ん中に大きな☆がついています。子ども達は誰もがスターです。そんな子ども達をたくさん輝かせてあげるのも、私たち大人の大きな役割であり責任だということを、子ども達の写真を撮った時に改めて心に刻みました。
将来を担うスター達、もっともっとぴかぴかになあれ!と願いをこめて。

<こひつじかい>2泊3日DAY CAMP-②

2015年8月31日 / 未分類

2日目(8月20日)
曇天の朝、6時過ぎにもぞもぞと寝袋が動き始めました。子ども達の予定では5時起床6時出発でしたが、昨日の疲れをしっかりと取るためか、ぐっすり眠ってしまいました。
早速、自分達の寝床を片付けます。子どもにとって寝袋を袋にしまうことは、とても大変な作業です。心地よく眠れるふわふわな寝袋であればあるほど、小さな袋に入れる為には考え、工夫して、指先、手、腕を使わなくてはできません。今日のお天気のように、子ども達の顔もこの作業でかなり雲ゆきがあやしくなりました。子ども達の涙と同じように空からも雨粒が落ちてきました。
約1時間の葛藤の末やっとのことで出発です。寝袋を早く片付けられた子は、家事を分担します。朝ご飯の準備でお出汁を取ったりお米を研いだりします。他にも昨日干した体操服を取り込み、昨日着たお洋服やお寝間着の洗濯と洗濯物干しをします。お日様が出ているときならすぐに乾いてしまう洗濯物も、今日は時間がかかりそう。今晩寝るまでに乾くためにはどのように干したらよいか、これまた工夫が必要で、家事ひとつにも知恵をしぼらなくてはいけません。子ども達の会話を聞いていると、この知恵の出し合いもクイズやゲームをしているようです。

体操服に汗拭きタオル、縄跳びを片手に持って車に乗り込みます。女の子達は車の中での新しい遊びを発見したらしく、乗りたい車まで一目散に走っていきました。おっとりとした男の子チームは、きょとんとしながらもニコニコと市場に行く楽しみを身体で表現していました。さあ世田谷市場に向けて出発!早い時間に家を出ると道路もすいていますが、予定が遅れて道は込み始めていました。ここでもいろいろと学びます。同じ目的地に行くのにも、渋滞などによってかかる時間が違うこと。最短時間で行くためには、同じ時間を大切に使うためには、どうしたらよいかみんなで意見を出し合いました。これも経験です。実際に起こった出来事があるからこそ、子ども達はそこで考えるのです。最後には「満員電車に乗らないようにするには・・・・?」なんて応用問題までも飛び出しました。
世田谷市場に着いたらまずは生花市場に行きました。市場の朝は早く、5時には仕入れをする花屋さんでごった返すのですが、今日のこの時間になると少し落ち着き、市場の方々も笑顔で迎えてくださり、子ども達にとっては不幸中の幸いです。子ども達は初めて踏み入れる市場に興味津々。お花を見る前に、競り落とされた花を載せるワゴンに乗ってみたり、山積みされた空箱と背比べをしたり、すべてが楽しい遊びのようです。それぞれの花屋さん毎にお花の並べ方や売り方が違います。色分けして売られている市場、お花の種類毎に分けて並べている市場・・・これぞ、みんながよくやっている仲間分けや、同図形発見です。いつも見るお花屋さんと違い、たくさんの種類があるのにはみな驚きます。将来の夢がお花屋さんというお友達は、じっくりと様子を観察していました。

市場には、お花の他にお花に関連した商品を売っているお店もたくさんありました。私は教材をここで買うことがあります。ロールに巻いてある紙やかごなどを見て「いそべっちが持っている物売っているよ!」子どもは、自分達が使っている物、自分達の身近にある物をよく見ているのだな!と感心しました。
市場では季節が巡るのも少し早く、すでに秋の七草、お月見や敬老の日関連の商品が並んでいました。でも子ども達は大好きな夏の花、ひまわりを仕入れます。大きなひまわりはすでに終わってしまいましたが、いろいろな色のひまわりがあることも楽しい発見でした。ひめひまわり、フレッシュパイン、フレッシュマンゴなどなど、「名前だけ聞いたらたべたくなっちゃうな!」と言う子ども達のお腹が鳴っていました。

車のトランクいっぱいにお花を仕入れました。場内はお天気は関係がありませんが、駐車場に来るとあいにくの雨。雨だから公園に行けない!という声をよそに里紗先生の体操がスタートしました。すでに市場は終わりに近付いていて、車もほとんどなく、幸いにも(?)パーキングのラインがたくさんひかれた 空間ができたので、走ったり指示行動をしたり、いつもと変わらない体操をすることができました。

今度は青果市場です。「またせいかいちば?」と子ども達は花の市場を生花市場と覚えたばかりだったので混乱気味です。車をとめると、見たことのない変わった乗り物に遭遇。好奇心旺盛な子ども達は早速乗ってみたくなりました。大きな大きなハンドルがあったり、何をする乗り物なのか?いろいろな意見が出ましたが、答えはあとのお楽しみです。ドーム型になっている市場に来て、「ここはお花の市場じゃない!」に気が付きました。たくさん積み上げられた箱には、お野菜の絵や地図(~産)など、中に何が入っているかのヒントが描かれていました。答えを言ってはそっと隙間から中身を確かめたり、匂いをかいでみたり、五感をフルに使います。その姿はまるで子犬のようで愛らしいと、青果市場の方々も目を細めてお仕事をされていました。そんな時、子ども達に「これあげるよ!おいしいよ!」という声が聞こえ、その声の先には袋詰めされたレタスがありました。子ども達はすぐに駆け寄って、それぞれがレタスの袋を片手に大喜びです。子ども達の様子を見ていた市場のおじさんが、人数分の新鮮なレタスを袋詰めにしてプレゼントしてくださいました。

ぐるーっと見ると、それぞれのお店に特徴があるのが分かります。そして、さっきの乗り物の使い方も。
たくさんの箱を運ぶリフトカー、そのリフトカーにも用途によって色々な種類があることなども知りました。
今日は、スイカを買う予定でした。みんなでどれがおいしいかな!なんて探していると、「今年は急に涼しくなってしまったので、ここにある大玉スイカは全部予約分なんだよ!」。とても残念でしたが、いただいたレタスを片手に市場を後にしました。

車の中ではもう限界、お腹がすいたので一口レタスをつまんでみると・・・・・なんと美味しいのでしょう。甘い!瑞々しい!などとつまみ食いが始まりました。
雨はなかなかやみません。帰りがけにスーパーに立ち寄り、夜ご飯の買い出しを済ませることにしました。いつもは必要な売り場だけに行きますが、今日は入口の花屋さんも、中の青果売り場も気になります。必要な物をそれぞれの子どもに伝えましたが、なかなかたどり着きません。じっくりゆっくり、野菜や果物を見ている子ども達の眼差しは真剣そのものでした。ここにも大玉スイカは並んでいません。仕方なく、子ども達のお顔の大きさと同じくらいの小玉スイカをゲットしました。夏も終わりに近づくと、夏の象徴である大きなひまわりも大きなスイカも来年までお預けのようです。鮮魚売り場でアサリを買ったり、牛乳やチーズは何売り場?など考えながら、お買い物を終えました。

家に着き、お腹がすいた!お腹がすいた!と言いながら着替えをして、お食事の準備に取り掛かります。お腹がすいた分とてもてきぱきと連係プレーでテーブルセッティングをしたり、お味噌汁を作ったり卵の準備をしたり、やることはたくさんありますが、力を合わせてファインプレーです。
和食なので、和のテイストでまとめました。腹ペコの子ども達も気のせいかおしとやかに?みんなで一緒のお食事は格別、食も進みます。今回は、「大豆でできているもの」を意識して、お味噌汁には油揚げとお豆腐。お味噌は何から?お醤油は何から?など、関連付けてみました。なんだかこんな風にして食卓を演出するのは楽しく、メニューを考えるのもわくわくします。今年の年長さんは食べるのが大好き!どのお皿もきれいにいただきます。そして食卓はいつも笑顔いっぱいで楽しい会話が弾んでいます。栄養のことなどがまだあまりわからない子どもでも、「緑や赤いものがあると、身体がぴちぴちするみたい!」「茶色い物は土みたいだから、木が太く茂るみたいに土から栄養を身体にもらえるのかも!」なんて、自然に栄養のことも感じ学んでいます。

たくさん体験してきたあとは、今度は、ワークタイム。物知りになったお野菜や果物のこと、たくさん詰め込んだ頭の引き出しを少し整理します。楽しくて興味津々で、いっぱい飛び込んできた知識も、しっかりと確認して整理整頓しておかないと、使いたいときに「何だっけ?」とどこかに紛れ込んでしまいます。自分の目で見たものだから、忘れないうちに絵でも表現してみます。いつもならワークだけに集中するのですが、今はそういうわけにはいきません。夜のデザートも作らなくてはいけないし、小腹がすいた時のおやつだって作らなくてはいけません。チームにわかれて、それぞれが時間を上手に使い、作業に取り組みます。先生がそばにいなくたって、やらなくてはいけないことを自分の力で頑張ってみることも、お友達がいるからこそできるのです。
デザートは、やっとのことで手に入った小玉スイカ丸ごと全部を使ってゼリーを作ります。スイカの実の部分をくり抜き、皮は器にします。くり抜いたスイカはジューサーにかけ、こして種をとって丁寧にスイカのジュースを作りました。真っ赤な果汁はなんだかトマトジュースみたい。とても鮮やかな色でした。くり抜く時は皮に穴があかないよう注意が必要で、濾す時もゆっくりやらないとシートがやぶれてしまったり、やってみたからこその発見がたくさんありました。

おやつはBBQできれいにいただいたトウモロコシで、今度はポップコーンを作ってみます。同じトウモロコシなのに、ポップコーンのコーンはかちんこちん。コーンはコーンでも不思議です。電子レンジではじける音をきいたり、ぷーんとする匂いをかいだり、袋の折り目を開けるとまるで玉手箱から出てくるような煙がもくもく。熱い熱いポップコーンはあまりにも美味しくてあっという間に平らげてしまいました。

子ども達は、いろいろな作業をしていても外の様子がとても気になります。窓から手を出して雨を確かめたり、やっぱりお外に行きたくて仕方がありません。おやつもいただき一段落をしたので、頭にはちまきをし、縄跳びを持ち、元気よく外に飛び出しました。嬉しくて足も軽やかです。せせらぎ公園までひとっ走り。雨上がり、セミは夕方でもまだまだ元気に鳴いています。たくさんの木が生い茂ったなかで、公園探索。鳥の巣を見つけたり、小川を覗いてみたり。アキアカネも飛び始めていました。
公園の片隅に、かかしを発見。そこにはちいさな小さな田んぼがあり、稲が青々実っていました。それを見た子ども達は自分達の田んぼのことを思い出し、少し気になりました。「僕たちの稲もかかしが守ってくれているかな?」「かかしを作らなくって大丈夫かな?」と。かかしを見て、みんなでかかしの真似をしてみました。しっかりお食事したくさん運動する子ども達ですから、バランスもとても上手。かかしに負けていません。朝はできなかった縄跳びも、少し暗くなってきても皆が記録に挑戦します。自分の記録に挑戦して喜ぶのはもちろん、お友達が一生懸命に頑張って記録を伸ばしたことを本当にうれしそうに報告してくれました。

思いっきり遊んで帰ってきた後もゆっくりできず、うちわであおぎながら、夜ご飯の準備に取り掛かりました。うどんづくりは、正確に分量を量らなくてはいけません。量るものも、材料によって計量カップを使ったり、大匙を使ったり、はかりを使ったりと道具が違うことにもびっくりです。大人には当たり前のことでも、子ども達にとっては不思議なことだらけ。美味しいうどんになるためには茹で加減も大切だということも、時間を頼りにするだけではなく、食べてみた自分の感覚でも確かめました。

色とりどりのパプリカも切ります。誰かが細かくさいの目切りにしている間に、切断面の絵を描いてみました。お見事!描かれたパプリカのどれもが、なんだかこれからお料理されるような生き生きとした仕上がりでした。斑尾の畑で描いたズッキーニでグラタンを作ります。スイカに続いてズッキーニも、中をくり抜きます。外の皮は硬いけれど、スプーンで穿り出す中身は柔らかかったです。底に穴をあけてしまうと中身がこぼれてしまうので、丁寧に丁寧に作業します。簡単にできる子もいれば大汗をかきながらやっている子もいますが、それぞれがとてもうれしそうに作っています。グラタンの中身は、ズッキーニと玉ねぎをしっかりいためて、ペシャメールソースでからめます。ズキーニの器に中身を戻し、チーズを上にのせ、オーブンで焼きました。お食事の時には、ふたも器も丸ごとぺろりと食べてしまう子もいました。一工夫すると、なんでも無駄にならないことも学びました。お料理には炒めたり、茹でたり、焼いたり、色々な方法があります。切り方だってさいのめ切り、千切り、みじん切り・・・。言葉探しをしてお料理するのは本当におもしろいと、子ども達は大喜びです。ワークをした道具もきちんと片付けて、お部屋をお食事のできるレストランのように変身させてくれました。

やりたいことがいっぱいで、いっぱいやっていると、時間もどんどん過ぎていきます。今日は予定が朝から少しずつ遅れてしまって、お夕食も7時過ぎになってしまいましたが、一生懸命にみんなで動いて頑張った分、この遅れは帳消しかな?と感じました。うどん屋さんのように薬味を用意したり、お出汁で作った麺つゆを入れたりして一人一人のざるうどんが完成しました。もちもちのおうどんを食べている顔はとても自慢たっぷりでしたし、うれしそうでした。丹精込めて作った丸ごとスイカゼリーも見事に出来上がり、本物のスイカを切るように切り分け、かぶりつきました。写真で見ると、まるで普通のスイカを切ったみたいです!子ども達の美味しい笑顔の写真が撮れました。

たくさん頑張った一日の疲れと汗を、お友達どうし背中を洗いっこをして取りました。寝袋の準備だって、昨日とはわけが違います。あっという間に寝床ができて、すっきりした後は、すぐにミノムシみたいにもぐりこみました。気が付けば、一人、また一人と夢の中へ・・・あっという間にすやすやと寝息が聞こえてきました。
本当にたくさん、たくさんお仕事をして、小さい身体で思いっきり頑張った一日でした。

<こひつじかい>2015年2泊3日DAY CAMP-①

2015年8月29日 / 未分類

夏休みに毎年恒例となった年長さんの田園調布でのキャンプが、8月19日~21日までの2泊3日で行われました。ご家族と楽しんだ夏休みのお土産話と、大きな寝袋などが入った荷物を持った年長さん達が、いつもの体操の時間である7時に都立大に集合しました。
今年のキャンプは体操・講習からスタートです。蝉が鳴きしきる木々のなかで、マラソン、縄跳び、競争と、たらたらと汗をかきながらどの子もやる気満々!お友達ととても仲良くする姿は楽しそうで、キャンプの出だしは好調です。

緑が丘の美術室へ移動し、夏らしい思いっきり色鮮やかな絵を描くことに挑戦です。夏だからこそ、たくさんの色を使って表現することを覚えて欲しいところです。子ども達は最初はなかなか筆が進まなかったものの、夢の世界に飛び込んだつもりでお花畑の動物を描いたり、虹色のカモメを描いてみたり、どんどん色の世界に引き込まれていきました。それぞれの子の夢いっぱいの絵で、お部屋はすっかり明るい光で満たされたようでした。その中にいた子ども達も、目をきらきらさせています。自分で描きあげた絵を見て踊りだす子もいるくらい、うれしさを身体で表現していました。

お昼ご飯におむすびをいただいてから、いよいよ梨園へ出発。2台の車にわかれて多摩川を渡り、神奈川県の久地を目指します。女の子達の車の中ではしりとり大会。「夏のしりとり」などと遊びのルールもつくります。後ろの車へメッセージを送るときにジェスチャーをして伝えようとしますが、最初は動作が小さくて伝わりません。そのうち、オーバーアクションをすることによって伝えることができました。そんな様子を見ていても、4人で一生懸命に「どうにかしたい!」という気持ちで考えて、工夫しているのが伝わってきました。
久地は、梨園がある場所。昔はこの街道の両側に梨園が所狭しとありましたが、今は数件しかありません。毎年伺っている「あづま園」は、私が子ども達と同じ幼稚園時代に家族と行っていたところで、お婆様は今も健在です。腰が曲がったお婆様は、今年も日に焼けた笑顔で子ども達を迎えてくださいました。
シートを敷いて荷物を置くや否や、子ども達は梨園を駆けまわります。下に落ちている梨を見つけただけでも大はしゃぎ。早速採り方の説明を伺ってから、丁寧にもぎ始めました。梨はお婆様が愛情をかけて育てた子どもだから、丁寧に、丁寧に!と言いながら。ここでも子ども達一人一人の性格は出るもので、勢い余って枝を折ってしまったり、危うく梨を落としそうになってしまいましたが、お家の方へのお土産や今日からのキャンプのデザート用に籠一杯にもぎました。
その後は恒例のお絵描き大会。「梨の木は低いよね!」「袋の洋服を着た梨があったよ!」「黄色っぽい梨が甘いんだよ」など、子どもどうしで教えていただいたことを確認をしたり、「梨の木はみんな家族のように手をつないでいるみたい!」「どうして、高い木にならないのかな?」など、自分達が考えたことを意見交換する姿は、本当に仲の良いチームだと微笑ましく思えました。出来上がった絵は「よくみて、よくきいて、よくはなして」を実践しているからこそ描ける、細かく観察したことが伝わる作品となりました。

梨園の方々に描いた絵を自信満々でお見せしたら、ご褒美にもぎたての梨をごちそうになりました。「冷えていない梨でも甘いし、瑞々しいし、本物の味だね!」なんて感想も聞こえてきました。実際に自分達で体験したことをこのように言葉で表現できるのです。子ども達はたくさんの気持ちを伝えようとしているのだと感じました。まだ始まったばかり、これから繰り広げられるキャンプにワクワクしてきました。梨園には葡萄もあり、それぞれを車いっぱいに詰め、梨園を後にしました。
次なる目的地は多摩川。川沿いを走ります。今度は男の子達が「この木何の木」や「100%勇気」を熱唱。斑尾のキャンプでたくさん歌った歌です。この木何の木?桜の木?なしの木?~の木?などと替え歌も作って歌います。同じ歌を歌っていても、友達と一緒だから楽しく歌え、笑顔もはじけます。今年の年長さんは歌うことが大好き。何をしていてもすぐに大合唱になります。

目的地の多摩川に到着しましたが、あいにく雨が降りそうで川は濁っていました。これが自然です。お天気続きの時の最近の多摩川はとても水がきれいで、魚もたくさん泳いでいるのに・・・残念ですが本日の川遊びはNG!「入りたいな!」「やってみれば、きっとだいじょうぶだよ!」川遊びをしたい気持ちを抑えて我慢をしました。斑尾キャンプでの川遊びが楽しかったことが忘れられなく、本当に楽しみにしていたのでちょっぴりかわいそうでしたが、いろいろな条件「暑くて、お天気が良くて、川の水がひいている!」が揃わないといけないこともわかりました。
「なっちゃん先生がきっと待っているね」と気持ちを切り替えて、家路につきました。「とっても近いから、明日早起きをして、川遊びをしようね!」「マラソンをしてから入ったら、気持ちがいいよ!」など、自分達の体験からの会話も弾みました。
家に着いたら大きな荷物を持って、いよいよこれから始まる生活ができるように準備をします。自分達の荷物を各お椅子に、きれいに整理整頓しておきます。お椅子の下には寝袋、椅子の背にはリュックをかける、などなど。今回は最低限のお洋服しかありません。いつもはお母様がしてくださるお洗濯を自分達でするからです。おかげでお椅子も上の荷物も雪崩になることなくすっきり。「お椅子の下は、寝る時の道具達が集合」なんて言いながら、お友達どうし相談をして「こうやったらきれいに置けたよ」なんてアイデアを出し合って準備を進めました。

休んでいる暇はありません。今日からは子ども達が主役。お料理だって、全部自分達で協力して作ります。今日のお夕食はBBQ!ご飯の準備を自分達ですることに、子ども達は目を輝かせていました。まず、1人1本のトウモロコシの皮をむき、ひげを取ります。丁寧にひげを取りながら、粒の1粒1粒とひげの数が同じということに気づきました。次にじゃがいもをホイルで包みました。グリルできちんと焼けるように、1つ1つ丁寧に包みました。枝豆は、はじの固いところを1つ1つ取りました。バーベキューは2階のベランダでしたので、食べ物やお皿などは1階のキッチンから全部自分達で運びました。お皿やコップ、お箸もみんなの分並をべた頃、グリルからは良い匂いが漂ってきました。たくさん体を動かした後に、自分達で準備したお食事は最高においしかったようで、次々にお替わりをしていました。特にトウモロコシは、1人1本を1粒も残さずにきれいに食べました。いつもなら、縞々になってしまうトウモロコシの芯ですが、今日は誰が一番きれいかチャレンジ!なんていう言葉かけをしたら、本当にどのトウモロコシも一粒残らずきれいに食べられていました。

今回のお野菜は、斑尾キャンプの時にじゃがいも堀をした竹内農園からの、竹内さんの野菜の子ども達です。暑いなかズッキーニ畑でお絵描きをしたことも思い出しました。今回はそのお絵描きをしたズッキーニも送ってくださりました。トウモロコシも甘くて瑞々しい!最初は何もつけないで、塩味、しょうゆ味と、1本のトウモロコシを味の変化で変身できたことに大喜びの子ども達。きっとこの様子をみたら、竹内さんも喜んでくださるでしょう。氷水で冷えたトマトやキュウリもまるかじり。お野菜そのものの味を楽しみました。採りたてだから、もぎたてだから、丹精込めて作ってくださる方のお顔がわかるからこそ、美味しさも格別、これぞ贅沢です!

下味をつけたスベアーリブ、チキン、ソーセージとどれもこれも味を楽しみ、美味しいからこそ会話も弾みます。自分達がじゃがいもを掘ったことを思い出し懐かしく話をしている様子から、子ども達の中にはいろいろなことが刻まれているのだと感じました。籠いっぱいに準備したお野菜もお肉も完食。そうなるとお片付けも簡単です。お夕食の後片付けも自分達で。調味料や洗い物を運んだり、協力して済ませると、順番にお風呂に入りました。朝からたくさん体を動かしているのに子ども達はまだまだ元気いっぱいで、友達と一緒に湯船に入ることがとても楽しそうでした。パジャマを着て歯磨きをしたら、それぞれ自分の寝袋に入りました。寝袋に入るとさすがの子ども達も一瞬で眠りに落ちていました。おやすみなさい。しっかりと休んで、翌朝の世田谷市場へのお出かけに備えましょうね。

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