<こひつじかい> 春のスキーキャンプ 3日目

2016年3月29日

 スキーキャンプ3日目の朝です。いつもは鳥のさえずりよりもはやい6時前から声が聞こえてくる子ども達ですが、ほんとうに体全部をフルに使ってスキーをして、毎日を過ごしている証拠です。いつもよりは少しゆっくりめの朝です。ゆっくりと身体を休めることこそ、次のやる気につながります。でもいったん起きると、エンジンフル稼働。山にこだましそうな子ども達の大きな声が聞こえ、3日目がスタートします。昨日に引き続き、とっても良いスキー日和を窓の外から感じ、子ども達はスキーがしたくてそわそわしています。
 朝ごはんを食べる前に、学年別に分かれたお部屋で、昨日はお疲れで出来なかったお勉強・日記などのそれぞれの課題に取り組みます。今回の子ども達はどんなことにも前向きです。決して「なんで?」「いやだ~」など誰一人として言う子がいません。どんなことにも目をかがやかせて、一生懸命なことがひしひしと伝わってきます。一生懸命勉強をしてスキーの準備をして、朝ごはんを食べに行きます。朝ごはんの納豆をみんなモリモリ食べました。びっくりするほどきれいに平らげる腹ペコ達は、残すものが何もありません。ロッジの方は、みんながいつも体操の時に食べているパンをご存じだったのか、朝ごはんの時に準備してくださいました。だから余計に子ども達は、いつもの元気が湧き出ます。

 今日もグループに分かれてスキーをします。みんな各グループのコーチについて昨日よりも上手くなろうとしていました。一番下のグループも今日は頂上に登りました。みんなハの字をマスターし降りることが出来ました。大きなピザの合図でしっかり止まることだって、マスターしました。だからこそ、長いリフトに乗って空の散歩も楽しめます。雲一つない真っ青な空のもと、お空のぶらんこは格別。こんなに豊かな自然の中で過ごすことができるのは幸せです。これこそ、バーチャルではない本物です。他のグループも、スキー場の沢山のリフトに乗ったり、昨日よりもスピードを上げたり、曲がる練習をしたり、それぞれががんばってスキーをしていました。上級班は、今日はなっちゃん先生もご一緒に猛特訓です。みんなの「スキーを少しでも上手になりたい!」と思う意気込みは果てしなく、頂上からノンストップで足を鍛錬したり、一つ一つの滑りを突き詰めながら、丁寧にビデオを撮りながらチェックをしては滑り、少しでもコーチの滑りになるように滑り方を盗み、練習、練習に明け暮れました。もう脚はガクガク、でも弱音ははきません。

 11時半、お昼ご飯の時間です。今日は行列のできるチャーハン屋さん。みんなパクパクチャーハンを食べ、今日もお店のチャーハンはなくなり閉店しました。実は、早いうちに準備してくださったおかわり分は早々に完売してしまい、キッチンではまた沢山のチャーハンを調理してくださっていました。本当にみんな体を思いっきり使い、運動をし、考えて行動をしているから、また仲間が一緒だからこそ、お食事は最高においしく感じられるのです。「ロッジ・ラーのお食事、本当に一年懐かしくて食べたかった!」と。沢山の思い出も、愛情の詰まったお食事だからこそ、子ども達の味覚にきざまれているのでしょう。ランチのあとは、なっちゃん先生のギターにあわせて大合唱。「この木何の木」「「虹」「100%勇気」など、全員で歌います。「虹」は、踊り出す子、振りを付けて歌う子と、これまたみんなが一つになる楽しい時間でした。 
 
 ご飯をたくさん食べて元気になった子ども達は午後もスキーに向います。それぞれがもっともっと上手くなるように沢山リフトに乗って沢山滑りました。リフトに乗るのはもうお手の物。滑るのもどんどん上手くなっているのを子ども達自身が感じて嬉しそうでした。スキー大好き!の声がたくさん聞こえ、コーチ達も嬉しそう。どの子も笑顔が輝きます。
 初心者クラスはいつもお稽古でやっている、「頭、かた、ひざ、ぽん」を滑りながら簡単にこなすことが出来るようになりました。お稽古では、このためにずーっと練習してきました。スキーだけの指導でなく、全てがつながっていきます。だからこそ、日頃の積み重ねをきっちりとしていかなければいけません。手伝ってあげることが出来ない、いつもやっている縄跳びと同じように、スキーも自分の力で頑張らなくてはできません。「一人で滑れた!」を感じられるからこそ、自信がつきます。初心者チームは、スキーを持つこともスキーを装備することも、全部一人で出来るようになりました。スキーが上手になることは、準備もしっかりできなくては、滑れたとしても本物ではありません。小さいからと言って全てを手伝ってあげていては何者にもなりません。年相応に環境を与えてあげれば、自分でどうにかやってみたり、苦労したりくじけそうになりながらでも、挑戦することを覚えていきます。今回の初心者の子ども達は、いつもいつもお母様方に手をさしのべてもらい、自分でわがままを通していることを、雪の上で実感したようです。小さくても「大変なことでもやりたい!」の気持ちがあれば、必死に、涙をこらえて、前に進もうとします。スキーは、小さい子ども達の方が地面との距離がないために、大きくなってからスキーを始めるより、恐怖心が少なくスムーズに始められる面もあります。

 今日のスキー場は、ほとんど自分達のホームゲレンデ、マイゲレンデのように自由自在にのびのびと滑走を楽しめる環境でした。上級班はどの位滑ったのでしょうか?へとへとになりそうでも、もっと目標に向かって、最後の時間を滑ることに専念していました。帰ってきてから滑りを撮った映像を見せてもらいましたが、練習前・練習後とその進化に目を見張りました。今回初めて参加したお友達の年齢と同じ年齢のときに始めた上級班の子ども達が、スキーを単に楽しむだけでなく、上手になりたい!という気持ちでいっぱいになってきたことを本当にうれしく思いました。

 新年長さんの中には、今年で3回目という子ども達もいます。普通なら、まだ甘えてよちよち歩きのスキーをしている子も少なくありませんが、彼らは立派なスキープレイヤーです。先生の後をしっかりときれいに滑ります。そしてどの子の顔にも、自信がみなぎっています。帰ってくると、それぞれが沢山、今日の様子を報告してくれます。本人達は周りが思う以上に、体験によって自信を持っていると思います。全員がスキーを思い切り楽しんだ3日目でした。 
 スキーのレッスンが終わっても、今日の活動はまだまだ続きます。今日はイースターということで、みんなで雪に埋まった卵を見つける卵探しをしました。けんぞうくんは卵を4つも見つけていました。雪の中でのエッグハントはなかなか大変で、「きっと春になったら、卵からヒヨコが生まれているかもね」なんて会話も聞こえてきました。どんな遊びも一生懸命の子ども達、だから年齢に関係なく楽しい笑顔が広がります。きっとどこかでイースターを迎えた時に、雪の上でやったことを思い出すのではないでしょうか?その後、ウサギの口にフリスビーや雪玉を入れたり、子ども達で雪合戦をして遊びました。自然を思う存分に感じながらの遊びは格別です。

 びしょ濡れになって帰ってきて入る温泉はとても気持ちがいいのでしょう、みんな幸せそうな顔をしています。夕飯も沢山食べました。ご飯のあと、またみんなで「虹」「この木何の木」「100%勇気」などを歌いました。小学生はダンスまで踊ることが出来、小さい子もまねをして踊っていました。そして今日は昨日のようではありません。体も成長しています。途中脱落者も出ず、予定通りにしっかりお稽古もしました。
 新年長さんの「数かぞえ」などの勢いはすごく、小学生も負けてはいられません。いつも年上の子ども達が引っ張るとはかぎりません。新年長さんに引っ張られ、皆が真剣な眼差しで学びの時間を過ごしました。だらだら時間を使いません。大切な時間をどのように使うかを学ぶのもキャンプの目的です。そんな様子を見ようと、今晩は窓の外には野狸達がじゃれていたり、キツネの親子がひょっこり顔を出す姿もありました。
 どんどんスキーが上手くなっていく子ども達。今年も沢山滑ったので、みんな上手になったと思います。明日に備えて、今日も沢山寝ましょう。よく寝て、よく運動して、遊んで、そしてよく食べて。全部がばっちりと出来て、歯車が回っています。日常生活も、丁寧にシンプルに、そして「やりたい気持ち」を育てるように、毎日過ごしたいものです。

磯邊季里 @ 2016年03月29日 19:20 コメント: (0)

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