<バンコク> パターンブロック インストラクター養成講座

2017年3月9日 / 未分類

 2月17日(金)と18日(土)にインストラクター養成講座を開催しました。一日目は講義を中心にパターンブロックについて学び、二日目は子ども達が参加するパターンブロッククラスのアシスタントとして参加し、実習を中心に学びました。

 2月のバンコクは乾期で、この日の天気は晴れ、昼間の気温は34℃と高めですが、過ごしやすい陽気です。一日目の講義はBTSアソーク駅近くのセンターポイントスクンビット10の一室で開催されました。とても落ち着いた環境です。

 まずは講師が、実際に子ども達にパターンブロックの指導をしている映像を見ながら、パターンブロックの魅力と、子ども達への声掛けについて具体的に解説します。受講者は熱心にメモを取りながら講師の話に聞き入ります。

 次にワークショップで、実際にパターンブロックを操作します。講師がブロックを黄色・赤・青・緑の順に積み上げ、図形が分解・合成できることを示します。遊び感覚でこの操作をすることで、2歳や3歳の子どもでも図形感覚が身に付くことがイメージできます。

 パターンブロックの特性がひと通り分かったところで、今度は実際にパターンブロックを使って、算数オリンピックに出題された難解な図形問題を解いてみました。問題だけ見てみるとどう考えても解けそうにありません。しかしこの図形は何処かで見た形、そう、正十二角形、パターンブロックを使って作ることができる形です!問題用紙の図形の上にパターンブロックを乗せてみると、あら不思議!簡単に分解することができます。一見して複雑な形でも、単純な形に置き換えることで、図形問題を遊び感覚で解くことができるのです!

 三角形の枠に合わせた敷き詰めに挑戦しました。自由に並べて遊ぶことができるブロックですが、枠・数など制限を加えることで、より高い図形感覚が求められることが分かります。敷き詰めたブロックを見て、何色のブロックの数が多いのか、一見した印象で言い当ててみました。本当にその数が多いのかブロックを積み上げて数えてみると、ほとんどの受講者が、一見した印象と実際のブロックの数に大きな隔たりがあることが分かりました。このように図形感覚だけではなく数量感覚も身につけることができるのが、このブロックの特徴の一つです。

 一日目の最後は共同制作です。受講者全員でパターンブロックの街を作りました。タイトルはずばり「バンコク」。ビルの合間を走るBTS、チャオプラヤー川に浮かぶ船がリアルに再現されました。ビギナークラスとは思えない、クオリティの高さに驚くばかりです!受講者の皆様は最初は戸惑いながらブロックを積みはじめましたが、「ここにBTSを建設します」「チャオプラヤー川に船を浮かべます」と、まるで子どものように楽しそうに相談しながら街を作っていました。
 子どもになりきったところで、翌日の子ども達を交えての実践編が楽しみになってきた受講者の皆様でした。

 2日目は場所をリトル・ピアに変えて行いました。ここは日本人が多く居住するトンロー地区にある、コミュニティーモールにあります。子どもが遊べるスペースや遊具、レゴブロックなどが準備されたすてきなレストランは、親子で過ごすのには絶好の場所です。この日も前日同様、過ごしやすい陽気でした。

 子ども達も揃って開始したところで早早速ハプニングが発生。お母様と離れ離れになって寂しくなったのでしょうか、3、4人の子ども達が一斉に泣きはじめてしまいました。インストラクター養成講座受講の皆様は慌てることなく、講師と共に泣いている子どもを抱っこしたり、パターンブロックで遊んだりしています。「にんじんと同じ色はどれかな?バナナと同じ色はどれかな?」子ども達は講師の言葉かけに従ってブロックを分けていきました。

 しばらくすると先ほどまで泣いていた子ども達は、笑顔でパターンブロックで遊んでいるではありませんか!講師と受講者達の落ち着いた対応は子ども達の心をつかみました!受講者は前日の講師の教えを守り、子ども達の力を引き出してあげるように一人一人に丁寧に言葉をかけていました。

 途中停電があり、空調が止まって室内温度が上昇するトラブルがありましたが、子ども達は平然と、皆で協力してパターンブロックで遊ぶことができました。最初は泣いていた子ども達も帰る頃には晴々とした顔で、お迎えにいらっしゃったお母様に自分の作品を見せていたのが印象的でした。受講者の皆様が一日目の講義と制作で感じ取ったパターンブロックの奥深い魅力が、子ども達の心にも届いたのだと思いました。いつの間にか夢中になって遊び、いつの間にか学びに繋がっている。講師と一緒に受講者が子ども達をサポートした結果、子ども達にそんな時間を過ごせてもらえたことは、このインストラクター養成講座の効果と言えるでしょう。これからもバンコクで子ども達にパターンブロックに親しみ、楽しく学んでいってもらえることが、とても嬉しくなりました。

 今回のパターンブロックインストラクター養成講座受講者の一人は、リトル・ピーの先生で、今回の講座で得た知見を元に、パターンブロックのアクティビティをお店で開催していきたいとおっしゃっていました。きっと素晴らしいアクティビティになることと思います。

 受講者の皆様、お集り頂いた子ども達と保護者の皆様、二日間お付き合いくださり本当にありがとうございました。

<子育てセミナー> 「賢い子どもを育てる方法」 ~気づきと学びの子育て法~

2017年3月9日 / 未分類

 3月3日(金)お雛祭りの日に、玉川高島屋・屋上にあるサンルームのようなすてきなお部屋で子育てセミナーを行いました。前日の冷たい雨とは打って変わり、弥生にふさわしいあたたかな朝です。壁一面の窓からは屋上庭園が望め、クリスマス・ローズが咲いている様子や、あたたかさに誘われて遊びに来た、小さな子ども連れの家族が見受けられました。

 セミナーには生後5か月の女の子がお母様に抱かれて参加していました。会場に来る前に生花市場で調達した桃の花とチューリップを飾ったのですが、この赤ちゃんの初節句をお祝いできたようで良かったです。市場は春満載で、ミモザや色とりどりのラナンキュラス、チューリップがありました。今日選んだチューリップは「グレー」という表示が付いていました。花びらの内側は紫色で外側がグレー。なるほど、そう言われてみるとグレーです。以前ならグレー(灰色)は花の色としてはふさわしくないように感じたものでしょうが、この少しスモーキーで落ち着いた色味は、霞がかった春の雰囲気にしっくりとくるものでした。今日のセミナーにいらっしゃるお母様方を春のお花でお迎えしたい、そう思って立ち寄った花市場ですが、花好きの私にとってとても潤いのある朝時間を過ごすことができたのでした。

 はじめに自己紹介をしました。小学校受験を目的としたお稽古を長年やってまいりましたが、改めて私自身が自分の子ども達の受験準備をしていた経験を振り返ってみると、受験だからと特別なことをしたのではなく、日常生活で当たり前なことをやったのだと言えます。だからとても楽しい日々を過ごせたと思います。今の時代は情報量がとても多く、何かと惑わされてしまいかねませんが、とにかく9歳までは丁寧な子育てをすることが大切だとお伝えしました。
 あるお母様は自己紹介で、「先日娘がはじめて菜の花を食べることができ、春って苦いんだねと感想を言ったときに、娘の成長を感じた」とお話しくださいました。苦手と思っていたものを食べてみようと挑戦できた成長と、この年頃の子どもならではの純粋な感性で表現することができるという意味での成長。来年の同じ時期にはもうこのような感想は聞けないかもしれないのです。日常のなかで子どもの成長を感じる、幸せなエピソードでした。
 子育ては大変、確かにそうでしょう。けれども過度のプレッシャーに振り回されることなく、日々の子どもとの何気ない日常を、その中で発見できる子どもの成長に幸せを感じながら、ぜひ子育てを楽しむという気持ちを忘れないでほしいと思います。お母様方のそういった姿勢は必ず子ども達にも伝わるもの。子育てがうまくいく助けとなるでしょう。

 さて「賢い子ども」とはどんな子のことでしょう?子どもが小さなうちは、言葉を上手に使ってお話ができると賢いと言われます。しかし成長とともに、様々な要素が求められるのではないでしょうか。学習能力が高いだけではなく、人間関係を良好に築けることも大事なことです。そのような「賢い子ども」を育てるには、どうすれば良いのでしょう。
 まずは子どもができないことは「まだ知らない」と捉えて付き合い、子どもが上手にできることを自信につなげてみてはいかがでしょうか。身近なことで良いのです。子どもが成功体験をできるようにする、子どもが成功体験をすることができたと気付けることが大切ですね。

 先ほどの子育てを楽しもうという気持ち、それは心に余裕がある状態と言えるかもしれません。誰しもうまくいかずにイライラすることはあるでしょう。そんなときのために自分だけの解消法を持っていましょう。今回ご出席されたお母様方の多くは「食べる楽しみ」でイライラを解消されているようでした。食べること、食事作りを楽しめることは、子育てにおいてとても大事なことです。コンビニエンスストアなどで簡単に食べ物を買えることはとても便利ですが、そこには子どもへの愛情は入っていません。贅沢なものである必要は全くないので、お母様の愛情をかけて子ども達に食べさせてあげることが、子どもを大きく育てる鍵となります。子どもの食欲を掻き立てるようなお食事作りは「ママの工夫のしどころ」ですが、日中たくさん活動してお腹が空き、お食事がおいしい!という流れができるような一日のリズムをつくることも大切です。こういった生活を送ることが子どもの気力、体力につながります。9歳までにぜひ定着させましょう。
 賢い子どもを育てるには、してはいけないことはいけない、我慢するところは我慢の仕方、危険なことはどのように危険なのかを、伝えることが大切です。親がしっかりと教えれば、小さな子どもでもちゃんと学び、理解するものです。子どもにとって嫌なこと、危ないことを省いていては、自分で考え正しく判断する力が育たないでしょう。
 どうかお母様自身をいたわることも後回しにせずに、お金では買うことができない、日々のぬくもりでできていく親子の絆を紡いでいってほしいと願っています。
 セミナー後のアンケートには「新学年を前に、気持ちを切り替えることができた」「大きな枠の中で子育てを捉え直せた」「子どもとの関わりの中で大切なことを確認できた」といった感想が寄せられました。やはりこうした場で、ときどき子育てを振り返り、お母様自身の心と静かに対話する時間の意義を感じました。次回5月1日(月)に予定しておりますセミナーでも、お母様方の心が軽くなるような時間をご一緒できますよう、準備して参りたいと思います。

<バンコク> 第5回ドラえもんDAY CAMP

2017年3月9日 / 未分類

 2月25日(土)に5回目となるドラえもんDAY CAMPを行いました。バンコクに住んでいてもその土地のことをなかなか知る機会を持てずにいる子ども達に、身近な場所を探検し、楽しみながらタイについて学んでほしい、そんな願いからはじめたキャンプです。今回はみんなで電車に乗り、市場を散策したあと、お昼ご飯を一緒に食べる予定となっています。

 朝、待ち合わせ場所の駅に参加する子ども達が集まってきました。ここでは身長によって大人料金か子ども料金かが決まるシステムで、120cmが境になっています。券売機近くには120cmのラインがあり、子ども達は自分の背と比べます。もう、チケットを買うところから楽しい!という子もいれば、なんだか不安そうな子もいます。そんな子もこんな子も、右手にチケットを持ってお見送りのお母様に行ってきますのご挨拶をし、いざ出発です。何かと子どもにやさしいタイですが、この日は出発の時点から親切なお巡りさんのお世話になる事態となりました。地図をくださったり、目的地のガンぺーンペット駅まで一緒に電車に乗ってくださったかと思うと、その先の市場散策まで同行し道案内をしてくださったのです!
 車内でも優しいタイの人々に席を譲られた子ども達。でも日本でのお稽古スタイルも取り入れています。駅などの長い階段は自力で昇降するのがお約束です。地震が起きる日本で、いつもエレベーターやエスカレーターに頼るわけにはいきません。

 市場の最寄り駅に着き、本当は事前に道などを調べていたのですが、それとは異なるお巡りさんご推奨のルートを進みました。タイらしいもの、日本ではあまり見ることのないもの・・・さて、どんなものがあるでしょう?食材がならぶ市場というよりは、日用品や様々なお店が出ている市場で、子ども達は興味津々です。ワニ皮で覆われたワニのオブジェや、黄金色の王様の椅子など、早速めずらしいものがありました。黄金の椅子は売り物でしたが、子ども達全員が座ってみて写真を撮っても怒られることはありません。水晶のような石、木片でできたゾウやキリンなど、なんだか少し不思議なものが並んでいました。
 別の場所には新国王の大きな写真が飾られていました。一方で、亡くなられた国王の優しさが伝わってくる像があり、そこにはお花が手向けられ、黒と白のリボンかかけられていて、子ども達は「喪に服する」ということを学びました。そしてその様子をお絵描きしました。

 広い市場には食べ物やお花、それにペットショップがありました。猫やうさぎは日本でも見かけるでしょうが、サメの赤ちゃんや一匹ずつビニール袋に入れられた魚が大量に売られていて、「魚はなぜ死なないのだろう?」と、日本では見ない光景にびっくりした子ども達でした。鳥の絵を描いたり、ゾウの神様「ガネーシャ」があちらこちらに祭られているのを見てお祈りをし、タイ人の信仰深さを感じました。何を見るにしても、素通りするように進むのではなく、いろいろな角度からじっくりと見るように心がけました。

 JJモールフードコートに移動し、タイならではの器やパパイヤ、ドリアンといった食べ物、そしてパッタイなどを作っている様子をみて絵に描きました。さつま揚げのようなスナックをみんなでつまみ食いしてみたり、タイの洋服や仏像等々、様々な「タイらしいもの」に触れました。
 サトウキビ、ザクロ、オレンジ、マナオ、ココナツといったジュースを飲み比べしてこのキャンプを満喫した子ども達は、ホテルが運営するトゥクトゥクに乗ってホテルのお稽古場に向かいました。さあ、楽しいランチタイムです!
 ランチョンマットはドラえもんキャンプにちなみ、ドラえもんが描かれた紙で子ども達が作りました。お皿にはひょうたん入りの辛くないトムヤムクンやバナナの皮で包んであるお豆腐などがよそってあります。ごはんを盛ったのは、ハート型の海老煎餅!デザートにはさまざまなタイの果物が用意されていました。今回は私が事前に食材を調達して準備をした食事でした。もちろん、子ども達と一緒に食材を買って調理をすることができたら一番良いのでしょうが、限られた時間のなかでのキャンプです、今回はホテルのお部屋の設備を有効活用できて良かったと言えるのではないでしょうか。

 最後にお弁当のおかずを入れるカップを使った金メダルを作りました。このキャンプ中、お巡りさんをはじめタイ人との交流し、話しかけられる場面がありましたが、子ども達がこんにちはやありがとうといったご挨拶をできずにいる場面を見て、さみしさを感じました。
 誰にでも親しげに話す危険はありますが、基本的な挨拶はできると良いのではないでしょうか。まだ小さな子ども達、普段からその機会がなかったのだと思います。タイではありがとうは言葉ではなく、合掌することでも伝わるそうです。タイ風に自然にご挨拶ができるようになる、一つ目標にしてみてはいかがでしょうか。 
 お昼ご飯の後に公園に行って遊ぶ予定をたてていましたが、子ども達の体力を考えキャンプはここで終了としたことは少々残念でした。とは言え、お迎えのお母様方のところへ戻ってきた子ども達の表情を見て、キャンプをとても楽しめたことが良く伝わったと思います。活動中子ども達はずっと笑顔で、子ども同士が仲良くなれて良かったです。
 いつか本帰国をするときに、タイならではの楽しい思い出ができたらうれしく思います。次回5月にはまた違った切り口から、子ども達にタイに親しんでもらいたいと考えています。もう今から、楽しみでなりません。

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