<こひつじかい> 2016年 夏のDAY CAMP 

2016年8月28日

8月19日(金)・20日(土)の一泊二日で、今夏も年長クラスのDAY CAMPを行いました。悪天候のために予定を変更することがあったものの、秋へ向けて良いキャンプができたと思います。朝7時に田園調布教室に集合し、キャンプがスタートしました。今回のキャプではシンプルな持ち物を工夫して過ごすことも目的の一つなので、子ども達の荷物もいたってシンプルです。お揃いの白とカラーのティーシャツ計2枚、ズボン、下着、洗面用具、パジャマ、寝袋、ポンキー、着てきた体操服。それに、こちらで用意した薄手のタオル一枚、以上です。工作では他の道具を使うことがありますが、時間をうまく使って洗濯をしたり、限られたもので事を済ませる、そのために工夫することがねらいです。特別な持ち物は、別ですが、生活の中で持ち物の準備も指示通りにおこなうのではなく、その主旨をくみとり、お母様が的確に準備をしてほしいと思います。心配をするより、しっかり準備をして、的確に行動を出来るように日常生活を工夫してほしいものです。
キャンプの基地となる田園調布教室の入り口には、先日夏の旅先で見つけたプレートをかけました。「WELCOME DAY CAMP」 と記し、楽しい雰囲気を演出します。ちょっとした小物を上手に使うことで、楽しい世界も広がります。今回もこの日をどのように演出するかを日々考えていますが、そのようにすごしていると、いろいろな出会いがあり、準備も進み、その過程で予定を立てることができます。
 キャンプの2日前からお稽古が始まっていて、久しぶりに会った仲間とも違和感なく体操やお稽古ができていました。ペースを戻したなかでのお泊りとあって、子ども達はとても楽しみな様子でした。夏の終わりにぐっとチームを育て、オリンピックの団体競技の選手のように、人の良いところをお手本にし、お互いを高め合える集団にしたいと考えています。

 金曜日の朝は晴天で暑く、キャンプ生活の準備をしてから多摩川のせせらぎ公園へ体操をしに行きました。前日の雨のため河川敷から場所を移し、ラクロスの練習をしている人達が公園にいました。その練習の掛け声を真似して、子ども達も声を出し体操します。この公園には犬の散歩をしている人が多いですが、場所によって公園の様子が様々だということに子ども達は気付きました。 

体操中も、多摩川駅構内のうどん屋さんやパン屋さんがあり。お出汁の香りやパンを焼く香りがしてきて、おなかがぺこぺこの子ども達にとってはたまりません。朝ご飯用に、電車の形をしたパンや、たまちゃん(以前多摩川にきたアザラシ)パン、メロンパンならぬレモンパン等を買いました。どれも焼き立てです!走って基地に戻り、お着換えをして体操着を洗濯機に入れてから朝ご飯です。食べている間に洗濯が終わり、時間をうまく使えるというわけです。洗濯物を干したら庭を探検しました。セミ採り、セミの抜け殻や虫探しをしました。夏の遊びを楽しめました。 


 

工作の時間はお魚やさんで商品を作りました。スーパーなどでお魚を買うと、発泡スチロールのお皿状のものにお魚がのっていますが、そのお皿状のものをあらかじめ準備して、そこにのせるお魚を様々な材料を使って自由に作ります。指示通りに作るのではなく自分で考えて自由に工作します。その準備として、魚屋さんやスーパーの魚売り場で魚の様子をよく観ておくように伝えてありました。鯛、ウナギ、貝・・・子ども達はどんな魚に目がとまったでしょうか。ここで子ども達の見る目、見方について改めて考えさせられました。工作するためによく観ておくようにと言われても、大人のアドバイスがないと見方が曖昧で、イメージを形にすることができないものです。ぜひ、どんなポイントがあるのか声掛けをしてあげながら、子どもの観察眼を育てていってほしいと思います。
 キャンプでの工作では魚のお手本を用意し、それを見て作って良いことになっていましたが、お手本を見ることも上手くできないものです。表面的になんとなく見るのではなく四方見という見方も意識できなければいけませんね。お魚作りは1時間半ほどやりましたが、作るスピードは子どもによって様々で、それはそのまま子どもの性格をよくあらわしていました。たくさん作ることが良いというわけではありません。出来上がった作品から、子どもの普段の生活が伺い知れるものです。お母様方がそれを客観的に捉えるチャンスと言えるかもしれません。
 干していた洗濯物が乾いていて、「お日様の勝ち」ということになりました。洗濯物が乾く時間は素材や形状によって異なりますが、体操服は似たり寄ったりでどれも1時間ほどで乾いたようでした。子ども達にとっては、つい先程まで着ていた物が洗われて乾いていることが珍しいようでした。このように、生活の中の一つ一つがなされていくことを感じたのではないでしょうか。
 お昼ご飯のホットドッグ作りの前に、ホットドッグを入れる箱を作りました。ホットドッグはウィンナーを焼いて、野菜を好きなように入れます。ポテトチップスも作りました。お野菜は木島平高原から取り寄せていて、じゃがいももそうです。スライサーを使わずに作ったポテトチップスは市販のものより厚く仕上がりましたが、出来立てのおいしさ、そして自分たちでポテトチップスが作れる!といううれしい驚きで楽しいランチとなりました。お部屋ではなくベランダでいただいたことも、美味しさや楽しさにつながったと思います。視界に入る緑、感じる風などが、素敵なエッセンスになり、お食事をより、美味しくしてくれるわけです。


 
午後はお天気を見ながら、多摩川へ水遊びに行きました。朝5時頃に川の様子を見に行ったときには、前日の雨の影響できれいな水とは言えない状態だったため、川遊びを午後に変更したのですが、その甲斐があったようです。基地で水着に着替え、その上にお揃いの白いティーシャツを着て歩いて行きました。橋を渡って玉川側で遊びます。途中、広い野原では「この木なんの木」を歌いました。ほとんど貸し切り状態で、元気に走りまわる子ども達でした。上をむけば、「この広い空」にふさわしいけしき。青い空、雲の様子は、幻想的です。川に着くと、水量は多くなく泳ぐことができました。とはいえ、川は注意が必要です。川は怖いということ、行ってはいけない場所を教えました。近くで釣りをしている人がいて、スズキの稚魚やアユが釣れるとのこと。水は澄んでいて、アメンボが映ってきれいです。石投げをしたり石探し(後で絵を描くために)をしたり、2時間くらい川遊びを楽しみました。この夏に泳げるようになった子は、とてもうれしそうに泳いでいました。夏休みにはできるようになっています。それがたくさん増えれば、自信になりひかります。まるで宝、子ども達は宝箱と言うことです。それが薄手のタオルで体をふき、ティーシャツを着て基地に帰りました。途中で神社でお参りも心を込めてしました。おさんぽをしていると、目的を急ぐ時とは違って、いろいろなものや、場所に出会えますね。

お夕食のバーベキューの準備をしました。ランチ同様に木島平高原のおいしいお野菜が並びます。17時頃下準備のトウモロコシの皮むきをしていると、雨が降ってきました。ちょっと残念な気持ちになっていると、雨雲の隙間から虹が見え、子ども達は大喜びで虹の歌を歌います。ただきれいな虹が見えただけではなく、それをみんなで見れたことが嬉しかったのです。その後川遊びの絵を描いたり、テーブルセッティングをしたり、器を準備したりして1時間くらいたったころ、また虹が、よりくっきり鮮やかに見えました。くっきりと、美しい虹は、子ども達に心にきっと大切な写真として刻まれたことでしょう。 

せっかくのバーベキューでしたが、雨模様なのでお肉やお野菜を外で焼いて、部屋の中でいただくことにしました。ハンバーガーを作りましたが、ここでも箱作りからはじめました。パテはパンの大きさを参考にして形成しますが、「焼縮む」ことを考えて大きめに作るということは、子どもが理解するには少し難しかったようです。お肉のこね方、丸め方にも子どもの性格が出るものです。夢中になって作る子もいれば、ただなんとなく作っている子もいます。野菜は好きなものを挟むようにしました。いただくときに、ケチャップで目を描いておかおにしている子もいました。ちょっとしたアイデアで楽しいハンバーガーですね。
 バーベキューの準備やテーブルセッティングも協力してしました。ここでも子ども達の普段の様子がよくわかります。ラップをかけるときに、ラップの切り方がわからなくて戸惑う子どもがいました。日頃からお手伝いをさせるように心がけているご家庭が多いと思いますが、それは「お手伝いとして用意している」ことをさせるのではなく、日常の様々な場面でさせなければいけないのではないでしょうか。食事を楽しむことはおいしくお料理をすることだけでないことも子ども達に伝えたいことの一つでした。 

今回のキャンプでは子ども達の食の細さが気になりました。もちろん、食事を楽しめていないわけではありません。けれどももう少し楽しめると良いと感じました。例えば、食事の度にテーブルクロスを変えましたが、そのことに気付くのは良いとして、普段テーブルクロスを使ったことがない子はクロスをひっぱってしまったり扱いを知りません。ただ食べるというのではなく食卓を楽しめていないようで気がかりでした。食べ物をこぼしてしまっても全く平気な子もいました。「こぼしてしまったな」と思ってほしいものです。
 お夕食の後はお風呂、寝る準備をしましたが、お食事をしたお部屋が寝るお部屋になるので、食べこぼしなどをきれいにしてお部屋を整えるチームと先にお風呂に入るチームに分かれました。全員が寝る準備を終えるとあっという間に眠りの世界へ。はじめは真っすぐに並んでいた寝袋でしたが、しばらくして様子を見に行くとあっちこっちへ元気に動いていました。昼間は風が通りクーラー要らずでしたが、夜は窓を閉めてクーラーを利用しました。
 度々書いていますが、一緒に生活をしてみると子ども達の普段の生活の様子がわかります。トイレの使い方では電気のつけっ放し、ドアの開けっ放しがありました。細かいことかもしれませんが、きちんとできずにいて恥ずかしい思いをするのは子ども達だということを、今一度ご指摘したいと思いました。日々の立ち振る舞いが、すべてのことの土台になること、それは口うるさくしても伝わらず、一番の家の師になるお母様が是非お手本を示してほしいと思います。
 
 

翌日も引き続きお天気に恵まれず、予定していたブドウ狩りを中止にしました。残念ですがやむを得ません。そして工夫次第で、より良い一日にすることができます!この日は10時半のお迎えの時間まで、絵を描いたりゲームをしたりして楽しく過ごしました。
 朝の体操はお部屋のなかで、6時から8時まで寝袋を使って基礎運動をしっかり行いました。この日の朝食は和食です。こひつじかいではお馴染みの元気玉(小さいボール状のおにぎり)、お味噌汁、新鮮なお野菜、そして肉じゃがをいただきました。出かけなかった分品数を増やし、お野菜とお肉を食べました。デザートにはさくらちゃんのおばあ様が長野から送ってくださった桃をいただいました。とってもおいしかったです!普段は桃が好きではない子も「今までのなかで一番おいしかった!」と言って喜んで食べていました。
 キャンプ中のお食事では桃以外にも、ウィンナーが嫌いな子がおいしそうに何本も食べたり、環境によって食を楽しめていました。子ども達はキャンプ中に飲んでいた金太郎牛乳(足柄山でつくられている)を気に入り、たくさん牛乳を飲みました。いかにも強くなれそうなパッケージに後押しされていたのだと思いますが、これも一つのきっかけになると言えるのだと思いました。 秋に向けて体力をつけるために、ご家庭での食生活を見直してほしいと思います。食生活が整うと気持ちも穏やかになるものですから、体力と気力がつくと言えるでしょう。 


 
今回のキャンプでは少ない持ち物で済ませるようにしたものの、荷物を入れるリュックの使い方が悪いために自分で荷造りできないケースが見られました。洗濯をしましたが、何を持ってきているのか把握できていないことが多かったり、持ち物の記名がきちんとされていなかったり、小さな準備の徹底が不足していたように思います。持ち物への記名は日頃からお話ししていますが、誰が見ても(子どもが見ても)わかるように書いていなければ意味がありません。以前書いたものが消えていることもあるわけです。一つのことを徹底する、それは他のこともきちんとできることにつながるものです。小さな準備の積み重ねがスムーズな動きをうみます。子ども達自身も、どうやったらスムーズにできるのかを考えています。ご家庭で、ついつい何もかもやってあげてしまってはいませんか?いつもやってもらっている子は何もするにも時間がかかり、さらに自分で判断できない子になります。このことは今回子ども達自身が痛感したことでもあります。
 気づきや学びがたくさんありましたが、子ども達どうしリラックスして楽しむ時間もありました。なるべく席を外して、子ども達だけのやりとりを聞いていると、会話が弾みとても楽しそうにしている様子が伝わってきました。11時半の解散の頃、ちょうどオリンピックの男子400メートルリレーが始まる時間でしたので、子ども達と一緒に観戦し応援しいました。日本チームの見事な戦いに、みんな感動していました。一人ではないみんなの力を合わせることの大切さ。最後にキャンプのまとめのように体感することができてとても良かったと思います。
 このように映像を見ることができると、理解が深まり様々なことを感じることができます。しかし言葉だけで伝えることも必要です。子ども達が自分の持ち物について言葉で説明するとき、特徴を描写する語彙が乏しいと感じました。それはそのまま自分の持ち物に対する愛着の希薄さにつながるようで、大変気がかりな点です。こうした課題を確認できるのも、キャンプの良さと言えるでしょう。これからもお父様お母様方とコミュニケーションを密にとり、子ども達をより良い方向へ導いていきたいと思っております。

磯邊季里 @ 2016年08月28日 18:24 コメント: (0)

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