<こひつじかい>斑尾キャンプ 5日目

2017年8月13日

 キャンプ最終日の朝は5時活動開始!まだ寝てていいよと言っても彼らには通じません。元気な男の子達が起きて来て、朝の5時とは思えないようなご機嫌な様子でお勉強や工作をはじめました。こひつじかいスタイルです。
 朝の体操では縄跳びのチャンピオン決め、さあキャンプ最後のチャンピオンは誰で、何回跳ぶのでしょう?500回を超える記録を作ったゆうき君が優勝でした!しかも、縄跳びの持ち手が緩んで外れてしまったために惜しくもストップしたので、それがなければもっと記録が伸びたのです。やはり道具はシンプルなものに限る、そんなことも感じました。誰もが一番をとれるように頑張る、縄跳びではそんな姿が見られとても立派でした。
 長めに体操の時間をとったあと、朝食はバイキングでした。テーブルのセッティングは一番小さな男の子が手伝ってくれました。年齢に関わらず誰でも参加できるお手伝いを小さな頃からやらせると、子どもの自信につながります。手伝ってくれてありがとう、助かるよ!そんな声をかけられた男の子はうれしそうで、その後のお食事もぱくぱく食べていました。レストランから見える真っ青な青空、緑がまばゆい山並み、美しい色合いの景色、お友達との笑顔がきっといつまでも子供たちのどこかに残っていくと思います。お食事のあとは、毎日の日課の課題をこなします。年長さんだって、最後までプリントに挑みます。小学生もお手本になって、真剣な面持ちで学ぶ姿を見せてくれています。「忙しかったから!」「時間がなかったから!」などこんな言い訳を最近の子ども達がするのが気になっていますが、ここにいる30人は、必死ささえ感じ、自分で張り切って学んでいます。キャンプが終わった後も、大人の都合で子どもをうごかすのではなく、子ども時間を大切に作ってあげてほしいと願いました。
 この1週間に、子どもたち一人一人が自分の力で頑張ってきたこと、そして、お友達と切磋琢磨してつけた力を発揮する子供たちが楽しみにしていたキャンプ最後のプラグラムは恒例の運動会です。

 黄色チーム、青チーム、赤チーム、緑チームに分かれて競技をします。バトンを用いてスキップやダッシュ、ラダーのリレー、バランスや真似っこ大会を行いました。チーム戦ということもあり、子どもたちの「団結して頑張ろう!」という気持ちが一生懸命に走る姿に溢れ出ていて、かなり白熱しました。年長さんや小学生のお兄さま、お姉さまが作戦を考え、リレーの走者の順番、バトンの渡し方などを決めていました。年少さんに対して「やり方わかる?」「ここにいてね」など優しい声かけも聞こえてきました。また競技中には学年を超えて応援し合い、チームメイト、お友達を思いやる気持ちを感じました。一つ目の競技で勝ったチームからは、「次も一位をとろう!」負けてしまったチームからは「ここの順番を変えて、次こそ一位になろう!」そんな声が聞こえ、個人戦とはまた違うチーム戦の良さを感じることができました。キャンプ中にチームごとに食事をとったり、様々なイベントがあったため、最終日の運動会はどのチームも初日より一層仲を深めているように感じました。最近は、携帯や、パソコンなど便利なものが多く、都会の公園でも公園にいながらも、それぞれがゲームをしている姿を目にします。もっと便利で機器が上手に使える子は、おうちの中でお友達と一緒でなくてもゲームを楽しんでいることも聞こえてきます。これもきっと、会わなくてもつながっていることができるようになってきているかもしれませんが、ぜひ幼少期には、友達、仲間とのふれあいを沢山させてあげてほしいと思います。人間という漢字はどのような意味があるでしょうか?まずは、一人では生きていけない大切なこと、人とのコミュニケーションをとれる環境を身につけさせてあげてください。このキャンプは、とてもシンプルです。なるべく道具もなく、自然とふれて、お友達とかかわって、よく考えて、色々なことを作り上げていきます。今回の工作なども、廃材を使い、身近にあるものだけで作り上げていきました。絵の具だって、沢山の色を準備するのではなく、最低限の色から色をそれぞれが作り上げていきます。緑ひとつとっても、山の色は同じではありません。どの山もたくさんの緑色からあることを、子ども達は景色を見るたびに覚えます。シンプルでも限りなく子どもたちの頑張りで、沢山のものが決して同じでない作品が出来上がりました、子ども達の応援の声が山々にこだましているのを聞きながら、一週間で作り上げた大広間の片付けを行いました。最初は何もなかったお部屋が、壁中に沢山の絵がかけられ、森の虫たちが所狭しといろいろな場所でパーティーを繰り広げています。なんと楽しい森になったことでしょう。子どもたち全員が、一つ一つの作品を丁寧に作り上げた成果です。みんなでやったから、それはそれは、一人だけでないということをこの中にいると感じざる負えません。ちっちゃなむしたちだって、集まれば大きな世界を繰り広げます。
今回のキャンプでは、段ボールの大きさを指定しました。同じ段ボールだって、それぞれに使い勝手が違うことをご存じですか?山は、霧が出たり、お部屋が湿気ることがしばしばです。しっかりとした段ボールであれば、さほど影響はありませんが、中には水分をすって、使っているうちに形が壊れてしまうものもあります。どうぞ子どもたちの準備の時には、子ども達がスムーズに生活ができるのか一工夫してほしいものです、また、お荷物も子ども達と一緒につめていただきましたが、今は便利に小分けするものがありますが、決して子供たちにとって、使い勝手がよくありません。お母様は、細かく準備してあげているつもりでも、生活をしていると、予定通りにはいかないもの。何か一つがくるってしまうと、子ども達はパニックです。ご自宅でも引き出しの中をかわいく小分けの袋にいれたり、文字で書いたりされていますか。幼稚園生では文字が読めなくてもよいです。その代り、文字を覚えるまでにしなくてはいけないことがあります。覚えること、考えること等々。子どもの記憶力は果てしないもの。この与えられた力をよそに、便利な道具の使い方を教えても、大切なことが足りなくなってしまいます。就学前までには、ぜひ、基本をしっかりと身につけるような生活をしてください。
お荷物は、毎晩先生方が子ども達が寝た後に、次の日スムーズに活動できるように、ひと箱ひと箱丁寧に整理します。整理整頓がきちんとできていれば、時間を大切に使えます。物の整理整頓がしっかり身についていれば、頭の中もきちんとすっきりしているはずです。
毎回お願いをしているのが、持ち物の名前の記入です。本人はもちろんですが、誰が見てもわからなくては、記名をしていることにはなりません。以前に書いていたかもしれませんが、お洗濯をして消えてしまっているものも少なくありませんでした。一つでも記名がなければ、できたことにはなりません。お子さんが困らない準備もう一度、考えてください。これは何所の幼稚園、小学校に行ってもまずは、できて当然のことです。

 たくさん汗を流し体を動かしたため、お腹はペコペコです。お昼はホテルの方がグッバイランチに、かき揚げうどんを作ってくださいました。うどんをよそってくださっているホテルの方に「多めでお願いします」とお願いしている子どもたちがたくさんいて、運動会でたくさんパワーを使ったのだなと思いました。またその様子を見ていた年少さんは、しっかり食べ終えることができるのか不安になったのか「僕は少なめで、、、」とお願いしていました。しかし子どもたちの食欲はうどん一杯では止まらず、おかわりをたくさんしていました。いつもキャンプの最後のランチは、カレーや、ミートソースのパスタなどで、最後の修行としてお洋服を汚さない!という課題があります。今回もこれに挑戦。でも一見簡単そうでしたが、それがそれが、大変な罠がありました。年長さんをはじめ、今年の子ども達は、お食事の道具、つまりお箸や、フォークなどなどの使い方ができません。お食事を楽しくいただけないのもここに原因があります。
おうどんは、至難の業。とはいえ、おなかがすいていたので、かなり救われました。お母様が、3歳までにやらなくてはいけないこと!教えてあげなくてはいけないことがしっかりできていますか?英才教育も大切ですが、まずは生活習慣をしっかりと身につけさせてあげてください。
あちこちで「二杯目!」「三杯目!」「デザート!」の声が聞こえてきます。年少さんも「二杯目!」とおかわりをしていました。

 お腹も一杯になったところで、自由時間です。子どもたちは外で思う存分に遊びます。虫を捕まえたり、ボールで遊んだり、鬼ごっこをしたり、普段の生活でここまで体を動かして自由に遊ぶことはできないでしょう。子どもたちにとって大切な時間となったと思います。

時間いっぱい、汗だくになって斑尾での最後の時間を楽しみました。部屋中をかざった、沢山の絵や工作の虫たち、それぞれの持ち主の段ボールに帰していきます。いざ、壁から外してみると想像以上の数の作品が出来上がっていたことを改めて感じました。予定よりも帰りの準備に時間がかかってしまったため、大慌てで斑尾高原ホテルの皆さんにご挨拶をして、バスに乗りこみました。「駅に着いてから走ってホームに行かなければ新幹線に乗れなくなってしまう」と子どもたちに伝えます。子どもたちは本当に急がなければいけないと一人一人がしっかりと理解してくれたようで飯山駅が近づくと全員きりっとした表情に。バスを降りると一目散に皆でホームを目指します。普段の遠足で慣れていることもあって、リュックがあってもへっちゃら。誰一人転ぶことなく走りきり、新幹線が来る五分前に無事ホームに到着しました。新幹線の中では思い思いに過ごします。年中さん、年少さんは持ってきた絵本を交換しあって読んでいました。年長さんは折り紙をしていました。そして東京が近くなってきた頃、子どもたちは先生から斑尾キャンプの修了証をいただきます。皆、修了証を手にした時は嬉しそうでした。修了証に書かれている「あせらない」「あわてない」「あきらめない」という言葉を子どもたちが胸にとめ、これからも子どもたちが夢に向かって頑張っていけると良いなと思いました。
東京駅に着くと、ホームにたくさんのお父様、お母様方がお迎えにいらしてました。子どもたちは元気一杯に「ただいま!!」とお土産をわたし、思い出話を始めていました。年長さんの何人かは、やはり長く離れていたためか、お母様と会った瞬間に涙を流していました。そして、子ども達からは、
4泊5日、年長さんは6泊7日のキャンプで、親元を離れ、自分一人で、またチームで頑張るということを学べたと思いますもっとお友達と親まで過ごしたかったという声も聞こえてきて、リーダーたちは、嬉しく、疲れが一気にとれました。予定のぎゅっと詰まったキャンプでしたが、子どもたちの疲れを全く感じさせない、底知れないパワーを感じさせるキャンプでもありました。

磯邊季里 @ 2017年08月13日 04:37 コメント: (0)

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