<こひつじかい>>味噌の仕込み完了!

2020年12月19日

《何事も経験が一番の学び》
1週間で60キロ以上の味噌作りを終え、年齢や月齢に限らず経験の有無によって異なる子どもたちの様々な姿が垣間見れました。
同じ作業でも年長さんと年少さんとではかなり異なります。2年目の味噌作りを迎えた年長さんたちは普段から料理をしていることもあり、きれいにこぼさずこねることができました。そして力もあるので、しっかり団子にまとめて袋に入れ、空気を抜く作業まで一人でしっかりこなします。一方年少さんたちは、麹と煮豆を混ぜることに苦戦し、試行錯誤しながら手の動かし方や力の入れ具合を調整していました。しかしながら、やはり「やってみる」という経験が今回一番重要でした。年少さんであっても、昨年味噌作りを経験していた子たちは昨年よりももっと上手にこねられて、きれいにお団子作りができるようになっていました。そして2日連続で味噌作りをした子たちは自分たちで工程を把握しているようで、こちらが指示を出さずとも自分たちで協力し合って味噌作りができていました。子どもたち自身も実感として「去年より上手くできるようになって楽しい!」という気持ちを抱いているようで、「何が楽しいの?」と聞くとそういった答えが返ってきました。何事も挑戦してみること・経験してみることが大事です。作業の途中では手に塩が染みて痛かったり、こぼしてしまったり、自分の思い通りにいかないことももちろんたくさんあります。でもその過程を通して、子どもたち自身が自分で気付き、学び、成長していきます。
さらに、手洗いも今回重要なポイントでした。混ぜる・こねるという作業があるため、手だけではなく腕にもたくさんの味噌がこびりついてしまいます。ただ「手洗ってきて」とだけ声をかけても、子どもたちの手や腕はきれいになりません。腕をまくり水で汚い部分を濡らして、石鹸を泡立てて汚いところをよく擦る。そしてツルツルピカピカになるまで水で洗い流す。たったこれだけの手洗いであっても、早いうちから一つ一つ子どもに教えることで後々大きく差が出てきます。固形石鹸を手洗い場で渡して「泡立ててみて」と声をかけただけでは、どうやって泡立てればいいのか分からない子も多くいました。団子作りしかり、手洗いもしかり、普段からどれだけ遊んでいるかということが手の動かし方を知っているかという場面において如実に現れていました。

《日本の文化を子ども達へ》
また、今年の味噌作りには小学生やイギリス人のお父様を持つハーフの子も参加しました。小学生であっても幼稚園生に混ざって、誰よりも興味津々で先生のお話に耳を傾け自分なりに美味しく作る工夫を探りながら味噌作りに参加していました。何事も経験というのは一回やって終わりではなく、積み重ねることで新たな発見や学びが見つかるため、幼稚園生がやっていることに小学生が挑戦してももちろん同じことが得られます。そのため、年齢関係なく好奇心を持って取り組むことができました。後者のハーフの年中さんは、子どもの半数が昨年味噌作りを経験したクラスで味噌作りに参加しました。麹のにおいを感じて感想をお友達と共有しあったり、味噌団子をとってもきれいに作って周りの子に刺激を与える姿が見られました。ご家庭では触れる機会が少ないかもしれない日本の文化を伝える大切な時間となり、本人もたくさんのことを吸収して今後の糧としていく姿がありました。
単なる味噌作りであっても、年齢や経験の差で子どもたちの様子が様々に異なる様子が明らかに見て取れた1週間でした。今年が初めての味噌作りでなかなか上手にできない子も、苦戦して泣いたりしながらも最後までやり遂げることができました。また、時短料理などがある中で味噌作りは手前味噌の歌にあるようにたくさんの工程があり、さらに3ヶ月ほど寝かせなければ食べることができません。そのため子どもたちは、赤ちゃんとほぼ同じ重さの味噌をこれから春までしっかりと面倒を見て大切に育てていきます。来年はまた一回り成長した子どもたちの姿が見れそうです。

《体験談》
最後に今回初めてお稽古に参加された方から寄せられたご感想をご紹介いたします。

本日は、1才4ヶ月の娘と一緒に味噌作りに参加させていただきました。お兄さんやお姉さんに交じっての初めてのお教室、正直なところ、1歳の娘に味噌作りや様々な活動がどこまでできるのだろうと思って参加をしました。

実際は、お兄さんやお姉さんの姿に触発されて、終わってみれば彼女なりにたくさんの活動ができ、充実した時間を過ごさせていただきました。
もちろん娘は、大豆の絵を描く、お豆を掬って鍋に移す、麹と大豆を手で混ぜる、画用紙にシールを貼るなど、どの活動をとってもお兄さんやお姉さんたちと同じようにはできません。でも、皆がそっと見守ってくれて、「ちがうよ」や「できないの?」などと言うこともなく、良いお手本となってくれたことが印象的でした。
たった半日ではありましたが、お兄さんやお姉さんから多くを学んだ一日であったことは、昼食でいただいたお味噌汁とご飯をいつもの倍の量平らげ、帰る前には一緒になって丸椅子を片付けようとしていた娘の姿によく表れていたと思います。

1歳だからこれくらいのことしかできないだろう、という親の思い込みは、「お友達や先生に囲まれて」「やってみたいことが目の前にある」という環境においては、見事に打ち砕かれるということを親として学びました。また、本当の「手前味噌」を作ることができ、私自身「お味噌」がより好きになりました。3ヶ月後にお味噌を食べられることが楽しみです。参加させていただき、ありがとうございました。

磯邊季里 @ 2020年12月19日 06:57 コメント: (0)

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