<こひつじかい>冬野菜収穫遠足

2020年12月13日

《朝の贅沢時間》
今日は冬野菜収穫遠足。
朝、子どもたちは砧公園に集合です。
雲に隠れたうっすらとした太陽の光が公園の駐車場にある木々のまだ落ちきらない紅葉をほのかに照らし、秋の名残をとどめています。
曇った空がより一層、鮮やかな暖色を際立たせます。

集まった子どもたちは、おはようの挨拶に始まり、おともだちと楽しそうにおしゃべりを始めます。
足元の落ち葉のパリパリとした音を楽しんだり、たくさんの落ち葉を手にすくってみたりして楽しみます。

子どもたちがみんな集まると、農園に行く前に、探検がてら公園の奥へと進んでいきます。
季節の変わり目を感じられる自然いっぱいのなか、朝の清々しい空気を吸って歩いていきます。
「この木は何?」と木の種類に関心を示す子の姿もありました。

歩いて行くと、広場に着きました。
着くや否や、大きな木を目印に、荷物を置いてさっそく鬼ごっこを始めます。自分たちで何の鬼ごっこをするか意見を出し合い、鬼決めをします。

ただでさえ広い砧公園ですが、朝だから貸し切り!!思う存分に走り回ることができます。
アスファルトとは違った、土と落ち葉の柔らかな踏み心地に、子どもたちは弾むように駆け回ります。

鬼ごっこをする子たちの傍、縄跳びをしたり、大きな木の下で、自然探しをして遊ぶ子もいました。
イチョウの葉、木の実、どんぐり、枝、子どもが大好きなものがたくさん溢れています。
低い位置で分枝する木は、子どもたちが木登りをするのにとっておきの場所です。

遊びに夢中になっているうちに、あっという間に移動の時間です。

農園までは歩いて向かいます。公園を抜けて住宅街に入り、どんどん進んでいきます。
子どもの歩幅では少し大変な距離かもしれませんが、それでも、子どもたちはまだまだ元気いっぱいで、農園に行く途中でトイレ休憩で寄った公園でまたすぐに遊び始めます。

《大収穫祭!!》

まず、大根を掘ります。
子どもたちは、「早く掘りたい!」という気持ちでそわそわしながら、農園の方の説明を真剣に聞きます。
大根は掘るというより引き抜くイメージ、折れてしまわないように真っ直ぐ引っ張ることがポイントです。
子どもにとっては重たくて大きくて、とても簡単に抜くことはできませんが、「うんとこしょ、どっこいしょ」とがんばります。
ついに大根の白い部分が顔を出すと子どもたちは大喜び。
太くたくましく、白い陶器のような硬質の肌触りの瑞々しい大根は、子どもたちには衝撃的であったと思います。両手で精いっぱい抱えて、「ぼくが、わたしがとったんだよ!」と誇らしげに見せてくれます。
今年の大根はけた違いで、農園の方も数十年育ててきて、こんなに太くなったのは初めて!とおっしゃるほど、どれも太く立派です。

次は白菜です。
白菜は、引き抜くというより、白菜自体を倒すことで根が地上に出てきます。
しかしその作業ひとつとっても子どもたちには大仕事。
体重をかけてなんとか地に埋まっている根を取ります。
白菜は子どもたちの背中より大きく、両手にも収まりきらないほどで、根を切り離した断面は、小さな切り株のようです。

最後に、長ネギを抜きます。
重さとしては大根や白菜よりも軽いのですが、立派な地面に垂直に力強く伸びているネギはなかなか抜けません。
農園の形に教えていただいたように、引き抜く途中で切れてしまわないように、地面に近い基部を持って引っ張ります。
2本取ると、子どもたちは3種類全て収穫したという満足げな顔です。

夢中になって収穫したお野菜の総重量はなんと360キロ以上!!
もしかしたら子ども達の合計体重よりも重たいかもしれません。

《仕事も遊びに変身》
収穫の合間には、落ちている大根や白菜の葉っぱのお掃除もお手伝いします。集めながら、大きな白菜の葉っぱに穴をあけて白菜星人に変身したり、帽子みたいと頭にかぶってみたり、色んな遊びが生まれます。リヤカーの秘密も教わりました。今度はリヤカーも自分たちで押せるようにと手押し車の特訓も始まりました。土の感触も心地がいいようで、自然と笑顔が溢れます。中には土の上ででんぐり返しをし始める子まで登場です。

《同じ、だけど全然違う》
この感覚を持っているかいないかで、同じように2つの目で見ていても、そこに映る世界には大きな違いが生まれることでしょう。
今日も子ども達はいつものようにお絵かきをします。
大根、白菜、長ネギ。
どれも、野菜であり、同じような色でという点は同じでありながら、一つひとつは全く違う姿をしています。よく観察しながら、それぞれの形や特徴、色を絵に表現します。

いつも食べている食材を、大変な思いをして自分で収穫していただくことで、子どもたちにとって思い入れ深く、特別な味がするのだと思います。
大人が食べても、葱の辛味が予想以上に強かったり、白菜の外側の葉っぱは色も味も濃かったりと沢山の発見、生きた学びがあります。是非、子ども達の敏感な五感で、野菜そのものの濃い味わいや辛味、甘み、みずみずしい食感、香りなど、採りたて新鮮だからこそ感じることの出来る沢山の味を余すところなく楽しんでほしいと思います。
強く逞しく育った大地の恵みからは、きっと栄養だけでない沢山のパワーをもらえることでしょう。

《アルバム》
冬野菜収穫遠足の写真はこちらです。お子様との会話の種にお使いください。
アルバムはこちらから⇒K&R 冬野菜収穫遠足アルバム
閲覧期限:12月19日

磯邊季里 @ 2020年12月13日 15:36 コメント: (0)

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