【絵画コンクール受賞】今年も広島平和記念式典にご招待いただきました。
2024年8月21日
毎年子ども達が参加させていただいている「夾竹桃物語ーわすれていてごめんね」の読書感想画部門で今年も1名入賞し、今年も広島平和記念式典にご招待いただきました。お母様からいただいたご感想を掲載させていただきます。
「夾竹桃物語ーわすれていてごめんね」2024年コンクールにて
6歳の息子の絵が入賞したとご連絡をいただいたとき、言葉にできないほどの感情が込み上げて参りました。
入賞のご連絡をいただいて2週間後の昨日、広島にて平和記念式典とコンクール表彰式に親子で参列させていただきました。
2024年8月6日、平和記念公園の壮大さに驚きました。そこには豊かな自然があり、川があり、数々のモニュメントに美しささえ感じる原爆ドーム。
東京に住んで15年になりますが、これほどの蝉の大合唱を体全体で感じるのはいつぶりだろうー。
決してテレビ上では感じることのない、広島を体験させていただきました。
79年前の原爆の恐ろしさを教訓に、戦争は絶対に許されないこと、心から平和を願うこと、原爆の被害を80年弱も受け続けている日本が、広島が、市民が世界平和を訴え続けていく存在であると一人一人が心に決め多くの市民が立ち上がられていました。また、日本政府に対しての核戦力強化に対するデモ活動もございました。
この日、ここに集まった方々が伝えようとしていることを、息子にわかる言葉で「平和とは何か」「平和が無くなるとどうなるのか」「平和が奪われるとはどういうことなのか」を式典の座席に向かう途中に話し合いながら足を進めました。
36度を超える気温に肌を焼き付ける直射日光、無風の酷暑を感じながら原爆で亡くなった方々への献水から平和記念式典が始まりました。
広島市長、こども代表のお二人を含む代表の方々が「日本が中心となって世界の平和を作っていく」という強い意志と志を世界中に発信されました。
そのお言葉一言一言に重みがあり、私も小学生だった頃の夏休みを思い出しました。
福岡で生まれ育ち、小学校の夏休み期間中には8月6日に全校生徒が登校し、8時15分には黙祷をして平和学習がございました。
社会人になり、いつの間にか曜日感覚もないほど働き、東京に移り住み、今必死に子育てをする中で重要なことが私の中で薄れていたことに気づかされました。
子供には、命と心の大切さがわかる子になってほしいという想いから、今までも戦争をテーマにしたアニメ、映画、実際に残された手紙の文などを共有して参りました。
しかしながら今回の平和記念式典にご招待という形でいただいたこの時間は想像以上に、人として大事なことを私にも再度教えてくださった時間となりました。
そして六歳というまだ幼い息子にとっても、これからの未来を作っていく一人の人間として、この体験は人生で貴重な体験の一つになったことだと感じます。
平和記念式典を終え、「夾竹物語-わすれていてごめんね」コンクールの表彰式の式典へと移動しました。
正装に着替え、息子自身も表彰式に立たせていただけることの重大さを徐々に実感していくように感じました。
式典が行われるリーガロイヤルホテル3階にエレベーターが到着した瞬間、華やかな赤のカーペットが一面に視界を埋めました。
受付を済ませて会場に入ると、ステージ上のシャンデリアや金屏風が煌びやかに出迎えてくださったような感覚でした。
受賞者席には、息子は未就学児ということもあり保護者席を横に設けてくださってました。
息子は他の受賞者の皆様が小・中学生のお兄様お姉様方が多いことに驚き、自分も同じ空間にて表彰していただけることが嬉しそうでした。
司会者の進行で開会し、夾竹桃物語の作者である緒方先生のご入場を拍手でお迎えいたしました。
緒方先生のお話では、朝の平和記念式典での言葉と重なる平和への願い、気持ちが強く強く込められていました。
中でも、子供たちに向けてのメッセージが心に響きました。
「私は78歳になります。私が子供の頃も戦争がありました。今でも世界では戦争が行われています。地球は核爆弾を3回使用すると壊れると言われています。それを人類は分かっているはずなのに、地球を壊す3つ以上の核を地球上で所持しています。一体、なぜでしょうか。なぜ人類は戦争をするのでしょうか。その理由は、あなたたちが大人になるまでに、答えを見つけてください。私は私の答えを持っています。あなたたちはあなたたちで戦争をする意味を考え、あなたたちの答えを出してください。あなたたちが大学生や大人になった時、一緒になったクラスメイトと戦争の話が出た時、広島の話が出た時、きっと今日のことを思い出すでしょう。あぁ、子供の頃コンクール受賞して広島にいったなぁと。そうして今日の日のことを思い出してください。そのように皆が思い出してくれると、平和に対する意識の輪が広がっていくと思っています。そんな人を一人でも多く増やしたいという想いから、子供向けに夾竹桃物語コンクールを開くようになったのです。どうか皆さん、今日の平和記念式典で感じたこと。表彰式で感じたこと。ずっと覚えていてください。そして大人になっても思い出してください。」
緒方先生の言葉は、一人一人の受賞者の胸に強く伝わったと思います。心よりこの場にお招きいただいたこと、六歳の息子に人生で最も大事な教えを賜われたこと。
この意味、使命を感じながらいよいよ表彰式がはじまりました。
息子は「広島市長賞」をいただきました。朝の平和記念式典での平和宣言をなさった広島市長のお姿、お言葉のひとつ一つを思い出しながら、広島市長が息子の絵を選んでくださったということに感銘を受けております。
式典終了後は緒方先生のサインをいただきました。
「いつも心に太陽を!」というメッセージが添えられていました。
息子の絵は、太陽の光と鳥でした。偶然か、緒方先生が息子の絵を覚えてくださっているのかは不明ですが、このメッセージには大きな大きな意味が宿りました。
息子にとって、一生の心の支えの言葉となることだと思います。
夾竹桃物語事務局の皆様、ボランティアの皆様、コンクール開催継続のために寄付をくださっている皆様、そしてコンクールに応募くださる機会をくださったK&Rアカデミーの先生方に、人生で1度体験できるかどうかの貴重な学びの機会を親子共にいただけましたことに深く心より感謝申し上げます。