<東北キャンプ>4日目

2018年4月25日

朝7時。起こすまでもなく自分達で起きて台所にやってくる子ども達。お母さんが、にぼしのたっぷり入ったお味噌汁と釜石スタイルのお赤飯を用意してくださいました。大きな甘いお豆を入れて蒸したお赤飯。東京の子ども達が知っているお赤飯とは異なるので、最初は『これは何?』と戸惑うもおいしい!といってパクパク食べていました。朝摘んできたワラビを合わせて、東北最後の朝食を心から楽しんでいました。

朝食の後は、公園で最後のひと遊びをし、お父さんと一緒に神社へ。神社では獅子舞に頭をかまれ、お願い事をしてきました。皆とても強く印象に残っているようで、この日の日記には獅子舞の話をしている子が何人かいました。
神社から帰ってきたらピザ作りです。昨年も体験している子たちは、ピザを伸ばすのもこなれたものです。ソースや具も上手にアレンジして、いざ釜へ。出来上がったピザもうまくスライサーでカットして食べていました。中には、『もっと食べたい!1枚じゃ足りない!』という食いしん坊も。それくらい自分で作ったピザはおいしいのですね。

ゆっくりする間もなく、帰りの身支度です。洞泉駅を12時19分に出発する電車に遅れまいとバタバタと準備をし、お父さんとお母さんにメッセージカードを渡してお別れし、いざ帰路へ。電車が到着するまでの時間に、お父さんに聞いてもらおうと一生懸命練習してきた英語の自己紹介や釜石の紹介を披露することもできました。

洞泉席から新花巻までの電車内では、宮沢賢治の『注文の多い料理店』を読みました。『これからこの本のモデルになったレストランに行くよ』というと、『えぇ!じゃあ扉は9個あるの?』、『えぇ!じゃあ僕たち食べられちゃうの?』とドキドキしていました。少し不安そうな顔は、なんだか子どもらしくほほえましい光景でした。

予習を終えたころ、新花巻駅に到着です。駅からタクシー2台で童話村へ向かいました。童話の扉や賢治の勉強部屋など色々なスポットがあり、各所で実際に宮沢賢治のお話に出てくる鳥や天然石、動物などについて学びました。

童話村を見終えたら、待ちに待った『山猫軒』を目指します。300段以上の階段には、『雨ニモマケズ』が一文字ずつ貼ってあり、それを読みながら登ります。『あと半分だ!』などと言いながら皆各自で読みながら頂上へ。そこに山猫軒がありました。『あー!絵本で見たみたい!』と興奮気味の子ども達。『食べられちゃわないといいね』という大人の意地悪な言葉にドキドキした表情を見せながら扉をあける子ども達。なんと入り口には本当にクリームと牛乳、香水が置いてあり、それを見た瞬間皆が『わぁぁぁぁ!』と叫んでいました。無事に食べられずに済みましたが、子ども達は非日常を体で感じることができたのではないでしょうか。

山猫軒でご飯を食べた後は、新花巻駅に向かいました。いよいよ東北キャンプも終盤です。17時19分の新花巻駅発の電車がやってきました。ハードスケジュールを終え、後は東京まで戻ります。新幹線の中では最後のお勉強タイム。みんなちゃんと宿題終わりましたね!

20時。やっとご家族が待つ東京駅に到着です。ハードな3日間、皆よく頑張りました!普段できないことをやった充実感にあふれた、とても良い思い出になったことでしょう。


今回のキャンプでは、子ども達だけでなく我々大人も学ぶことが多いキャンプでした。つくしはピザにのせて窯焼きする場合は、ハカマを取らなくても食べられるそうです。ご存知でしたか?東京の便利な生活に慣れ、なんでも手に入ると思いがちですが、実はそれを引き換えに多くのことを見失っているのではないかとハッとさせられました。忙しいなかでも少しだけでも時間をとって普段はつくらない料理をしたり、普段は通らない道を通ったりする。そんなひと手間が人の経験値をあげるのだろうと思いました。
みる・聞く・触れる・においをかぐ・味わうの感覚を一人一人の持つ五感を開いて、自然を感じ楽しむこと、子ども時代に味わっていることは、将来の糧にきっとなるでしょう。身体全体で自然を感じること、今まで知らなかった自然界の面白さや不思議さを体感する事が出来る環境のある東北キャンプは、子ども達の心の中にきっと宝となっていると思います。子ども達の体験をとおして、楽しく主体的な学びができるように手助けすることが私たちの役割ではないかと思いました。一人一人の心や体の状態に合わせたプログラムの中で、人から教わったものとは違って、釜石の方々からの温かい受け入れで学びが深まっていくでしょう。自然や人との分かち合いこそ、正解や優劣にこだわらない中で、子ども達はお互いの意見や考えを伝えたり、他人の違った意見を受け入れ、認め合うようになって、この充実した釜石の週末を過ごし、ちょっぴり成長したことでしょう。
大好きな東北、大好きなお父さん・お母さんほか、MR.らば やラグビー選手の方々、来年2019年ワールドカップの年、沢山学んで帰ってきたいと思います。

磯邊季里 @ 2018年04月25日 11:40 コメント: (0)

0件のコメント





▲TOPへ戻る