【食育・ワジック教室】冬コース第5回はイナダ丸ごと御膳

2024年2月11日

今日は石川能登地震復興支援として石川県産のイナダを丸ごと捌きました。
美味しくいただくという身近なことが被災された方々の応援に繋がる、小さなことでも頑張れ!の気持ちを形にしてみようと、予定を変更して「いなだ丸ごと御膳」を作りました。
【献立】
●いなだの照り焼き
●大根といなだのアラ煮
●大根の皮のきんぴら
●人参の胡麻和え
●ほうれん草のお浸し
●羽釜ご飯
●梅麩とほうれん草のおすまし
●旬の果物「りんご」

お料理を始める前にまず、大根を抱っこしたり、人参と重さを比べたりして、材料に親しみを持つ時間を取ります。
みんなの気持ちがお料理に向いてきたところで、先生から大まかな調理工程を聞き、大きな魚を扱うこと、人数が多いため役割分担をすることなどを理解し、見通しを持ちました。
また、ここで事前に用意した、銀杏切りの人参や茹でて絞った後のほうれん草を見せてもらった子どもたちは、さっき触った生野菜を自分達の手で違う形に変えられちゃうんだ!というイメージが掴めたようで、一気に真剣な顔つきになりました。

お話が終わり、いざお料理スタート!
ご飯チームは、初めて見る羽釜に興味津々。羽釜に流し入れるお米が砂みたい!と目をキラキラさせていました。またお米のとぐ回数を重ねるごとにお水の色が白から透明になっていく様子に気づくと、手に入れる力を意識的に強めていて、「とぐ」という意味を理解した様子が見られました。

野菜チームは、包丁で大根を輪切りから乱切りに、大根の皮を千切りに、人参を銀杏切りにしました。
包丁を初めて使うお友達が多かったですが、「押さえる手はネコの手」「上から下にトン(また板についた刃先を下ろす)」などのポイントを教わると、すぐに動きをマスター。大根の次が人参だと固い!切るのに力がいる!と苦戦しながらも、材料の固さに合わせて器用に力加減をかえていました。そうして先生たちに見守られながらも、自分だけであっという間に切り終えてしまいました。切ったものを見て、細くなったり太くなったりしちゃった、とコメントしていましたが、初めてにして形に気を遣おうとする丁寧さには感動させられました。
大集中して切り終えると、野菜が山盛りになっていることが本当に嬉しかったのか、他のチームに持って見せに行く姿に大人もホッコリ。自分の頑張りが可視化されると達成感を得られると共に、次の作業への意欲にも繋がりますね!

お出汁も昆布と鰹節でとっていきます。パリパリの昆布がお鍋の中でどんどん大きくなっていくのにもびっくり!さらに取り出そうとするとつるつる滑って逃げていきます。菜箸を使ってどうにか昆布を取り出すと「出来た!!」と大満足の表情になりました。

味付けチームは、胡麻和えのために胡麻を擦り、お砂糖とお醤油を加えて、自分で味を調節しました。
胡麻擦りを担当したのは、ワジックを約1年続けてきたお友達です。通い始めは擦り棒で胡麻をなぞるか、力の加減が分からずあっちこっちに胡麻を散乱させることしかできず、”先生の仕上げ”が必要な状況が続きました。
そんなお友達も、毎回胡麻擦りを担当する中で、胡麻が潰れる感触や音といった小さな小さな変化をキャッチする力がだんだんと身につき、遂に誰の手も借りずに擦り終えることができるようになりました。
野菜などに比べ、小さく色の変化もない材料に対する感覚が磨かれているという成長を今回のワジックで発見できました。

まずは丸のままのイナダを、よく観察します。
誰1人怖がったり、気持ち悪がったりする事もなく、みんな興味津々。目を押してみたり、体を触ってみたり、口を開けて舌をみたり、ヒレに触り、お腹を触ってお尻を確認。
十分観察した後に、先生たちにイナダを解体してもらいます。
イナダには小さなウロコがたくさん。そのウロコを取ると、イナダの色が変わったように見えます。ウロコを取ったところ、取っていないところの色の違いを見比べます。
次は内臓を取り出します。エラの付け根を切り離しお腹を開けると、エラと内臓が一つにくっついて綺麗にとれます。ここで、「ちょっと臭い、血が出てるね」という子どももいましたが、「これが心臓?このヒラヒラはエラ」と触りながら興味津々の子どもたちもいます。
その後、頭を落として3枚におろすと、「売っている魚みたい」「見たことがある」という切り身の魚になりました。

「ちょっと魚がかわいそう」という声もありましたが、だからこそ人間が全部美味しく食べなきゃいけないんだよ、と参加した中で1番年上のお友達が教えてあげていました。また先日捌いたイナダはお腹にまるごとのいわしがいたんだよと話すと、イナダもイワシの命をもらって生きてるんだねと子ども達から気づきの言葉も出てきました。余す事なく食べられるように、頭は口から包丁を入れ半分に割り、骨は関節に包丁を入れ切り分けて、乱切りにした大根と一緒にあら炊きにします。
ここまでずっと観察してきた子どもたちですが、最後に1人分に切り分けるのはやってみる事にします。包丁を魚に入れると、さっき切った野菜に比べて、「柔らかいね」という声が聞こえます。身は柔らかくても皮はなかなか切れません。包丁をなん度も行ったり来たりして、皮も切る事ができ、綺麗な切り身ができました。
魚を捌く一つの仕事が終わったので、生魚を触った手を一度綺麗に石鹸で洗います。
切り身はみりんと醤油に漬けて、照り焼きにして食べる事にしました。

全部の調理を終えたら、自分たちでテーブル・お盆・お箸置きなどを支度し、個々で盛り付けを行います。
準備万端になったら、エプロンを脱いでみんなで「いただきます」。
食べ始めてすぐは達成感と空腹からか、ひたすら黙々と口に運び続ける子どもたち。
やっと顔が上がったと思ったら、「おかわり!」です。普段食べ慣れないものも積極的に食べ進める姿から、やはり自分で作ったという思いが大きなエネルギーになることを再確認しました。中には、〇〇ちゃんが用意してくれたご飯だから美味しい!と言って、お友達が作ってくれたことに特別な価値を感じていました。お料理を通じて人と繋がる楽しさを子どもたちが知ってくれたら嬉しいです!

2024.2.10の写真はこちらです。子ども達の楽しそうな様子を感じてください。
アルバムはこちらから⇒20240210_ワジック教室冬⑤「いなだ丸ごと御膳」
閲覧期限:2024年2月17日

磯邊季里 @ 2024年02月11日 07:18 コメント: (0)

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