<バンコク> 小学校受験お稽古

2017年3月2日

 2月19日(日)に小学校受験を目的としたお稽古をしました。まるで日本のように紺色の「お受験ルック」で登場した子ども達にびっくりしましたが、どの子もお洋服に着られてしまうことはなく、緊張した面持ちなのもはじめだけでした。
 赤い机に元気をもらったのか、ご挨拶からはじまったお稽古はだんだん楽しくなっていき、子ども達の笑顔が増えていきました。日本と同じ教材を使った年中クラスのお稽古ですが、簡単なのでは?と思われるお母様方がいらっしゃったかもしれません。けれどもまだまだこの時期は、シンプルで基本的な教材を何度も何度も繰り返す、そして何よりも丁寧に学習することこそが大切であることをお伝えしました。例えば点をつないでいくプリントがあったとすれば、いきなり鉛筆で点をつなぐことはしません。まず腕を大きく動かしながら宙にイメージした点をつないでみます。紙面をなぞるときも、鉛筆を持たずに指でなぞるなど、丁寧に段階を踏んで学ぶことに留意します。そもそも子どもというものは遊びの中で学んでいくことが多ければ多いほど、好奇心旺盛になるもの。何にでもチャレンジしたくなるという、子どもが持っている芽を大いに育むきっかけとなるような言葉がけを、お稽古のなかでたくさんしました。

 今の子ども達は教材が豊富という環境のためか、鉛筆で書くことが難なくでき、賢く何でもできるようです。しかしまだ小さいこの時期に、ゆっくりと一つ一つの課題に取り組んでいけると良いと、子ども達を通じて感じました。
 お稽古にパターンブロックを用いると、カラフルなブロックを目前にして子ども達は嬉しそうです。お稽古が進むにつれて「できた!」という実感が増え、最後には机上にとどまらず体も動かしながら、ブロックを活用した指示行動に発展させました。お片付けだって楽しみながら学ぶ場です。ブロックの色を覚える指示行動をしたり、ブロックの色ごとに担当を決め、まるでゲームのようにスムーズにお片付けを済ませました。
 「指示行動」という言葉に敏感に反応してしまうお母様がいらっしゃるかもしれません。こういった言葉を前にすると身構えがちですが、練習の場はあらゆるところにあります。お稽古のプリントで運筆を目的としたものがありますが、これもただ線をひけば良いのではなく「指示の通りにひく」ということがポイントです。お稽古に限らず普段の生活のお手伝いの場でも、指示を聞ける練習はできるでしょう。

 プリント以外にも紙芝居を活用するなどの楽しいお稽古を展開させました。「グーチョキパー」の歌に合わせて手を動かす、園児にはお馴染みの手遊びをしましたが、ここでもただ何となく手を動かすのではなく、一つ一つの動きを意識してできることが大切ですね。
 タイという海外にいながらにして日本での小学校生活を考えるとき、戸惑いや不安は様々あると思いますが、シンプルなことを丁寧に続けて真の力にしていく大切さをこれからもお話して参りたいと思います。

磯邊季里 @ 2017年03月02日 13:47 コメント: (0)

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