<こひつじかい>スキーキャンプ1日目

2017年3月26日 / 未分類

あと何日、そう言って指おりしながら今日の日を待ち焦がれていた子も多いかもしれません。この日の集合場所は東京駅のホーム、四方八方から爽やかな陽光が漏れ、この日の恵まれた天気を感じることができました。集合時間が近づくと、見慣れた子ども達がご父兄の手を握りながら集まります。春休み終盤ということもあり、旅行でゴーグル型にたんまりと日焼けをした子どもも見られました。春休み中の子ども達の充足加減が伺えます。集合写真の撮影をすませると、5号車の乗り場へとぞろぞろと歩いてゆきます。その乗り場でお父さまお母さまとの最後のハグ、お別れを済ませ目の前にどんと構える新幹線に乗り込みます。

新幹線での時間は、乗り換えがあることからゆったりとした時間は限られており、会話や、最近お稽古で習った蝶やカメラ、ゴミ箱の折り紙などが、各々のグループごとに広げられます。しかし、周りの方への迷惑を配慮しつつ遊べるようになったのか、ただむやみやたらに大声をあげるのではなく、例年よりも静かに楽しんでいる様子でこちらも静かに感心していましました。乗り換えをする長野駅に着くと忙しなく、時間に追われる乗り換えでした。ホームをぞろぞろと走り抜け、改札を通り、長野駅から妙高高原まで直通の北しなの鉄道のホームに着き、そしてこれからいざ乗り込もうという時、親切なおじいさんに北しなの鉄道のホームは違う、という一言を乗車直前で教えていただき、すぐさま我々は方向転換し、レールを2つ挟んで向こう側のホームへと再び階段を駆け上がりました。手動ドアを持つ正真正銘のしなの鉄道に乗り込み10分ほどすると、遠くに雪がちらほらと伺えはじめ、妙高高原に近づくにつれ、車窓には次々と風光明媚な冬景色が流れてゆきました。

景色を堪能していると、あっという間に妙高高原駅に到着します。自分の感覚としては東京駅から妙高高原駅までの移動時間は過去2回のスキー合宿よりも短く感じ、おそらく子ども達からも『あと何分で着くのー?』『まだー?』といった質問がひとつもあがってこなかったため、彼らも自分と同じ感覚だったのではと予想しています。駅にはすでにお世話になるスキーの先生方がお出迎えしてくださり、先生方との1年ぶりの面会になる子も多く、『久しぶり!』という声が先生方の声か、子どもの声かどちらとも分からずに聞こえてきました。そして車に子ども達はぎゅうぎゅうになって乗り込み、ロッジラーへと車列を組みながら無事に到着することができました。長野駅で乗り場を教えてくださったおじさんや、ロッジラーの方、先生方、皆様の協力があっての往路となりました。

1年ぶりのロッジラー。子どもたちは、まだまだ元気です。階段を駆け上がり、自分たちの部屋で大はしゃぎ。今まで電車で、存分にはしゃげなかったぶん、貸切の宿で大はしゃぎです。毎年、そんな私たちを笑顔で迎えてくださるロッジラーの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。お腹が空いた子どもたちは早速スキーウェアに着替え、手を洗って素敵な香りが漂う食堂へと向かいます。スキー合宿で最初にみんなで食べるご飯はカレーライスです。みんな「おいしそー!早く食べたい!」と、大喜び。「美味しい!」と皆何度もお代わりをし、今年も行列のできるカレー屋さんができました。ごちそうさまをして、日焼け止めを塗り、スキー靴を履いていざ出発。子どもたちは外に出るなり雪合戦をはじめていました。

その後、グループ分けをして、重い自分たちのスキー板とストックを個々に持ってゲレンデへ向かいました。スキー板を履くと、久々に滑る子が多いにも関わらず、比較的皆スイスイと滑っていました。コーチたちも想像以上に滑れる子ども達の様子をみて、予定していたよりも高い所へいくリフトにも何本も乗り、快晴の中綺麗な景色を見つつ、初日から沢山滑ることができました。スキーが初めてのチームも明日は朝からリフトに乗りたい!と一人で板をつけ、滑る練習をしました。転びながらも何度も繰り返していくうちに、確実に上達していくのを自分でも感じるのか、ほとんど休む間もなく滑り続けていました。

クタクタになって帰って来た子どもたちは、テキパキとお風呂に入って、お夕食まで、かくれんぼなどをして、仲良く過ごしていました。そして、お夕食。
小学生達が手洗いの声かけをして、食堂へ向かいます。今日の夜は盛りだくさん!ニコちゃんポテトにチキンにエビフライに笹団子などバラエティに富んだお夕食にみんな大喜びでした。1日遊びきってつかれた幼稚園生も一生懸命お夕食を食べていました。

お夕食後はお勉強。お父様お母様やおじいちゃまおばあちゃまにみんな思い思いにお手紙を書き、疲れているにも関わらず集中してお勉強していました。小さい子から少しずつお勉強も終わり、歯磨きなどをしてお休みの時間です。お友達同士、ベットで「明日もいっぱい滑れる!楽しみだなぁ」と話している姿はとても微笑ましかったです。明日も良い1日になりますように。

<こひつじかい>2017年4月の予定

2017年3月25日 / 未分類

こひつじかいの2017年4月のご案内を致します。
皆さまのご参加をお待ちしております。
※定員になり次第、締め切らせていただきます。

≪遠足≫
★たけのこほり遠足 <好評にて終了致しました。>
日時:4月16日(日) 8:00〜17:00
対象:新年少以上
定員:30名
場所:関東近郊の竹林
詳細はこちら⇒たけのこほり遠足のお知らせ

皆さまのご参加をお待ちしております。

<こひつじかい> チャリティコンサートと恭子先生お絵かき教室

2017年3月13日 / 未分類

 3月12日(日)神楽坂のア・ポワンというレストランで行われた東日本大震災復興支援チャリティコンサートに、こひつじかいの子ども達が参加しました。前日の11日はまさに東日本大震災から6年がたった日、東北地方の復興の様子などが多く報道されていました。日本人の誰もが東北地方に心を寄せ、何気ない日常のありがたさや、そこにあるささやかな幸せの尊さを改めてかみしめる契機になっていると思います。
 このコンサートに参加したこひつじかいの子ども達のうち、新一年生さんは6歳ですから、震災当時は生後間もない赤ちゃんでした。その新一年生さん達を中心に歌を介してチャリティコンサートに関わる運びとなったのは、タイ・バンコク在住の画家、阿部恭子先生とのご縁があったおかげです。恭子先生と親交のあるピアニストの田畑先生を中心に今回のコンサートが企画されました。以前、恭子先生が震災後、心に不安を抱える子ども達の為に釜石のこすもす公園に「希望の壁画」を描かれたこと、希望の壁画の一周年と希望の鐘完成記念祝賀会にこひつじかいの子ども達が東京から参加して歌を歌ったこと、その翌年の2016年にはこすもす公園を中心に開催された様々なワークショップにも子ども達が参加したことなど、東京に住んでいる私達だけではできない子ども達の心の教育を、恭子先生からいただいたご縁が授けてくださっています。今回の会場となったレストランには、恭子先生が描かれた色鮮やかで大きな絵が飾られ、あたたかで明るい雰囲気を作っていました。

 コンサートにはこすもす公園の造園、維持にご尽力されている「こすもすのお父さんお母さん」である藤井さんご夫妻が参加され、かつて祝賀会やワークショップ(東北キャンプ)参加でお世話になった子ども達にとってはとてもうれしい再会の機会となりました。震災、特に津波について描かれた絵本の読み聞かせもあり、森川さんという方がご協力くださいました。
 当日は新一年生が参加する第一部と小学生中心の第二部の二部構成でした。いずれもまず田畑先生のピアノ演奏に合わせ、森川さんが2冊の絵本を読み聞かせてくださいました。

震災で傷ついた子ども達の心の回復を願って恭子先生が描かれた「あしたがすき」と、津波から自分の命を自分で守ることを説いた指田和さんの「はしれ、上へ!津波てんでんこ」です。普段読んでいる絵本とは違い愉快なお話しではありませんし、子ども達にとっては長いお話しだったと思いますが、どの子もじっとお話に耳を傾けていました。
 こすもすのお父さんのご挨拶のあと、いよいよ子ども達の出番になりました。田畑先生がこすもす公園と希望の壁画、希望の鐘のために作曲された組曲こすもす、先述の通りこの一部を子ども達が祝賀会で歌った曲ですが、今回は歌詞ではなく「ラララ・・・」で歌うことになっていました。歌詞がないことは一見簡単なようで、メロディの変化や終わるタイミングの助けがなく、子ども達にとっては難しいようでした。チャリティコンサートへの参加が決まってからというもの、お母様方のご協力を賜りながら、お稽古場でもいつも練習してきました。その甲斐あって、本番では声もしっかり出ていて、良い姿勢を保ちやり遂げることができたと思います。田畑先生に、聴く側出演する側それぞれのコンサートでのマナーを教えていただいたことが身についたのではないでしょうか。
 時間の都合等があり、第一部では歌わなかったのですが、第二部では「ビリーブ」も歌うことができました。かつて記念式典でも歌い、こすもす公園でブランコを漕ぎながらみんなでずっと歌っていた、子ども達お気に入りの曲です。また、田畑先生にはこひつじかいの25周年を記念した「未来へ」という歌を作っていただいたいて、この曲も披露しました。

 第二部では恭子先生が準備してくださっていたワークショップを開催することができました。恭子先生が用意されたキットを利用してのポップアップカード作りです。コンサート会場には恭子先生の大きな絵が飾られていますし、ポップアップカードの見本にこすもす公園の希望の壁画のモチーフが用いられているので、参加者の多くがそれらを模してカラフルなカードを作っていました。子ども達だけではなく御父兄も一緒に参加され、皆で一緒になって楽しめたワークショップでした。

 第一部第二部とも、子ども達は良いお行儀で自分のつとめを立派に果たせたと思います。他の参加者からもその姿勢にお褒めの言葉を頂戴しました。限られたスペースに限られた時間ではありましたが、やはり東北への思いのこもった場が、良い時間を作ったのではないでしょうか。
 番外編にはなりますが、リハーサル後の短い時間を使って子ども達と神楽坂見学をしました。ほんの15分ほどの時間でしたが、神社や石畳を観察したことが、子ども達を慣れない場所や本番の緊張感から解放し、良い息抜きになったと思います。

 恭子先生からの贈り物、それは12日(日)のチャリティコンサートに参加するという経験もそうなのですが、翌日の13日(月)に広尾のお稽古場で絵画教室を開いてくださったことを意味しています。新一年生さんを中心に20人ほどの子ども達が恭子先生のご指導のもと、アクリル絵の具を使うことに初めて挑戦しました。絵のテーマはお菓子のパッケージで、さまざまなお菓子がお稽古場に並べられ、子ども達を迎えました。たくさんのお菓子を見た子ども達は大喜びです。わーい!という気持ちで、自分が描く「モデル」のお菓子を選びました。アクリル絵の具、キャンパス、筆、どれもが真新しいもので、子ども達のために用意されたものです。アクリル絵の具は普段恭子先生がお使いになっているものと同じ絵の具で、前日のチャリティコンサート会場に飾られていた大きな絵を間近に見てきたばかりの子ども達は「恭子先生と同じ絵の具で描くのだ!」というワクワクする気持ちが高まっていました。

 「小さくなってしまわないように大きく描くのよ、本物みたいによく観て描いてね!」という恭子先生の教えを頼りに制作にとりかかる子ども達。鉛筆で下書きをするところまではうまくできても、そこから先は未知の世界です。うまくいく子もいれば、思うようにいかない子もいます。あちらこちらから「恭子せんせーい!」と先生のご指導を仰ぐ声が続きます。その声のひとつひとつに応えてくださる恭子先生のアドバイスのおかげで、誰一人として途中で投げ出すことなく、全員が作品を仕上げたのでした!参加者には新年中の子もいましたが、立ち上がって歩きまわるような子はいません。良い集中力を保ち、楽しみながら、そして何よりも意欲的に、制作にとりかかっていました。お菓子のパッケージには字もあります。字などまだ習ってなどいない子ども達にとって、慣れない筆と絵の具で字を書くのはさぞ難しかったことでしょう。あまり水を使わずに描くアクリル絵の具で広い面積を塗る作業にも、子ども達は苦心していたと思います。簡単にはいかない制作をやり遂げたからこそ得られる達成感に、どの子もとても良い表情を見せていました。

 恭子先生には毎年新一年生さんがこの時期に完成させている手作りのいろはカルタも見ていただきました。文章も絵もオリジナルで作った50音のカルタの一枚一枚を、一人ずつ先生に講評していただきました。新一年生さんにとってどんなにうれしい時間だったことでしょう。
 
 前日のチャリティコンサートに引き続いてこのアトリエに参加したという意味があると思います。コンサート会場で目の当たりにした恭子先生の作品、それと同じ道具を使って自分達も制作できるという高揚感、大好きなお菓子がたくさん並べられた楽しそうな雰囲気と、仲間も一緒に取り組んでいるというお互いを高め合う空気。昨日の今日でつながる、良い雰囲気がはじめからお稽古場にはあったのです。この日の制作活動中にはどの子も自分の課題があり、それを自分の力でクリアできたことで次のステップへ進めた、その背中を押してくださったのは恭子先生でした。3月、それぞれの学年の締めくくりにふさわしい、記念に残るアトリエは「世界一受けたい授業」の一つと言えると思いました。
 子ども達がお絵描きと格闘している様子を見て回っている私に「いそべっちもやればー」と声をかける子ども達。恭子先生から頂いたこのすばらしい機会、それこそが贈り物です。先生に感謝するのと同時に、こひつじかいでもこのアトリエのような雰囲気、空気感を作っていきたいと強く思いました。

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