<よこはま VIVICITTA>世界同時マラソン2018

2018年4月11日

本日は、マラソン『横浜ロードレース、よこはまVIVICITTA(ビビチッタ)』の開催日。VIVICITTAとは、イタリアスポーツ連盟によるイベントで、同時刻にイタリア国内73ヶ所、紛争地を含む世界150都市にて参加者が走り平和のメッセージを発信しています。参加費の一部は寄付金となり、カンボジアの子ども達が乗る園バスを走らせるためなどに使われると開会式でもお話がありました。日本では2010年に横浜でスタート。こひつじかいは昨年に続き、今年は2倍以上の人数で参加することとなりました。

8時過ぎ。晴れ渡る空の下、会場の樽町公園に参加ファミリーが続々と集まってきます。
最寄りの綱島駅から歩いてきた小学生、幼稚園生メンバーはいつもの遠足気分で賑やかに到着。開会式まで少し時間があったのですが、鶴見川の河川敷に広がる芝生を前にじっとしている子どもはいません。燦々と降り注ぐ太陽の光を浴びながら、年齢の垣根を越え元気いっぱいに走り回っています。
少し肌寒い気温でしたが、鬼ごっこで自然と体も温められ、ウォーミングアップ終了。表情が少しこわばっているこどもも見られましたが、皆で遊んでいるうちに頬もピンク色に彩られいつもの笑顔に。VIVICITTAと書かれたお揃いのTシャツに着替えると、「皆でがんばるぞ!」という一体感が出てきました。

開会式に参列し主催者の方のご挨拶を聴いた後、イタリアの国旗とともに参加者の集合写真と家族での記念写真撮影会。笑顔いっぱいの平和な光景が広がります。
再び鬼ごっこをして遊んでいるうちに、あっという間に第1レース、1㎞走のスタート時間となりました。
こひつじかいからは新年中のEちゃんが1人でチャレンジ。仲間たちの大きな声援を受け、スタートの合図で勢いよく駆け出し、全力で最後まで走り抜きました!今大会最高齢の83歳の男性も力強い走りでゴールイン。勇ましい姿に応援の熱も上がります。
こどもも大人も同じレースで走るのがVIVICITTAの魅力です。会場が和やかな雰囲気に包まれる中、次のレースは3㎞走。新年長さんと小学生の11名がスタートラインに並びます。ドキドキワクワク…スタートを待っている間、皆の心の声が聞こえてきそうです。ふと見ると、後ろに並ぶ保護者の顔を新一年生のHちゃんがじっとみています。「先生たちが見えなくなったからいいやって歩いたら、わかっちゃうからね^^」と声がかかると、本人も周りの皆も大笑い。スタート前のドキドキもほぐれたところで、ヨーイドンの掛け声が響きます。と同時に、まるで100m走かのようにこどもたちは一斉にダッシュ。いつもの体操時のランニングとはまるでスピードが違います。次第にそれぞれのペースになり、1人1人の間の距離が開いてきました。ここからは自分の中の苦しさとの戦いです。1㎞が過ぎたあたりでしょうか。大きな泣き声が聞こえてきます。声をたどるとHちゃんが、顔も目も真っ赤にして必死に走っていました。歩きたい気持ちと歩かない気持ちの間で葛藤している叫びの涙でしょう。胸が熱くなりました。周りでは他の仲間も歯を食いしばり必死に走っています。それぞれに1人では歩いてしまいそうな苦しさの中、仲間とともに走ることで全員最後まで走り抜くことができました。

続いて、第3レースの12㎞走。出走者は小学四年生のSくん、初出場二年生の双子兄弟、AくんとKくん。3人とも自ら出たい!と希望してのチャレンジです。やる気満々でスタートを待ち、合図とともに3㎞走と同じく全力ダッシュで駆け出しました。このスピードで走りきれるのか…応援している私たちがドキドキするほどでしたが、3人とも堂々と走りきりました。AくんとKくんも最初こそ同じペースで走っていましたが徐々にそれぞれのペースで一人ずつに。何度も心が折れそうになりながらも、周りのランナーの方々が、「この調子で走れば絶対ゴールできるよ!」「こんなに頑張れるなんて本当にすごいね、あともう少しだぞ」と本当に温かい声掛けをしてくださり、足を止めることなくゴールにたどり着きました。
Sくんのタイムは1時間6分!途中笑顔が見られ、まだまだ走れそうな余裕も感じられました。AくんKくんは同じく12㎞に参加されたママと見事完走!未知なる経験は彼らの体と心にどう残ったのでしょうか。
こどもたちの火事場の底力にはいつも脱帽します。苦しくても仲間とともに走り抜いた達成感は確かな自信となっていくことでしょう。

走り終わった後は皆でお昼ごはんの買い出しに行き、一緒にいただきました。おにぎりやからあげなどとてもシンプルな昼食ですが、頑張った後に青空のしたでみんなで食べると味も格別です。食事を終えるとすぐにこどもたちは鬼ごっこやペットボトル野球をして遊んでいました。遊び道具は何もない中で、自分たちで遊びを考え出して自由に遊ぶ彼らの顔はとても活き活きしていました。先程12㎞を完走したメンバーもまだまだ走り回れそうな様子でしたが、来年のチャレンジに思いを馳せ、主催者の方々に元気よく御礼のご挨拶をして会場を後にしました。

無限大の力を備えているこどもたちが目標に向けて駆け抜けていけるよう、これからも全力でサポートしてまいります。

磯邊季里 @ 2018年04月11日 09:08 コメント: (0)

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