<こひつじかい>斑尾キャンプ4日目

2017年8月9日

 7月30日(日)キャンプ4日目にして、ようやくこひつじかいらしい朝になりました。起床時間よりも随分早く、5時過ぎに男の子達が起きてきたのです。5時半にもなると早い子はお絵描きなどをしていて、6時過ぎには網やボールを持ってホテルのお庭へ散歩に出かけました。これまでは起こさないと起きなかった子ども達でしたが、6時には元気な声が聞こえてきました。体操は6時半から。朝食の時間をしっかりとりたいので、この時間にしました。

 朝の体操では縄跳びのチャンピオン決めをしていますが、この日は小学生のお姉さん、りみちゃんが400回以上跳んでチャンピオンになりました。小学校高学年のりみちゃんが下級生達に見せてくれる素敵なお手本は、小さな子ども達の励みになっています。キャンプでは縦割りのグループで活動することが様々あり、幼稚園児が小学生のお兄さんお姉さんに憧れ、真似をするということがありますが、身近なお手本は子どもの成長の契機になるもの。生活を共にするキャンプの醍醐味の一つだと思います。年中さんの男の子で一年生のお兄様にあこがれて、片時も離れない子がいます。
ついには、僕のお兄ちゃんと呼んで、どんなことにもお兄さんをお手本にして、食いついていく姿は、とてもたくましいです。自分で決めたこと、やろうと思う気持ちは、とても大きな1歩になり成長することができます。きっといつか頼もしいお兄さんとなることでしょう。

 日中はとにかく工作に没頭しました。キャンプのテーマである「虫」を、クリップやトイレットペーパーの芯など身近なものを工夫して使い作るのです。全員でたくさんの虫を作りました。年齢に関係なく、子ども達のアイデアは、果てしなく、皆で同じ材料を使ってもいろいろなアイデアに満ちた虫たちがうまれます。作りはじめると子ども達は、夢中になって虫の世界に入っていき、大人の四角四面の頭のとがったものを取ってくれるようです。
こんな虫たちがいたらいいな!ととても楽しそうな会話が森になっているお部屋の中から聞こえてきます。
お部屋に草むらのようなシートを敷き、子どもなりに想像力を働かせて虫を配置し、虫たちのパーティーの準備が進みました。並べ方にだって一工夫。今晩のパーティーの相談をしている虫たちは、まるになっていたり、鬼ごっこをしている虫がいたり、ただ置くのではなく、そんな様子を肌で感じると次から次へと皆がお話しづくりをして、草むらをにぎやかにします。
女の子はどちらかというと虫と接する機会が少ないものです。そんな女の子達も今回のキャンプで随分虫に親しみました。キャンプにはテーマに合わせて虫について描かれた絵本や図鑑を持ってきていたので、ホテルのお庭で見つけた小さな虫をすぐに本で調べることができました。そうなると、様々な虫に目がいくようになるもの。ゲジゲジのように白い毛が生えた虫がさなぎになったという変化を目の当たりにすることができました。知識と経験がつながっていく、バーチャルではない学びによって、五感も磨かれていくようでした。年長さんのお稽古の表紙も、虫たちがえがかれています。

 お部屋に蜘蛛の巣を張り、ペットボトルのキャップで作った蜘蛛を飾ったら、虫のパーティー会場に仕上がりました。このキャンプの前に、課題として、モールを使えるようにしました。年中さんの女の子は、このキャンプにそなえて、200回以上もたくさんのモールを使って練習してきました。そんな彼女は、モールでの虫作りになると、目が輝きます。自信に満ちた表情で、次から次へと、可愛い虫たちを作りあげていきました。先生方やリーダーに、質問されてもいつもは照れくさそうにお話ししている彼女ですが、はきはきと自分の思っていることをニコニコ顔でこなしているは、とても印象的でした。その反対に同じ課題を練習はしたものの、自分のものにできていない子は、自信がなく、涙をためながら、取り組んでいました。子どもは、どんなことも1,2回やっただけでは、身に付きません。何度も何度も同じことを繰り返しやることを自分自身で覚えれば、子ども自身がどんなことにもチャレンジするでしょう。昨今、子ども達を取り巻く環境も変化してきました。小さい子ども達もやることが溢れています。目新しいことについ目がいってしまい、つまみ食いのような生活をしている子ども達が増えてきているように思えます。英才教育と言って、様々事を小さいうちに体験させてあげたいと思う親心もわかりますが、まずは大切な土台を作ったうえで、いろいろなことに自分で挑戦できる環境を作ってあげてほしいと思います。
土台がなくては、どんなに素晴らしい本物を与えたとしても、本物を習得することが出来ません。
お母様方の準備に関しても、是非ひと手間をかけることをお勧めします。


 最終日の夜ご飯は楽しいお食事にしたい、そう考えました。時間の制限はありつつも、どうにか楽しんでお食事してほしかったのです。年少さん達が作ってくれる笑い声が響き、マナーとしては賑やか過ぎ?ながら、子どもらしい楽しそうな声、表情がたくさん見られるお食事となりました。今回のキャンプでは、お食事、生活習慣をしっかりと身につけてほしいと思い、常にどのようにしたら、ベストなのかを考えていました。子ども達が毎日過ごしている環境もこのように一緒に生活していると、どのようにされているのかを考えてしまいました。毎日のお食事、便利なものは身近にあり、手軽に手に入り、おなかを満たすことは出来ますが、今しかない子の大切な子育ての時、ひと手間も二手間もかけ、楽しいお食事になるように工夫してあげてください。
食べてくれる人がいるからこそ、作りがいがあります。
日本のお惣菜は、質素ではありますが、栄養のバランスも整っています。とはいえ、時間をかけて、おだしをとったり、切ったり、灰汁をとったり、いろいろな課程がありますが、だからこそ、おふくろの味のようにお母さんを思い出す1品になると思います。子ども達におかあさまのつくってくださるお料理大好きなものはなあに?と質問しても、ごちそうになりたいな!と思うものはなかなかでてきません。そして、ふりかけごはん、きゅうりなどなど。これは少し寂しすぎませんか?
幼稚園の時は体がきゃしゃなこどもも、お母様の愛情料理を惜しみなく食べている子は、学年が上がるとみるみる大きくなり、体力もあり、様々なことに挑戦する子どもになっています。お母様、是非子供の体作り、丁寧に手塩にかけてみませんか。

 お夕食後は花火大会です。普段は一人数本程度の花火なのですが、今回はそれはそれは、たくさんの花火が用意されました。子ども達はいつももうちょっとしたいな!と思うところで、終わりになりますが、今回はとことん満足いくまでやろうと決めました。子ども達は思う存分花火を楽しむことができました。ただ花火をするだけでなく、煙はどっちへ行くのかな?火を使うときの注意など、ここでも学びがありました。火を使う遊びだからこそ、守らなくてはいけないお約束もたくさんあります。夢中になって、お友達の方にむけたら、やけどをしてしまいます。たくさんの花火をした分、たくさんのコミュニュケーションも取れました。
もくもくの煙に大興奮しながら、1時間以上を過ごしました。大満足のの子供たちは、てきぱきとお片付けもお手伝いしていました。


 おやすみの前に最後の温泉に入りました。露天風呂や水風呂など複数あるお風呂を、慣れた様子で楽しむ子ども達でした。一日の疲れも温泉でながされ、またふかふかの雲のようなおふとんに入ったと思うと、どこからともなく、すやすやと気持ちよさそうな寝息のハーモニーが聞こえてきました。

磯邊季里 @ 2017年08月09日 23:34 コメント: (0)

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