<東北復興プロジェクト>釜石こすもす公園ツアー第2日

2016年4月26日

4月23日(土)
子ども達はみんな早起きです。いつもは静かな朝も今日は、朝日とともに子ども達の笑い声がこだましています。昨日は真っ暗で何もみえなかったコスモス公園が目の前に広がり、きょうこ先生の絵本で見たものが、大きな壁画として、飛び出してきました。
ピノキオブランコやアリ地獄、トンネル、海賊船、ボルダリングなど、それぞれがお気に入りの場所で遊びます。まるで、虹の世界の子どもの天国。

遊んだ後は朝ごはんの時間です。美味しいパンやソーセージ、チーズに地元でとれた食材とお母さんの愛情がたっぷりはいったクリームシチュー、こすもすレストランビュッフェ、みんな好きな場所で美味しい空気を感じながら、もりもりいただきます。朝1時間半は、走り回っている子供たちだから、格別なお食事です。

いよいよきょうこ先生のワークショップです。壁画にするための長い画用紙に自分らしい絵を、まずは鉛筆やポンキーで下絵を描きます。こすもす公園に咲いているお花、自分の顔などそれぞれ個性豊かな絵を丁寧にかいていきます。そして次に水彩絵の具で色をつけます。きょうこ先生は「水彩絵の具はきれいなお水が大好きな絵の具だよ」と教えてくださいました。本物を感じる。画家の先生から教えていただけること、これこそが、本物です。子ども達は風に吹かれながらも、水を取替えながらきれいに色を塗り、2時間の時が流れました。子ども達は夢中です。途中で丸太の平均台をしたり、走ったりで、気分転換だって考えています。まだまだ完成はしません。一つの絵を描きあげることはどんなことかも知りました。子ども達の夢中な姿を見て、リーダーのお姉さまも思わず筆をはしらせていました。

隙間時間は思う存分こすもす公園で遊びました。
沢山遊んだ子ども達は、お腹がペコペコ。体内時計は正確です。待ちに待った、ピザ作りです。
朝早く仕込んでおいた生地もきれいに膨らんでいます。
具材は岩手県でとれたホタテ、わかめ、いかなど海の幸。トウモロコシ、玉ねぎ、ピーマン、トマトなど地元のお野菜、そして年長さんが裏庭で収穫したわらびやつくし、三つ葉、行者ニンニクなど春の山菜などコスモス公園産をのせます。おおきな石釜でお父さんが焼いてくださいます。まるでイタリアのピザ屋さんに魔法のじゅうたんにでも乗ってやってきたような気分です

それぞれが作った自慢のピザは、絶品でした。これまた、1枚をぺろりと平らげました。東京では考えたこともなかったかもしれませんが、タンポポだってのせて食べました。つくしもわらびも採りたてなので、えぐみもなく、生でも食べてみました。自分の舌で味を感じられるこそ、本物の正味を覚えます。

ピザを食べてエネルギーをチャージした子ども達は、再び公園に走っていき、遊びまわります。大縄をしていた子ども達は最初は全然跳べなかったのに、みんなで練習を重ね、最後まで諦めず取り組んだ結果、八の字も跳べるようになりました!年齢も関係ありません。お友達だって、誰とでも楽しく遊びます。一人ぼっちの子なんていません。大人が指示をしなくっても子供たちは自分たちで考えて行動します。一年生が率先して、歌の練習をします。練習場所は、みんなの大好きな丸太のブランコ。経験をした子供が、一生懸命に伝えています。これこそが今回のキャンプの大きな目的です。東北で自分たちがよくみて、地震や津波ことを伺ったり、教えていただくいたことをよく聞いて、そして、たくさんの方々とお話しをして、わからないことは質問して・・・・・。
これを今度は伝えていくことができたら、人としての思いやりが生まれ人生の土台になるでしょう。

今晩は、海の方にいって宿泊です。陸中青少年の家のバスがお迎えに来てくださいました。太陽をたくさん浴びながら遊んだ子ども達はバスの中で少しの間、睡眠をとっていました。自分の身体を休める方法だって、わかります。青少年の家に着くと、青少年の家の方から様々な説明を聞きます。「質問はありますか?」と係りの方がおっしゃると、よくお話を聞いていた子ども達はまっすぐに手を挙げ、様々な質問をしていました。「自分のことは自分でする」という心得を理解しているからこそ、自分がわからないことがないように努力している証拠なのだと思います。

質問を終え、お風呂に入ります。ここは大浴場なのでみんなで入ります。子ども達の腕や足には絵具や泥がついていて、1日中沢山遊んだ証。お風呂だって、たくさんのお約束があります。いつもお家で過ごしているときとは違うので、よく聞いていなければいけません。みんなで一緒に楽しく過ごすためには、自分勝手はゆるされません。泥んこになったお洋服もお洗濯。名前がみんな書いてありますか?自分が分かればよいのではありません。こんな小さなことからも、人への配慮を学びます。お風呂上りには、地元の方々が作ってくださった美味しいご飯を食べました。セルフサービスです。まず残さず、ぺろりとたいらげたのは、もとひさくん。だからこそ、思い切り遊び、夢中にお絵かきをして、目をいつも輝かせています。終わったあとも、汚れた食器は、シャワーをあびて、そのあとに湯船にはいります。まるで私たちの入浴タイムみたいです。

そして、キャンプファイヤーに向かいます。三角に積まれた丸太に点火。大きな丸をつくり、明日ご披露する歌を一生懸命に歌います。今日は満月。お月さまもにっこりと私たちを見守ってくださっている様子。
大きな火を間近に見た子ども達は火の粉を「ほたるみたい」「火が絵を描いているよ」などと話していました。いそべっちから5年前の3.11のお話、先日起こった熊本地震のお話を聞き、子ども達は普段から「自分のことは自分でする」「ありがとうの気持ちを忘れない」「今の環境に感謝をする」ということを再確認し、一人一人が「みんなが幸せになれますように」とお祈りしました。火がだんだん弱まってきたころ、子ども達は真っ暗の中で様々な音に気付きます。「ぱちぱち」という火の音、「ザーンザーン」という波の音、虫の鳴き声、カエルの声、風の音など、東京では聞けないような様々な音に耳を傾けていました。

今日は、みんなで2段ベットに寝ます。ワクワク気分です。小学生は2階です。いろいろなところでの宿泊これもみんなで来るキャンプの醍醐味です。
明日はいよいよみんなが楽しみにしていたSLに乗る日です。明日も予定が盛り沢山。子ども達は明日に備えてぐっすり眠りました。

磯邊季里 @ 2016年04月26日 15:00 コメント: (0)

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