<バンコク>ドラえもんキャンプ ~市場へ行こう!

2016年6月23日

5月28日(土)、子ども達が楽しみにしていたドラえもんキャンプをしました。前回は広大なサファリワールドで沢山の動物達と出会いましたが、今回は普段生活している場所のすぐ近くにある市場を探検しました。
 アソーク駅で集合し、皆おそろいのドラえもんのティーシャツ姿になり、市場の最寄り駅まで地下鉄で行きますが、安全に配慮するために駅員さんがトランシーバーを使って護衛をしてくださいました。おそろいのティーシャツは安全面でも役立ちます。タイは子どもに優しい国。車内では座席を子ども達に譲ってくれます。子どもの為に大人が全部やってあげる!という文化があり、車内で子どもが騒いでいたとしても「子どもだし仕方ないな、可愛いからまあいいか」と誰も注意しないでしょう。子どもにとっては天国のようでしょうか?郷に入っては郷に従えとは言いますが、やがて日本に帰国したらどうなるでしょう。大人は対応できても子どもTPOに応じて行動することをまだ知りません。どこにいても日本人として大切なことを大人が教えてあげなければならないのです。

ドラえもんキャンプでも「当たり前のことが当たり前にできるように」ということを常に意識しています。目的地までの移動でもすでにその練習ははじまっています。集団行動ですので「パートナーと離れない」「隊列を乱さない」というお約束をして行動します。お約束はもう一つ、コイン状の切符を自分で右手で持つというものがありましたが、途中で無くしてしまう子もいればきちんと持っていられた子もいます。普段から家庭でどのように過ごしているかが違いとなって出るのだと思います。
駅の名前を知らない子どももいましたが、皆で一つ一つ駅を数えるうちにあっという間に市場の最寄り駅に着きました。「もう着いたの?」と拍子抜けしたように驚く子ども達。今日の目的地であるオートコート市場はとても広く、明るくて清潔感のある市場です。生活圏内にあるのに、普段はなかなかお買い物に来ることはないと聞き、なんだかもったいないような気がします。今回のタイでの活動には「食育」をテーマにしているものが多く、このドラえもんキャンプもその一つです。子ども達にバンコクの市場の楽しさを十分に知ってもらえたら、子ども達の方からお母様方を市場に誘ってくれるかもしれません。

 活気ある市場でのお買い物がはじまりました。魚屋さんではまだ生きている魚やエビが泳いでいました。豚肉や鶏肉をタイ語で言って、子ども達自ら、お店の方にお金を渡してお釣りを受け取ることもしました。「お釣りをもらう」ということを知らない子もいましたが、これでしっかり覚えましたね!
「ありがとう!」のご挨拶も上手に言えたら、市場探検がもっと楽しくなってきました。タイならではの野菜や果物について、なんとなくしか知らないなんてもったいないことですね。ここのような市場でなら、親子で楽しくタイの食べ物について学ぶことができそうです。
 買い物以外でも、タイ人の買い物客やお店の方が子ども達にたくさん声をかけてくださいました。「どこから来たの?」「大丈夫?」「何をしているの?」「何が欲しいの?」「かわいいねー!」。タイ人の温かさを、子ども達はいつもより肌で感じたことでしょう。「危ないからダメ」という事情があるのかもしれませんが、大人が事前に準備をして安全に十分注意をし、子ども達がこのような体験をもっとできると良いと思います。

 市場を後にした子ども達は地下鉄に乗り(帰りも護衛がつきました)、デコールクラフトスタジオへ向かいました。ここにはキッチンがあり、子ども達は調達した食材でお料理をするのです。でもお料理の前にまずはお絵描きタイム。市場で買ってきたばかりのカニ(絵本でよく見かける赤いカニだけでなく青いカニもいました!)、普段スーパーでよく見かけるものとは少し様子の違う魚や野菜、果物などを、よく観察して描きました。自分の思うように描けないためか、泣いてしまう子どももいましたが、自信たっぷりに描いて得意気な子どももいました。どの子もがんばって描いていたと思います。

 次はいよいよキッチンでお料理です!先生に食材の切り方や調理の仕方を教えていただきながら、作業を進めていきます。お兄様お姉様達にまじり、小さな子も包丁を使っていました。タイ料理には欠かせないレモングラスを切ったのですが、子ども達はネギだと思っていた模様です。お料理に使わない葉先の部分をお水に入れてレモングラスウォーターを作ると、それだけでタイの香り、雰囲気になりました。体も頭もたくさん使って過ごしてきたところへあちらこちらから良い匂いがしてきて、もうお腹はぺこぺこで「いただきまーす!」皆で元気にご挨拶をして楽しいお食事がはじまりました。バナナの皮をお皿にして、自分たちが買ってきたものも含めて並べ、いろいろな味に出会います。豚の皮を揚げたものを子ども達はおせんべいだと思ったようでした。トムヤムクンは辛いのですが、辛いという味も自分で確認してみました。辛いスープはあまり飲めなかったけれど、スープに入れたエビは自分達で買ってきたエビだったのでおいしくいただけました。

 ここでも「当たり前のことを当たり前にできる」ポイントがあります。お食事のマナーは小さな子どもの頃からきちんと教えてあげなければなりません。自分が食べられる量を考えてとりわけて食べる、一度口に入れたものは出さない(嫌いな味だったとしても、口に入れた分は呑み込む)など、当たり前のマナーを一つ一つしっかり教えました。

 子ども達にとって、市場での買い物から自分の胃袋に入るまで、食べ物についていつもとは違う様々な角度から学ぶことができた一日となったと思います。集団行動という点では、日本よりも色々な環境で生活をしている子どもがいるタイということもあり、テンポよく行動することがあまりできていないと感じました。今日はこのくらいやりたいな、と思っていたことの三分の一程度しかできなかったと思います。テンポよく行動することは知っていて損はありません。まだまだタイで子ども達に伝えていきたいと思いました。
 もう一つ気になったのは、遠足のしおりをめくることができない子がいることです。せっかくの市場探検ですのでガイドブックを作りスタンプラリーをしようと考えていましたが、ページをめくれず場所を探せない子どもがいることに気づき断念しました。「当たり前のことが当たり前ではない」ここでも強く意識しました。
 課題も見つかりましたが、子ども達が今日の活動を楽しみ、無事に終えることができたことが何よりです。キャンプ終了時に、準備してきた折り紙のメダル(タイの国旗色のリボンが付いたもの)を子ども達にかけたあげたとき、子ども達の目が一層輝いたことが忘れられません。また次回、子ども達がわくわくするようなキャンプを準備してタイに参りたいと思います。ご家庭でも、身近なところを探検してご家族にとっての宝物を発見できるような、そんな時間の過ごし方ができますように。

磯邊季里 @ 2016年06月23日 14:14 コメント: (0)

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