<こひつじかい>斑尾キャンプ2016 5日目

2016年8月10日

キャンプ最終日の朝は、さすがに疲れがたまっているのか、一番早く起きてきた子どもでも6時過ぎのことでした。女の子達のほうが起きるのが早く、男の子達は寝坊して遅刻する子もいました。体が疲れていることに加え、東京と違ってお布団をかけて眠れるような心地よい気温も一因していると思います。もちろん、遅刻はいけないことですが、慌てて着替えて体操に向かい、失敗してしまった後にどうするべきかをわかっている子とそうではない子の違いを感じる一幕がありました。

 この日は雨の予報でしたが、晴天に恵まれ運動会をすることができました。色別のチーム対抗戦で、ウッキー先生に小野澤先生も参加してくださり、大人も張り切ります。リレーに綱引き、障害物リレーなど、小学生中学生達は本気になって盛り上がり、子ども達の声が山中に響き渡るようでした。お姉さん達の手が痛くなるほどの本気の綱引きも、とても楽しそうでした。チーム戦での団結力、あきらめずに皆で頑張る気持ち、このキャンプの最終日にぴったりな運動会になったと思います。

 11時にお昼ご飯にしました。お揃いの白いティーシャツにチームカラーの鉢巻きをして、カレーをいただきます。ティーシャツをカレーで汚してしまったら帰りの新幹線に乗れません!皆真剣に、そしておいしそうに平らげました。食後にお勉強タイムを予定していましたが、それを変更して遊ぶことにしました。走り回ったり、虫を採ったり、ここにいるからこそできる遊びを最後まで堪能しました。これも、キャンプでの修行の集大成。やらなくてはいけないことは、変わりませんが、大人の一工夫、知恵を加えれば、形は違っても学びになります。


東京へ帰る時間が近付いてきました。斑尾キャンプの最後に忍者の認定式を行いました。
年中、年長、小学生、中学生、キャンプ参加者全員に賞状を渡しました。4泊5日をやり切り、心から楽しんだ締めくくりの時を迎え、気持ちが高揚したのでしょうか、学校の校歌を歌いだすお兄さんがいました。すると次々に自分の学校の校歌を歌いだす小学生や中学生達。キャンプのお手伝いをしてくださった大学生のお兄さんお姉さん、そして先生も自分の(卒業した)学校の校歌の番になると一緒に歌っていました。さあ、年長さん達は来年、この中に入れるでしょうか?歌の得意な1年生を中心に、「ありがとう」という歌を歌い、お世話になったホテルの方へお礼の気持ちを伝えました。決して大人からの提案でなく、自らでかんがえて、お兄さんお姉さんに相談し、知恵をかり、そして、後輩を引っ張ります。歌一つでまとまり、気持ちが伝わることを改めて思いました。

 年長チームだけは東京へ帰らずに斑尾に残り、もう少し修行を続けます。他の子ども達は13時過ぎ、チームカラーのティーシャツを着てバスに乗って飯山駅へ向かいました。飯山駅まで新幹線が通るようになり、斑尾は東京から随分近くなったように思います。便利になりました。東京駅までの車内では剣の風船で遊んだり、今回はじめてキャンプに参加した子ども達もすっかり仲良しになりました。とてもスムーズであっという間に東京駅に着くと、ホームには不安そうな表情のお母様達がお迎えに来ていました。子ども達はキャンプを楽しめ、良い時間を過ごせた充実感に満ちた良い表情で、なかには「まだ帰りたくない!」と言う子もいました。

 今回で10周年となった夏のキャンプ。そして今年はこひつじかいの25周年でもあります。誰もけがをしたり発熱することなく、お天気にもまずまず恵まれて、無事に予定を終えられたことがまず良かったと思います。大自然のなかで、子ども達は机上では得られない学びをたくさん体得しました。それは小学校受験という目的にだけではなく、これからそれぞれの人生を真に豊かに生きていく土台としてとても大切なことばかりです。東京での日常は何かと慌ただしく、キャンプ中に得たことも次第に薄れてしまうリスクがあります。ご家庭でもぜひ、シンプルで丁寧な日常を送り、自分のことをきちんとできるように、そして周囲に気を配れる人でいられるように、意識をもって過ごしていただきたいと願っています。

 子ども達が有意義なキャンプを過ごすことができたのは、竹内農園の皆さま、斑尾のホテルの皆さま方のご協力があったからに他なりません。東京からやってくる子ども達のキャンプをより良いものにしようと、温かいお気持ちで支えてくださることには本当に感謝しております。子ども達もこのような謝意をもっていると思います。忘れないでほしいです。

 キャンプを通じずっと子ども達と一緒に遊び、キャンプをサポートしてくれたのは,10年前にはじめてキャンプに参加したこひつじかいの卒業生達でした。大学生になった彼らは、、かつてこひつじかいで過ごしてきたことを思い出し自ら動いてくれていました。遊びを知っているリーダー達は子ども達をとてもうまく一つにまとめてくれていたと思います。そしてこの大学1年生のチームが、「いそべっち」の名づけの親。この学年も10人以上の大所帯でしたが、とても協力して、まとまりのあるチーム。節目、節目にあつまり、いまだに皆が仲良しです。こんなお姉さんたちを中心にこれからも、細く長く素敵な仲間でいてほしいです。最後の忍者認定式後に思わず発せられた校歌、その輪が広がっていく様子と、卒業生達がここに戻ってリーダーとして活躍する様子が、このキャンプの印象として強く残っています。日頃から大切に考えている「心のリレーション(絆)」が形になったように思え、大変感慨深いものがありました。

 斑尾高原のホテルには、宿泊された著名人のお名前が刻まれた碑があります。10周年を迎えたこひつじかいも碑に加えていただけることになりました。大変光栄なこと、しかしそれに甘んじることなく、また次のステップに向かって目の前のことをひとつずつ丁寧に取り組んで参りたいと思います。

磯邊季里 @ 2016年08月10日 10:38 コメント: (0)

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