<こひつじかい>斑尾キャンプ2日目

2017年8月6日

東京とは異なる気候の高原では、クーラー要らずで布団をかけて寝るのが気持ち良いものです。おかげで朝までぐっすり眠った子ども達、良い睡眠がとれました。
キャンプ2日目の7月28日(金)は6時に全員が起きる予定になっているところ、早い子が起きだしたのが5時50分頃、でもこれは普段のこひつじかいのキャンプでは遅い方です。元気な子達が5時頃には起きだす、それが通常なのですが、今回のキャンプでは起こされるまで寝ている子どもが多く、体力の違いなのでは?と感じました。6時に起床して6時半から体操をはじめました。体操の前には、てきぱき準備を済ませ、その隙間時間にも昨日できなかった日記を書き終えるという課題がありましたが、半数以上の子どもができたようでした。環境づくりは本当に大切で、家では5分、10分の時間をだらだら無駄にしてしまうことが常ですが、周りの様子をしっかり感じ取り、行動に移せました。
 朝の体操の時間では思い切り走ったりラダーをして体を動かします。縄跳びのチャンピオン決めもあります。毎日縄跳びに取り組んでいる年長さんは小学生に勝ちました。毎日続けていることで得られるものを、子ども達も感じていました。雲海がきれい斑尾では、朝日が昇り始め、空がだんだんに覆われていた雲海がきえ、青空に変化します。雲の中で体操が始まり、汗を存分にかいた後はきれいなすがすがしい青空のもと走り回っています。周りから山羊のメーメーという鳴き声が聞こえて来て、年少さんは電車ごっこをしながら山羊と遊ぶという長閑な場面もあり、この朝の時間は、まさに五感磨き、鳥の声に耳を澄ませ、美味しい空気を肌で感じ、すっきりとした高原のにおいを嗅ぐなどキャンプならではのすばらしさがありました。

 いつもなら、腹ペコですぐに朝食ですが、今年はいつもよりもっともっとお腹をすかせ、美味しくモリモリ食べてほしかったので、野山を15分ほどかけ遊んでから朝食にしました。ホテルには中国人の小学生達が合宿に来ていて、朝食の場を一緒に過ごしました。すぐそこに広がる緑の庭を見ると遊びたくてたまらなくなる子ども達、友達と一緒にいるので尚更です。そんな表情はとても素敵だと感じました。
 朝ご飯は前日の夕ご飯と志向を変えて、まずは15分でよく噛んでモリモリ食べよう!と、時間を重視しました。今年のお食事ではお箸やフォーク使いが下手なためにご飯をうまく口へ運べない様子が見られたので、朝食ではご飯を海苔巻きにしてみたところ、どんどん食べれるようになりました。一皿目が終わるまで約20分、その後高原の牛乳やリンゴジュースをいただきました。やはり道具を上手に使うことができることは、根本です。便利なグッズがあったり、またご両親の年代が上がったため、いつまでも赤ちゃん扱いをすることが気がかりですが、3歳までの間にきちんとした生活習慣をつけておけば、最初から癖がつかずにスムーズに自然に身に付けることができます。一度ついた癖を直そうとすることはとても大変なことです。
また、いつまでも小さいと思い、細かくきってあげたり、ほぐしてあげたり、まるで鳥の餌のような食事のとり方は、かむこともかみ切ることもできず、さらには、呑み込むこともできません。離乳食が始まってからの食事のとり方、もう一度考えてほしいと痛感しました。

 予定の時間通りにプログラムが進んでいます。食後にお勉強やお絵描きをしたあと、9時半からパン作りがはじまりました。お絵描きをすることで、感じたことや、思ったことを表現できるようになります。どの子も当たり前のように、描いていくうちに、表現することが億劫でなくなってき始めました。もちろん今回もエプロンを身につけます。なかには、昨日エプロンができずに悔しい思いをした子は、歯を食いしばり、挑戦している姿も見えました。同じ工程をしても、子ども達のやる気は様々で、ここで普段の親御さんの手の掛け方が露骨に子どものやる気に差をつけます。ジャム作りのように縦割りグループで行います。子ども達にとっては同じに見える粉ですが、たくさんの粉の種類の材料を良く教えていただき、真剣に関心を持ち、覚え、混ぜている姿は、一人前のパン職人でした。 生地をこねたり寝かせたり。工程のなかで隙間時間ができるとパン作りの様子を絵に描きました。それぞれがチーズをいれたり、ちいさなまるにしてみたり、ダッチオーブンのなかは、素敵なパン種が並べられました。

炭火で、焼き上げる、これまた、焼けるまでがワクワクです。どのパンがおいしいかコンテストもしてみました。また、キャンプ初日に収穫したじゃがいもでポテトサラダを作りました。薄い皮を子ども達の小さな手で剥いて、野菜やハムも切ります。マヨネーズなどで味付けをしたらこちらもまたグループ対抗のコンテストをしました。新鮮なお野菜を材料に自分達で作ったポテトサラダは美味しくて、普段はマヨネーズが嫌いな子もいつもとは違った面持ちで、一生懸命にコックさんになっていました。途中で味見と称して、つまみ食いをする様子は、本来のいたずら好きな子供の顔です。パンの焼ける間も、とても香ばしい美味しい匂いを嗅ぎながら、タッチフットをしたり、芝生でゴロゴロ、またパン屋さんの手遊びなどをして楽しみました。 パンのお供には手作りのブルーベリージャムも登場しました。ダッチオーヴンで焼いたパンはとても上手にでき、早い者勝ち!というこひつじかいのルールにのっとり、みんなで何度もおかわりをし、あっという間に、パン屋さんは閉店しました。

 午後はホテルの傍のスキー場を探検しました。貸し切り状態のスキー場で鬼ごっこやだるまさんが転んだなど、昔ながらのシンプルな遊びを楽しみます。このキャンプのテーマとなっている虫に接することもできました。トノサマバッタやオンブバッタを見つけて大喜び、一緒になって飛び跳ねる子ども達でした。ZIPlineは、できませんが、そのラインをつかって、逆上がりをしたり、ターザンロープにみたてたり、子ども達は遊びを考える名人。お友達と一緒だから、たくさんの笑顔で、あたらしいあそびをみつけ、小さいお友達も負けずにまじり、身体を動かしました。

 動の後は、静の時間。お部屋に戻りお絵描き、お勉強を集中して行います。くたびれているどころか、時間の使い方がどんどん上手になって行きます。15時からはスイカ割をしました。水着に着替えて2チーム対抗でのスイカ割り、だれとなったって、その時その時に真剣に勝負をする姿は、人生の中でも身につけてほしいこと。ぐるぐる回ると、方向がわからなくなってしまったり、夢中になって、棒のそばにいく子など、それぞれの性格がでてきました。思う存分スイカを食べましたが、でこぼこのスイカは格別においしいようでした。水着を着ているので、これで終わるわけがなく、ホースで水遊びをして存分にはしゃいで、大騒ぎでした。こういったことも仲間と一緒だから楽しさが何倍にもなるのだと思います。子ども達の笑顔は水しぶきにあたる日差しに負けずにキラキラしていました。
 一般の入浴時間よりずいぶん早いので、貸し切りとなった温泉につかりました。なんと贅沢なことでしょう。温泉効果は、てきめんで、いつも塗り薬をつけている子も、肌がつるつる。体調もとても良く元気です。今年のキャンプは、年長さんはお薬がかなりありましたが、その他のクラスは、ほとんどお薬もなく、みんな元気いっぱいで過ごせました。お薬も大切ですが、小さいうちに是非、体力をつけ、薬に頼らない日々が学校生活をスムーズに送る土台です。すっきりしたところで、18時半からのお夕食までの間はお勉強などをして過ごしました。

 斑尾キャンプ初の試み、お夕食後はキャンプファイヤーをしました。天気予報では、お天気が怪しかったのですが、すっかり雲が取れました。日中親善キャンプファイヤー。中国から来ている子ども達も一緒です。小学3年生以上の子どもが来ていたようで、人数はちょうどこひつじかいの子ども達と同じくらいいました。中国のお友達と交互に手をつなぎ、大きな大きな円ができました。点火式も感激!年長さん達がはらぺこあおむしの歌を披露し、一年生が虹の歌を歌うとみんなも合唱しました。夕方から陣中見舞いにお見えになっていたロッジ・ラーのお母さんと校長先生が子ども達の歌を聴いてくださり、褒めていただきました。年長さんは、毎日少しづつ練習していたお歌を、色々な方の前で披露することで、自信にもなってきています。
 キャンプファイヤーの火がなければほんとうに真っ暗な大自然の中です。子ども達は懐中電灯で足元を照らします。星や月や美しく見える夜空の下、火を囲んで過ごすひと時は特別なもの。大自然の中で日本と中国、言葉は通じなくてもすばらしい交流ができたと、子ども達も感じているようでした。
 この日はちょうどまゆちゃんの6歳のお誕生日でしたので、キャンプファイヤーを囲んでお誕生日の歌を歌いました。中国チームにもお誕生日の子がいたので、英語と中国語で歌いました。お祝いされた子ども達は照れ臭そうにしながらも嬉しそうな表情をしていました。二度と経験できない6歳のお誕生日はきっと忘れられない場面として記憶に残ることでしょう。

 遅い時間になってしまいましたが、ホテルに戻ってから飾りつけをしたお部屋でケーキを囲み、こひつじかいチームだけでのお誕生会をしました。ケーキにさしたキャンドルの火の大きさは先ほどのキャンプファイヤーに比べると本当に小さく、火をつけるにしても吹き消すにしても、その大きさの違いが印象的でした。
 セレモニーが終わるとみんなあっという間に眠りにつき、長い一日が終わりました。この日6歳になったまゆちゃんは、はりきって節目の一日を過ごしていたように思います。彼女の笑顔からは自信が感じられました。環境によって気持ちのスイッチが入ること、子どもには大切な契機です。夕方から子ども達の様子を見ていてくださったロッジ・ラーのお母さんと校長先生は、顔見知りの子ども達の3月以来の姿に成長を感じられたそうです。年長だった子は小学一年生になっているので、数か月とはいえ子どもにとっては大きく成長するのに十分な期間と言えるでしょう。成長したというお言葉を頂いて照れくさそうな子ども達、竹内農園で掘ったじゃがいもをプレゼントしました。

磯邊季里 @ 2017年08月06日 02:50 コメント: (0)

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