<こひつじかい>阿部恭子先生 お絵描き教室

2018年2月1日

2018年1月30日
阿部恭子先生 お絵描き教室

 「子どもを育てるうえで何が大切か」子どもに良い環境を提供したい、子どもによりよい教育を受けさせたい、ということは、親や教師なら誰しも思うことだろう。良い学校に入り、良い環境を準備し、安定した将来に近づけること。子どもの幸せを願っている人なら、そう思うはずだ。では、一体「良い環境とは?」「良い教育とは?」何なのであろう。
こんなテーマを掲げて、今回のお絵描き教室の様子を覗いていただきたいと思います。

子ども達が待ちに待った恭子先生の来日。先生とおなじアクリル絵の具と筆を握りしめ、目をキラキラさせながら子ども達は広尾に集合。今は便利でバンコクとの遠隔操作で先生のご指導を受けている子ども達、はじめましての子ども達、それぞれが先生への思いは違っても、太陽のような明るい絵を生み出す恭子先生にお目に掛かれば、恭子先生マジックで、いっぱしの豆画家に変身です。今回のテーマは、「自分を描こう!」
太陽の日差しを燦々と浴びながらのお稽古場で、まずは、先生と一緒にお顔の研究。「顔はどうなっているのかな?」「どこにお顔の部品があるのかな?」なんて、お友達の顔を見たり、自分の大きな写真を見ながら、ディスカッション。どんなことにも取り組む前の準備が必要だということを感じます。お顔について、色々と楽しくお話しをする子ども達、気持ちもウキウキしてきました。今日は、大きなキャンバスに、自分よりも大きなお顔を描きます。鉛筆で鏡を見ながらデッサンをします。何度も何度も納得いくまで描いては、消して、の作業を繰り返します。子ども達の目は、真剣です。3歳のお友達だって、鉛筆片手に描き続けます。

待ちに待った、絵具の使い方を教えていただきます。18色の絵の具を、ただその色として使うのではなく、混ぜ合わせて自分色を作る作り方を先生の話術とデモンストレーションで教わります。色は、果てしなく生み出されることも教えていただきました。
肌の色も、何回も何回も自分のお顔の色に合わせて作っている姿は、まるで研究者でした。細い細い筆で点々を重ねて塗り上げていきます。一生懸命に描いていれば、先生からお褒めの言葉をいただけたり、また恭子先生コールがお部屋中に響きます。先生がそばに来てくださると、子ども達はまたパワーをいただき、筆が滑らかに運びます。

夢中で時間を忘れて、キャンバスに向かっている子ども達、こんなにも集中力があるということにびっくりさせられました。こんなにじっくり自分のお顔を見ることも、きっと生まれて初めてではないでしょうか?
大きく描いているからこそ、お顔ができてくると、誇らしげに嬉しそうにいい笑顔になります。肌の色ができてきたら、目の描き方を教えていただきます。「皆の目は、きらきら輝いているから、生き生きとした目を描かなければいけないよ!」に全員が納得。
先生の教えをもとに筆を動かせば、息が吹きかかったように素敵な自分になってきました。髪の毛も一本一本を丁寧に描いていきます。
どんなことも、時短で端折ってしまうのではなく、このように忙しい時代だからこそ、この幼少期に丁寧にすると、時間はかかっても、出来たものが生き生きとしてくることを覚えてほしいと思います。

最初に掲げた「子どもを育てるためには、何が必要か」ということで、今回のお絵描き、恭子先生との時間が、子ども達にとって、絵を描くという最高の環境を与えてくださったということになると思います。絵が上手に描けることもとても大切なことですが、絵を描きたい!真剣に取り組めば、年齢に関わらず、その時に納得できるその時にしかできない素晴らしい作品が出来ることを身体で覚えるでしょう。絵を描くためにも、たくさんの準備が必要だと知ることも、きっと子ども達の中に種として、まかれたと思います。子どもが、たくさんの好奇心の芽を持つためには、目的をこなすだけではなく、親子で、その目的までにどのようにアプローチをしたら良いかなのではないかと言うことを、改めて今回感じました。

日が落ちた広尾の真っ白い壁は、気が付けばギャラリーのようになりました。生き生きとした眼の自画像が所狭しと飾られ、圧巻でした。それぞれがそっくりの自画像に満足、うっとりとした顔は、心から満たされた時間を過ごすことが出来た満足感だったように映りました。

最後に絵日記を描いた子の文にも、そんな様子がとてもよく描写されていました。
先生が、子ども達に会って一緒に絵を描きたい!と言うお言葉をくださったからこその素晴らしい時間、環境が作れ、ご指導とともに、魔法の言葉をかけていただいた子ども達は、きっとそれぞれが素敵な宝物をいただけました。
たくさんの「ありがとう!」がたくさん蒔かれました。

親子共々ニッコリ笑顔。とても良い雰囲気の最後に恭子先生にはもちろん、私たちスタッフにも深々と感謝の気持ち伝えてくださったお母様。とても気持ちが良く、そして単純に嬉しかった。そうやって会は終わりました。

 「良い教育とは?」そのひとつには、「その子がその子らしくいられる環境を準備すること」これが、とても大事なことだと改めて感じた。
 また、「ありがとう」と、たった5文字を伝えられた時、心がホッとしたのは、きっと子ども達にも伝わっているのではないかと思う。簡単なことだけど、なかなかできないことでもある。感謝の気持ちを述べられることで、人としての温かさを感じる。そして「心」を大切にすることは、とても大事なことだと改めて感じた。
恭子先生が、また来てくださる日まで、少しずつ、子ども達と絵をかいていこう!
 子どものころに、伸び伸びとその子がその子らしくいられる環境を準備し、心が充実できる環境作りに邁進したいと思う。

磯邊季里 @ 2018年02月01日 08:35 コメント: (0)

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