【お絵描きクラス】夾竹桃物語コンクール作者特別賞受賞
2025年8月31日
毎年子ども達が絵を描いて応募する夾竹桃物語のコンクール、これは原爆投下の歴史から平和への願いを子ども達やその次の世代、世界へと引き継いでいきたいという想いが込められたものです。
多くの作品の中から、お絵描きクラスの子の絵が「作者特別賞」をいただきました。
幼稚園生の頃から毎年同じ絵本の読書感想画を描きつづけているK君。年々読み取れることが増え、理解が深まり、彼の想いが込められた1枚の絵が見てくださる皆様にも伝わったことは非常に嬉しいことです。
8月6日の平和祈念式典のあとに行なわれた授賞式に参列されたご感想をいただきましたのでご報告いたします。

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息子が「夾竹桃物語-わすれていてごめんね」絵画コンクールの賞をいただき、親子で授賞式に参加してきました。2023年にも受賞し、2年ぶり2回目の広島訪問となりました。原爆投下によって、街とそこに住む方々が甚大な被害を受けてから80年後の2025年8月6日、広島です。
まさか、同じコンクールで再び賞をいただけることになるとは思わず、またコンクールの25周年という節目のときにどのような賞に選ばれたのだろうかと、息子も私も心を躍らせながら授賞式に向かいました。いただいたのは「作者特別賞」。それぞれの賞に選ばれることはもちろんありがたいことですが、著者である緒方俊平先生に選んでいただいたというのはこの上ない名誉なことだと感じました。
授賞式での緒方先生のお話のなかで印象に残ったお言葉があります。
作品はみんなそれぞれ良いものであって、良いとか悪いとかは決められない。ただ、何の差で賞が選ばれているかというと、どれだけの「想い」が乗せられているかの差で皆さんの作品は選ばれている。
息子の絵には、それだけの「想い」が込められていたのだと、作者の緒方先生にそれを伝えることができたのだということがわかりました。また、ただ伝えるだけではなく、息子が2年分成長した視点から感じたこと、考えたことを描くことができたからこそ、2回目の受賞につながったのではないかと思いました。実際に、描かれた絵の雰囲気は2年前とは全く異なっており、息子なりに改めて感じるところがあったのではないかと思っていました。今回の受賞を通じて息子の成長を感じることができ、とてもうれしく思いました。
さて、授賞式の後には、少しの時間、広島観光をしました。広島城には多くのインバウンド客がいました。また、平和記念公園にも多くの観光客がいました。原爆ドームなどに見られる原爆投下による爪痕と、夏の熱気に負けないくらいの街の賑わいとのギャップを垣間見ながら、たったの80年前に起きた悲劇が何かフィクションのようにも感じてしまうような錯覚に陥りそうになります。当然ながら私は戦争を知らない世代です。実際に戦争を体験したという方のほうが少ない世の中です。そのような時代、誰もが「知らない」で済まさずに、皆で悲劇を繰り返さないために何ができるのかという「想い」を繋いでいくことが大切なのではないでしょうか。この「夾竹桃物語-わすれていてごめんね」コンクールは、そうした「想い」を持つ緒方先生をはじめとした多くのボランティアの方々による協賛で成り立っていると伺いました。コンクールは、戦争という人間が引き起こした悲劇について子どもたちが自ら考え「想い」を巡らせる機会になっているのだと、その意義と先生方の熱意に気づかされました。
そして、このような機会に賞をいただけたということは、「知らない」では済まさずに、真剣に戦争・原爆と向き合って試行錯誤しながら絵を描き上げたという証なのでしょう。広島の街で隣を歩く息子がいつもより少し、逞しく見えました。





